米国株式、NASDAQ(ナスダック)上場銘柄のうち時価総額上位100(除く金融)から構成されるNASDAQ100指数との連動を目指すインデックスファンド、eMAXIS NASDAQ100インデックスについて解説します。
純資産総額 1,000億円突破(2024.3)
[最終更新日:2024.7.9]SBI証券、松井証券のポイント還元率を最新の情報に更新。
[2024.6.19]全て最新の情報に更新。
*本記事は原則2024.5末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
eMAXIS NASDAQ100インデックスの基本情報
eMAXISシリーズは、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、「幅広い品揃え」と「低く設定された信託報酬」を特徴とします。2017年2月のeMAIXS Slimシリーズ登場により、信託報酬は割高となってしまいましたが、eMAXIS Slimにはラインアップされていないインデックスも多く「幅広い品揃え」という点では未だ価値ある存在です。
本記事で解説するのは、米国株式 NASDAQ100との連動を目指して運用するeMAXIS NASDAQ100インデックス。
先ず、eMAXIS NASDAQ100インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2021年1月29日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | NASDAQ100(配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2035% 以下(*3) |
実質コスト | 0.223%(*1) |
純資産総額 | 1,097.6億円(2024.5.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,154.7億円(2024.1.26時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象外 |
NISA(成長投資枠) | 対象 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05%(*4) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.0525%(*4) |
(*1)実質コストは2024.1.26決算より2024.6.13からの信託報酬引下げ分を引いた値。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
(*3)2024.6.13からの信託報酬
(*4)2024.6.13の信託報酬引下げに伴いポイント還元率も下がりました。
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eMAXIS Slimシリーズではありません
三菱UFJ国際投信の低コスト・インデックスファンドには、eMAXISシリーズ、つみたてんとうシリーズ、eMAXIS Slimシリーズとありますが、本ファンドはeMAXISシリーズのファンドです。
「常に最低水準の運用コストを目指す」eMAXIS Slimシリーズではありませんし、また、eMAXIS SlimシリーズにはNASDAQ100との連動を目指すファンドは存在しません。
投資対象
ベンチマークはNASDAQ100[配当込み・ネット]で、米国NASDAQ市場に上場している金融を除いた上位100銘柄の株式に投資します。
ネットとは配当課税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切かどうかは定かではありません。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
マザーファンド
eMAXIS NASDAQ100インデックスはファミリーファンド方式でマザーファンドを介して米国株式に投資します。
画像引用:eMAXIS NASDAQ100インデックス 交付目論見書
「NASDAQ100インデックスマザーファンド」は信託契約締結日が2021年1月29日であり、eMAXIS NASDAQ100インデックスの設定と同時に新設されたマザーファンドと思われます。
尚、本マザーファンドは、eMAXIS NASDAQ100インデックスより後に設定されたETF、MAXIS ナスダック100上場投信【2631】/(為替ヘッジあり)【2632】でも使用されています。
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:eMAXIS NASDAQ100インデックス 月次レポート(2024/5)
Microsoft、Apple、NVIDIA、Amazon、Meta、Alphabet(Google)といった日本でも有名な企業が上位を占めています。所謂、ハイテク株が多いのがNASDAQ100の特徴です。
尚、前述のようにマザーファンドも新設ですが、ETFを介して投資するのではなく、直接、現物株を保有しているようです。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS NASDAQ100インデックスの信託報酬は0.2035%(税込)以下。
実質コストは0.223%(税込・2024.1決算より2024.6.13の信託報酬引下げ分を引いた値)。
実質コストは3期目決算の値ですが、信託報酬以外のコストが0.019%と1期目 0.064%、2期目 0.025%より下がり信託報酬以外のコストも十分低く抑えられています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
受益者還元型信託報酬
eMAXIS NASDAQ100インデックスは下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。
純資産総額 | 信託報酬(税込) |
2,500億円未満の部分 | 0.2035% |
2,500億円以上5,000億円未満の部分 | 0.20339% |
5,000億円以上の部分 | 0.20328% |
2024年5月末時点の純資産総額1,098億円ですので、受益者還元型信託報酬適用にはもう暫く時間がかかるかもしれません。
他社 NASADAQ100インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社のNASDAQ100インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、ファンド名の下に設定日を記載しています。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド [設定日] | 信託報酬 [実質コスト] | 純資産総額 (億円) [2024.9末時点] | |
---|---|---|---|
1 | 楽天・NASDAQ-100インデックス [2024.1.30] | 0.198% [---%] | 508.2 |
2 | PayPay投信NASDAQ100インデックス [2021.6.29] | 0.2024% [0.528%] | 25.7 |
3 | eMAXIS NASDAQ100インデックス [2021.1.29] | 0.2035% [0.223%] | 1,196.8 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックス [2023.3.31] | 0.2035% [0.321%] | 1,965.4 |
5 | SBI・インベスコQQQ・NASDAQ100インデックス [2023.8.23] | 0.2388% [0.323%] | 43.9 |
6 | たわらノーロードNASDAQ100 [2023.12.26] | 0.4400% [---] | 5.8 |
6 | NZAM・ベータNASDAQ100 [2020.3.12] | 0.4400% [0.532%] | 32.7 |
8 | インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式) [2020.8.31] | 0.4840% [0.564%] | 1,707.7 |
9 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス [2018.8.31] | 0.4950% [0.511%] | 1,345.4 |
NASDAQ100をベンチマークとするファンドでは、eMAXIS NASDAQ100インデックスの信託報酬は<購入・換金手数料なし>ニッセイ>NASDAQ100インデックスと並び3位。
但し、実質コストでは最安値です。
信託報酬の変更履歴
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、2024.6.13に信託報酬を引下げました。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2021/1/29 | 0.440% | 新規設定。 |
2024/6/13 | 0.2035% | <購入・換金手数料なし>ニッセイと同率へ |
前述のようにeMAXIS Slimシリーズではありませんので、そう頻繁な引き下げは期待できないと予測していましたが、2024.6.13にeMAXISシリーズとしては異例の(?)引下げを実施します。
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eMAXIS NASDAQ100インデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からeMAXIS NASDAQ100インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
月により資金流入額に大きな変動がありますが、2022年前半までは殆どの月で10億以上、50億を超える月もあるなど人気のファンドです。
ただ、2022年後半より若干減少傾向にあり、最近は10~20億(/月)程度。今後、2024.6の信託報酬引下げにより、再度資金流入額が増加するかに注目。
純資産総額は設定から3年半弱で1,098億円(2024.5末時点)と1,000億円の大台を突破しました。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じNASDAQ100でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2024年5月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンド(ETFを含む)でプロットしたものです。
米国ETF Invesco QQQ/QQQMのデータもプロットします。
*QQQ/QQQMは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Invesco社サイト、為替レートは三菱UFJ銀行公表のTTMを引用)
グレーの点線が、傾き=-(1+ベンチマークの騰落率)、切片=ベンチマークの騰落率です。ベンチマークとの乖離がなければこの点線上に乗る筈です。
*配当込みで米国源泉徴収税率を適切に考慮したベンチマークの正確な値は分かりませんので、多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないであろうとの仮定の下、管理人の主観で決めています。
*図中△は東証ETF、◇は米国ETF QQQ
*基本的にはグラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
各ファンド、ETFとも概ねグレーの点線上にのっていますが、これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。
その中で、eMAXIS NASDAQ100インデックスは、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
尚、本図には2024.6.13の信託報酬引下げは反映されていません。引下げ後は、<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100と同等、もしくはそれ以上の騰落率になると推測します。
eMAXIS NASDAQ100インデックスの分配金
eMAXIS NASDAQ100インデックスは未だ分配金を出した実績はありません。今後も分配金を出す可能性は低いと推測します。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
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まとめ ~<購入・換金手数料なし>ニッセイ、楽天、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスとどちらを選ぶ?~
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、NASDAQ100との連動を目指すインデックスファンドで、ライバルとなるiFreeNEXTより低い信託報酬で設定されました。
設定から3年半弱ですが、既に大きな純資産、資金流入があり早くも人気を集めています。
また運用(ベンチマークとの乖離)も安定しており、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
一方、さらに信託報酬が低い<購入・換金手数料なし>ニッセイ>NASDAQ100インデックスや楽天・NASDAQ-100インデックスが新規に設定され、最近はこれらに資金流入でも負けています。
ただ、eMAXIS NASDAQ100インデックスは2024.6.13に信託報酬を引下げたことで、<購入・換金手数料なし>ニッセイと同一信託報酬、実質コストでは最安値となりました(楽天は決算前で実質コスト不明)。
今後は、さらに魅力的なファンドとなる事でしょう。
実績と低コストでえらべば、eMAXIS NASDAQ100インデックス、
NISA(つみたて投資枠)で購入するならもっと長い運用実績を誇るiFreeNEXT NASDAQ100インデックス、
eMAXISと同等のパフォーマンスになると予測される<購入・換金手数料なし>ニッセイ>NASDAQ100インデックス、
未だ運用実績は少ないものの、楽天証券利用者で少しでも低いコスト(実質コストは不明)、高い騰落率を目指すなら楽天・NASDAQ-100インデックス、
という選択になるでしょう。
販売会社
eMAXIS NASDAQ100インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
尚、NASDAQ100はNISA(つみたて投資枠)の指定インデックスではない為、つみたて投資枠では購入できません。
eMAXIS NASDAQ100インデックスを新NISAで購入する場合、成長投資枠で投資する事になります。
他のNASDAQ100インデックスファンド、及び東証上場ETF、さらに米国ETF QQQ/QQQMとの比較は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。