先進国債券に投資し、FTSE世界国債インデックス(除く日本)との連動を目指すインデックスファンド、たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>について解説します。
[最終更新日:2021.12.14]実質コスト、純資産総額(ファンド、マザーファンド)を最新の情報に更新
[2021.6.14]全て最新の情報に更新
本記事は原則2021.5末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の基本情報
たわらノーロードシリーズは、アセットマネジメントOneが運用するインデックスファンド・シリーズです。親しみのある、分かりやすい、コツコツと蓄えるといったコンセプトから、「豊か、蓄える」というイメージがある、穀物を包み保存する"たわら"とネーミングしたとの事。 (アセットマネジメントOne公式サイトより抜粋・編集して引用)
今回解説するのは先進国債券に投資するたわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>。
*本記事は為替ヘッジありの先進国債券です。たわらノーロードには為替ヘッジを行わないたわらノーロード先進国債券もありますが、これについては下記記事を参照して下さい。
先ずたわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の基本情報をまとめます。
運用会社 | アセットマネジメントOne |
設定日 | 2016年10月3日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2200% |
実質コスト | 0.236%(*1) |
純資産総額 | 106.4億円(2021.12.13時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 5,740億円(2021.6.22時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | --- |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
(*1)実質コストは2021.10.12決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資対象
ベンチマークはFTSE世界国債インデックス(除く日本)で先進国の債券に投資します。
*FTSE世界国債インデックス(除く日本)は日本を除く22カ国(2021.11組入れの中国含む)から構成される先進国債券の時価総額加重型指数です。
マザーファンド
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>はファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>交付目論見書
為替フルヘッジ外国債券パッシブ・ファンド・マザーファンドは、純資産総額5,740億円(2021.6時点)と巨額の資産を有し、低コスト・先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジ有)としては最大規模のマザーファンドで、為替ヘッジ無たわらノーロード先進国債券のマザーよりも大きくなっています。
勿論、たわらノーロード・シリーズのみならず、機関投資家向けファンドなど多くのベビーファンドで使われています。
投資国
投資国・通貨構成比率は下記のようになります。
画像引用:たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>月次レポート(2021.05)
米国が半分近く、その他は欧州・オーストラリア・カナダなどが占めます。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の信託報酬は0.2200%(税込)。
為替ヘッジ無のたわらノーロード先進国債券の信託報酬が0.1870%ですので、0.033%pt高くなっています。
実質コストは0.236%。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジ有)との信託報酬・実質コスト比較
FTSE世界国債インデックス(除く日本)をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンド(為替ヘッジ有)と信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | Smart-i先進国債券インデックス(為替ヘッジあり) | 0.1870% | 0.216% |
2 | たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり> | 0.2200% | 0.236% |
3 | SMTグローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり) | 0.5500% | 0.577% |
4 | Funds-i 外国債券・為替ヘッジ型 | 0.6050% | 0.621% |
5 | eMAXIS 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり) | 0.6600% | 0.674% |
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の信託報酬は、Smart-i先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)に次いで2位。Smart-iとの差は信託報酬で0.033%ptですが、実質コストでは0.020%ptと小さくなります。
尚、3位以降とは大きな差がついており、為替ヘッジ有の先進国債券インデックスファンドは、たわらノーロードとSmart-iの2強と言っても良いでしょう。
eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、iFreeなどの低コスト・インデックスファンドシリーズが為替ヘッジ有先進国債券に参入していない事もあり、低コスト競争は激しくありません。
信託報酬の変更履歴
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>は未だ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/10/3 | 0.2160% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.2200% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ??? | ??? |
せめて最安値のSmart-iに対抗した信託報酬引下げを期待したいところです。
為替ヘッジ
本ファンドは名称の通り、為替ヘッジを行います。
為替ヘッジを行う事で、為替変動のリスクを除外できますが、一方で為替ヘッジにはコストもかかります。
*このコストは信託報酬や実質コストには見えてきません。
先進国債券クラスでは、為替ヘッジ有無の両方がラインアップされていますが、この両者の違い、特性は下記記事を参考にして下さい。
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からたわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値。
為替ヘッジ有の先進国債券では最も売れているファンドで(管理人調べ)、毎月1~3億程度の資金流入が比較的安定して続いています。
純資産総額も96億円(2021.5末時点)と、このクラスとしては大きな資産額です。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2021年5月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グレーの点線は、コストが0の時ベンチマーク騰落率と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>はグレーの点線上にあり、コスト要因以外でのベンチマークに対する乖離がない安定した運用になっている事がわかります。
*2020.3に大きなマイナス乖離を起こした事がありますが、これ以降は安定しているようです。
そして、騰落率もその低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
ただ、コストで勝るSmart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)には若干負けています。
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>の分配金
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>は分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有する債券から出た利息はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
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まとめ
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>は、為替ヘッジ有先進国債券インデックスファンドの中で、最安値ではないものの比較的低コストで、最も売れているファンドの一つです。
2020年3月に大きなマイナス乖離を起こしてしまいましたが、その後は安定した運用になっています。
為替ヘッジ有の先進国債券に投資したい方にとって、有力な選択肢となるファンド、
ライバルとして信託報酬で勝るSmart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)がありますが、実績や人気(資金流入額)を優先するならたわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>となるでしょう。
販売会社
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>は下記の金融機関等で購入出来ます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
三井住友カードで投信積立が出来ます。還元率0.5%(ゴールド、プラチナカードはさらに還元率アップ)。
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料。
公式サイト SBI証券、三井住友カード(NL)
楽天証券
楽天ポイントで投資信託を購入出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があります。
公式サイト楽天証券、楽天カード
マネックス証券
マネックスカード(クレジットカード)で投信積立が出来ます。投信積立での還元率1.1%。マネックスカードの発行はマネックス証券口座が必要。
公式サイトマネックス証券
参考記事マネックスカード(クレジットカード)での投信積立決済サービス
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
公式サイト松井証券
個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは楽天証券 iDeCoなど。
尚、先進国債券インデックスファンドはつみたてNISA対象外です。つみたてNISAで先進国債券に投資したい方はバランスファンドを購入する事になります。
ライバルとなるファンド
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり> (本記事)
他の先進国債券インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。