国内の株式に投資し、TOPIXとの連動を目指すインデックスファンド、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2019.9.18]消費税10%表記に変更。
[2019.8.26]ライバルファンドのつみたて日本株式の実質コスト更新。
[2019.8.6]ライバルファンドのeMAXIS Slim、Smart-iの実質コスト更新。
[2019.5.24]ライバルファンドのiFree、<購入・換金手数料なし>ニッセイの信託報酬引下げを反映。
[2019.4.26]ライバルファンドのeMAXIS Slim信託報酬引下げを反映。
[2019.4.9]<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXの実質コストを更新。
[2019.2.9]7期決算の結果を反映。
純資産総額、他社ファンドの信託報酬・実質コストを最新情報に更新。
[2018.9.15]初版
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見出し
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの基本情報
三井住友・DCシリーズは、元々確定拠出年金向けファンドでしたが、2015年9月に日本債券、外国債券、全海外株式、新興国株式、そして2016年9月に日本株式、日本リート、外国リートの一般販売が開始され、一般販売開始当初は最低水準の信託報酬で注目を集めました。
尚、日本株式は、当初「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」という名称でしたが、2017.9.2より現在の「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」に変更されています。
今回解説するのは、国内の株式に投資する三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド。
先ず、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三井住友アセットマネジメント |
設定日 | 2011年12月9日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | TOPIX(配当込み) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1760% |
実質コスト | 0.195% |
純資産総額 | 198.99億円(2019.2.8時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,735億円(2018.11.30時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
投資対象
ベンチマークはTOPIX[配当込]で、国内の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]の2種類ありますが、実際の運用成績は(過去においては)変わりません。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?
ただ、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意して下さい。ベンチマークが配当込みですので、通常はファンドの方がコスト分だけ騰落率が低くなります。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。
投資銘柄
投資している銘柄数は1,640(2018.8月末日時点)、TOPIXの構成銘柄数は2102(2018.7月末日時点)ですので、約78%を保有している事になります。
(注)インデックスファンドでも、そのベンチマーク対象銘柄を全て保有しているとは限りません。各社のモデルに基づき、ベンチマークと連動するよう一部銘柄のみでポートフォリオを構成する場合もあります(最適化法など)。
組入上位10銘柄は下表のようになります。
画像引用:三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド マンスリーレポート(2018/8)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位のトヨタ自動車でも3.3%と、日経平均株価に比べ広く分散されている事がわかります。
また、日経平均株価では、1位 ファーストリテイリング、2位 ソフトバンクの2社で全体の約13%を占めますが、TOPIXではソフトバンクが1.8%、ファーストリテイリングは上位10位にも入っていません。
尚、TOPIXでは三菱UFJ FG、三井住友FG、みずほFGといった銀行業の比率が高いのも特徴です。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの信託報酬は0.1760%(税込)。
最安値ではありませんが、トップのeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)との差は0.022%と僅かです。
実質コストは0.195%(税込)。若干、信託報酬以外のコストが高くなっています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
TOPIXをベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.1540% | 0.159% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1540% | 0.157% |
1 | iFree TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.162% |
4 | Smart-i TOPIXインデックス | 0.1705% | 0.196% |
5 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1760% | 0.195% |
6 | たわらノーロードTOPIX | 0.1870% | 0.189% |
6 | i-SMT TOPIXインデックス | 0.1870% | 0.193% |
8 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(TOPIX) | 0.1980% | 0.202% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの信託報酬は5位。
トップのeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)等との差は信託報酬で0.022%、実質コストだとさらに差が広がっています。(但し実質コストは毎年変動します。)
ただ、上表にあげたファンドであればコスト差は小さく、先進国株式、新興国株式のように大きな差がある訳ではありません。
信託報酬の変更履歴
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは、一般販売開始後、1回信託報酬の引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2011/12/9 | ???% | 新規設定。設定時から一般販売開始までの信託報酬変更履歴を管理人は把握しておりません。 |
2016/9/23 | 0.2052% | 一般販売開始 |
2017/9/21 | 0.1728% | 改定時は信託報酬最安値 |
2019/10/1 | 0.1760% | 消費税増税(8%-->10%) |
2017年9月の引下げ直後は信託報酬最安値となりましたが、その後、すぐにeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)等に抜かれてしまいました。
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三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
一般販売が開始された2016年9月頃より順調に資金流入が増え、ここ数カ月では毎月7~10億程度の安定した資金流入が続いています。純資産総額も約170億円となっています。
尚、2018年の現時点までの資金流入額累計(2018年1~8月)では、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスよりも売れており、主なTOPIX連動型低コストインデックスファンドの中で最も人気があるファンドです。(管理人調べ)
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じTOPIXでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2018年8月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
信託報酬・実質コストで若干負ける三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドですが、騰落率で見るとほぼ変わらない結果となっています。
勿論、厳密に見るとeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)には騰落率でも負けていますが、この差をどう感じるかは、人それぞれでしょう。
尚、保有している銘柄数が(上述のように)ちょっと少なくなっていますが(最適化法)、インデックスとの連動性は問題ありません。
まとめ
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは、最安値ではないものの十分低コストで、かつ今、最も売れているTOPIX連動型のインデックスファンドです。
マザーファンド規模も大きく、ベンチマークとの乖離がない安定した運用になっています。
国内株式(TOPIX)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つとなります。
購入先
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
販売会社 SBI証券、楽天証券 、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券など。
楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは、SBI証券 iDeCo、楽天証券 iDeCo
等です。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドファンド (本記事)
たわらノーロード TOPIX
他の国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。