TOPIXとの連動を目指す国内株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
*原則6カ月毎に更新します。
[最終更新日:2023.7.12]2023年6月末日時点の情報に更新。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
*本記事は原則2023年6月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じTOPIXといっても、各社のベンチマークは配当込・除くと2種類有り、そのベンチマーク騰落率が異なるからです。
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見出し
比較した国内株式(TOPIX)インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2023年6月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
信託報酬引下げ
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドが、それぞれ2023.5.11、2023.6.14に信託報酬を引下げました。
*下表は引下げ後の信託報酬、実質コスト(決算結果から信託報酬引下げ分を引いた値)で記載。
はじめてのNISA・日本株式インデックス(TOPIX)
野村AMより、はじめてのNISA・日本株式インデックス(TOPIX)[Funds-i Basic]が2023.7.10に信託報酬0.143%で新規設定されました。
*但し、主要ネット証券での取扱いは未定(2023.7.12時点)
SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンド
SBI AMよりSBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドが2023.7.12に信託報酬0.1133%で新規設定されました。
*本ファンドは東証上場ETF iシェアーズ・コア TOPIX ETF【1475】に投資しますが、ETFの信託報酬以外のコストが別途かかると思われます。
*信託報酬・実質コストは税込み
*DC専用ファンドは参考値扱い。(表中グレーの行のファンド)
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額(億円) |
SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス | 0.1133% (---%) | 2023/7/12 | --- |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.1430% (0.147%) | 2017/2/27 | 805.7 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1430% (0.146%) | 2015/4/27 | 635.0 |
はじめてのNISA日本株式(TOPIX) | 0.1430% (---%) | 2023/7/10 | --- |
DCニッセイ国内株式インデックス | 0.1430% (0.151%) | 2014/9/30 | 61.7 |
iFree TOPIXインデックス | 0.1540% (0.167%) | 2016/9/8 | 109.7 |
Smart-i TOPIXインデックス | 0.1540% (0.163%) | 2017/8/29 | 56.7 |
東京海上セレクション・日本株TOPIX | 0.1540% (0.160%) | 2001/9/25 | 354.5 |
My SMT TOPIXインデックス | 0.1540% (0.159%) | 2018/1/12 | 15.9 |
野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX | 0.1540% (0.158%) | 2007/9/27 | 321.7 |
One DC 国内株式インデックスファンド | 0.1540% (0.156%) | 2007/9/27 | 1,072.2 |
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1760% (0.185%) | 2011/12/9 | 974.4 |
たわらノーロードTOPIX | 0.1870% (0.190%) | 2017/3/21 | 72.7 |
(三菱)つみたて日本株式(TOPIX) | 0.1980% (0.202%) | 2017/8/16 | 203.9 |
日本株式インデックスe | 0.4070% (0.412%) | 2010/4/6 | 38.1 |
SMT TOPIXインデックス・オープン | 0.4070% (0.413%) | 2008/1/9 | 265.8 |
野村インデックスファンド・TOPIX[Funds-i] | 0.4400% (0.444%) | 2010/11/26 | 49.1 |
eMAXIS TOPIXインデックス | 0.4400% (0.444%) | 2009/10/28 | 189.1 |
[日興]インデックスファンドTOPIX(日本株式) | 0.6820% (0.686%) | 2001/10/31 | 234.4 |
野村アセットマネジメントが同社の確定拠出年金用ファンド(野村国内株式インデックスファンド・TOPIXなど)の信託報酬引下げを2019年2月6日に発表したのを契機に、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、iFree TOPIXインデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドと引下げが相次ぎ、
Smart-i TOPIXインデックスも2020年2月28日、東京海上セレクション・日本株TOPIXが2020年10月1日に引下げ、
さらにMy SMT TOPIXインデックスも2022年7月21日に信託報酬を引下げ(同時に名称をiSMTからMy SMTに変更)、
一時期この6本が0.154%で同率最安値となっていました。
その後、暫くは主なファンドの信託報酬改定がなく、日経平均株価連動型ですがPayPay投信日経225インデックスが2021年3月8日に信託報酬 0.143%(税込)で設定、また、DC専用でTOPIX連動型のDCニッセイ国内株式インデックスが2022年5月21日に信託報酬0.143%に引き下げたものの、これらに対抗する動きもありませんでした。
しかし、(日経平均連動型の)たわらノーロード日経225が0.143%に引下げを行うと、すぐにeMAXIS Slim国内株式が日経平均のみならずTOPIXも対抗した引下げを行い、さらに<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドも対抗した引下げで、現在、0.143%でこの3本が同率最安値で並んでいます。
尚、2023.7.10に設定されたはじめてのNISA・日本株式インデックス(TOPIX)も0.143%で上記3本に並びました。
さらに2023.7.12にSBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドが信託報酬0.1133%で新規設定され、信託報酬としては単独最安値となりますが、本ファンドの場合、投資先ETFの信託報酬以外のコストを別途負担する事になると思われますので、実際のコストは運用結果を見ないと判断出来ません。
純資産総額1位は三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドで974億。
常に最低水準の運用コストを目指すeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は比較的設定が新しいにも関わらず806億円と十分大きな純資産で、<購入・換金手数料なし>ニッセイを超えました。
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドも設定から約8年強ですが635億円と健闘しています。
一方、たわらノーロード、iFree TOPIXインデックスはそれぞれ73億、110億、My SMTはまだ16億です。
当初、実質コストが非常に大きかったSmart-iは、徐々に信託報酬以外のコストが下がり、現在ではほぼ他のファンドと同等になってきましたが、純資産総額は57億に留まっています。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
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資金流出入額 [国内株式(TOPIX)インデックスファンド 人気ランキング]
2023年上半期(1~6月)の概算の月次資金流出入額(*)6カ月合計、及び2022年合計を見てみます。
2023年上半期の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2023年上半期(1~6月) | 2022年 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 73.2 | 2 | 129.2 |
2 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 67.0 | 1 | 162.5 |
3 | Smart-i TOPIXインデックス | 10.2 | 10 | 11.7 |
4 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 10.1 | 3 | 56.9 |
5 | 東京海上セレクション・日本株TOPIX | 7.5 | 8 | 14.2 |
6 | たわらノーロードTOPIX | 5.5 | 7 | 14.8 |
7 | iFree TOPIXインデックス | 3.8 | 5 | 18.9 |
8 | My SMT TOPIXインデックス | 3.7 | 11 | 8.1 |
9 | 日本株式インデックスe | -0.6 | 13 | -0.6 |
10 | インデックスファンドTOPIX(日本株式) | -3.6 | 14 | -1.7 |
11 | (三菱)つみたて日本株式(TOPIX) | -4.7 | 4 | 41.1 |
12 | 野村インデックスファンド・TOPIX | -7.7 | 12 | 4.6 |
13 | SMT TOPIXインデックス・オープン | -12.1 | 6 | 17.8 |
14 | eMAXIS TOPIXインデックス | -21.9 | 9 | 12.2 |
参考 | One DC 国内株式インデックスファンド | 98.1 | 参考 | 141.4 |
参考 | 野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX | 14.1 | 参考 | 27.4 |
参考 | DCニッセイ国内株式インデックス | 12.9 | 参考 | 15.9 |
2023年上半期の上位3ファンドは、
1位 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
3位 Smart-i TOPIXインデックス
2022年は、
1位、2位が入れ替わり、
3位が<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
になります。
低コストながら資金流入が伸びないのがiFree、My SMT、また、比較的低コストのたわらノーロードもあまり売れていません。
eMAXIS Slim、三井住友・DC、<購入・換金手数料なし>ニッセイの月次資金流出入額の比較
2023年上期1位の三井住友・DCつみたてNISA、信託報酬最安値のeMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、この3本の月次資金流出入額の推移を見てみます。
3本が競い合っている状態ですが、その中で(上図には記載されていませんが)2019年に頭一つ抜け出したのが三井住友・DCつみたてNISA。確定拠出年金などで購入している方が多いのか、毎月の資金流入額が安定しています。
しかし、2020年以降はeMAXIS Slimが急速に伸びてきました。特に2021年3月、2022年1,12月、2023年6月のように全体的に資金流入が多い月に、他ファンドよりeMAXIS Slimに大きな資金が流入する傾向に見えます。スポットで購入する方が多かったのでしょう。
一方、<購入・換金手数料なし>ニッセイは資金流出の月があるなど安定しません。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
2023年6月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果です。
*騰落率は全て分配金再投資時(分配金課税無)の基準価額より計算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。国内株式の場合、配当が出ると、それに課税される事無くファンドの資産に入りますので、配当込指数が「真のインデックス騰落率」となります。
図中、茶色の横線は配当込指数の値です。そして、グレーの点線が傾きが-(1+インデックス騰落率)、切片(コストが0の時)がインデックス騰落率(=配当込指数)の直線です。
*配当込み指数値は日本取引所グループ・サイトより引用。
6カ月騰落率
先ずは、2023年6月末日時点の6カ月騰落率を見てみます。
実質コスト/2に対して6カ月騰落率をプロットします。
(一部ファンドを除き)各ファンド、概ねコストと配当込み指数から決まる図中グレーの線上にのっていますが、超低コスト(実質コスト<0.2%/2)のファンドは、そのコスト差が小さい事もあり、ファンド間の差は良く分かりません。
ただ、Smart-i、東京海上、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、iFreeが若干マイナス側に乖離しているように見えます。
1年騰落率
次に2023年6月末日時点の1年騰落率を見てみます。
殆どのファンドが配当込み指数から決まる図中グレーの線上にのっており、それぞれのコストに応じた騰落率となっています。これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。
ただ、6カ月騰落率と同様、Smart-i、<購入・換金手数料なし>ニッセイが僅かにマイナス側に、東京海上が若干プラス側に乖離しているように見えます。
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まとめ & 国内株式(TOPIX)のおすすめファンド(投資信託)は?
以上、国内株式(TOPIX)インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。
人気を集めている=資金流入額が大きいのがeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド、
信託報酬はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドが同率最安値です。
ベンチマークとの乖離は一部ファンドで僅かな乖離が見られたものの、多くのファンドで概ね問題なく、それぞれのコストに応じた騰落率となっています。
おすすめの国内株式(TOPIX)インデックスファンド
(ここでは示しませんでしたが)マザーファンドの大きさ、資金流入額の多さ、さらに今後の信託報酬引下げ競争でも優位にたつであろう点を考慮すれば、
が現時点のおすすめファンド。
ただ、コスト差が小さいことから、
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド、iFree TOPIXインデックスを選択しても大きな差はないでしょう。
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
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勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
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TOPIXとの連動を目指すETFの比較については下記記事をご覧ください。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。
米国株式(S&P500/CRSP USトータル・マーケット)インデックスファンド
国内株式(TOPIX)インデックスファンド (本記事)
国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド