国内の株式に投資し、TOPIXとの連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2022.4.11]実質コスト、マザーファンド純資産総額を最新の情報に更新。
[2021.8.18]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2021.7月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
今回解説するのは、国内の株式に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド。
先ず、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2015年4月27日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | TOPIX(配当込み) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.156%(*1) |
純資産総額 | 407.4億円(2021.7.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,171億円(2022.2.21時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
(*1)実質コストは2022.2.21決算結果
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資対象
ベンチマークはTOPIX[配当込]で、国内の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資銘柄
投資している銘柄数は1,853(2021.2.22時点)、TOPIXの構成銘柄数は2,190(2021.6末日時点)ですので、約85%を保有している事になります。
(注)インデックスファンドでも、そのベンチマーク対象銘柄を全て保有しているとは限りません。各社のモデルに基づき、ベンチマークと連動するよう一部銘柄のみでポートフォリオを構成する場合もあります(層化抽出法など)。
組入上位10業種、10銘柄は下表のとおり。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド 月報(2021/7)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位のトヨタ自動車でも3.8%と、日経平均株価に比べ広く分散されている事がわかります。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの最大の魅力は、何と言っても信託報酬の低さ。
信託報酬 0.1540%(税込)です。
一時期はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)にトップの座を譲りましたが、2019.6.27からの引下げで再度同率一位となりました。
実質コストは0.156%(税込、2022.2決算時点)。信託報酬以外のコストも十分低くなっています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
TOPIXをベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.1540% | 0.159% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1540% | 0.156% |
1 | iFree TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.161% |
1 | Smart-i TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.164% |
5 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1760% | 0.184% |
6 | たわらノーロードTOPIX | 0.1870% | 0.190% |
6 | i-SMT TOPIXインデックス | 0.1870% | 0.194% |
8 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(TOPIX) | 0.1980% | 0.203% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの信託報酬は、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、iFree TOPIXインデックス、Smart-i TOPIXインデックスと並び1位、実質コストは僅差ながら単独1位です。
ただ、上表にあげたファンドであれば先進国株式、新興国株式のように大きな差がある訳ではありません。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドは、設定から3回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2015/4/27 | 0.3132% | 新規設定 |
2016/11/18 | 0.19444% | iFree、三井住友・DCに対抗 |
2018/2/21 | 0.17172% | eMAXIS Slimに対抗 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slim、iFreeに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
2018.2.21の信託報酬引下げ(2017.10.6公表)は、先に引下げを発表したeMAXIS Slimを下回る設定でしたが、eMAXIS Slimもすぐに再度の引下げを実施し、その後再々度の引下げを実施したeMAXIS Slimに負けていました。
しかし、2019.6.27の引下げで再度同率最安値となりました。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
以前は概ね毎月5~10億円の資金流入が続いていましたが、2019年以降は月による流出入の差が大きくなり、資金流出の月もあります。
それでも、TOPIX連動型インデックスファンドの中では比較的売れているファンドです。
また、純資産総額は400億円を超え、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドとならび十分大きいファンドになっています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じTOPIXでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2021年7月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドは、信託報酬、そして実質コストでも概ね同率のeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)と同等の騰落率で、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。そしてベンチマークとの乖離も殆どありません。
*騰落率が最も高いiFreeはプラス側に乖離している可能性があります。
まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドは、信託報酬・実質コスト最安値、若干資金流出入が安定していない印象を受けますが、運用自体は問題ありません。
国内株式(TOPIX)インデックスファンドとして、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)とともに、お勧めできるファンドの一つです。
お好きな方を選べば良いかと!
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
三井住友カードで投信積立が出来ます。還元率0.5%(ゴールド、プラチナカードはさらに還元率アップ)。
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料。
公式サイト SBI証券、三井住友カード(NL)
楽天証券
楽天ポイントで投資信託を購入出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があります。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
マネックス証券
(つみたてNISAでも購入可能)
マネックスカード(クレジットカード)で投信積立が出来ます。投信積立での還元率1.1%。マネックスカードの発行はマネックス証券口座が必要。
公式サイトマネックス証券
参考記事マネックスカード(クレジットカード)での投信積立決済サービス
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。またつみたてNISAでしか購入できない金融機関もあります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド (本記事)
たわらノーロード TOPIX
他の国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。