先進国債券に投資し、FTSE世界国債インデックス(除く日本)との連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2024.7.24]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.6末日時点の情報に基づき記載しています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
今回解説するのは先進国債券に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド。
先ず<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2013年12月10日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.191%(*1) |
純資産総額 | 298.4億円(2024.6.28時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 721億円(2023.11.20時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | --- |
NISA(成長投資枠) | 対象 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.06% |
(*1)実質コストは2023.11決算時の値。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
ベンチマークはFTSE世界国債インデックス(除く日本)で先進国の債券に投資します。
*FTSE世界国債インデックス(除く日本)は日本を除く24カ国(2024.11組入のポルトガルを含む)から構成される先進国債券の時価総額加重型指数です。
マザーファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドはファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド交付目論見書
ニッセイ外国債券インデックスマザーファンドは、純資産総額 約721億円(2023.11時点)と、あまり大きなマザーファンドではありません。このうち約1/3を<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドが占めています。
投資国
国、通貨別比率は下図のようになります。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド月報(2024.06)
米国(米ドル)とユーロで約80%を占めます。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの信託報酬は、(実績のある)先進国債券インデックスファンドとしては最低水準の0.1540%(税込)。
実質コストは0.191%(2023.11決算時点)。
若干、信託報酬以外のコストが高くなっています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジ無)との信託報酬・実質コスト比較
FTSE世界国債インデックス(除く日本)をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンド(為替ヘッジ無)と信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | ステート・ストリート・グローバル債券インデックス(隔月分配型) | 0.0638% | --- |
2 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 0.1540% | 0.169% |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックス | 0.1540% | 0.191% |
2 | My SMTグローバル債券インデックス | 0.1540% | 0.196% |
5 | たわらノーロード先進国債券 | 0.1870% | 0.205% |
5 | Smart-i先進国債券インデックス | 0.1870% | 0.227% |
7 | iFree外国債券インデックス | 0.1980% | 0.220% |
8 | 三井住友・DC外国債券インデックス | 0.2310% | 0.264% |
先進国債券インデックスファンドの信託報酬最安値は2024.1.11に設定されたばかりのステート・ストリート・グローバル債券インデックス・オープン(隔月分配型)。
ただ、未だ殆ど運用実績がなく、販売会社もauカブコム証券、松井証券に限られます(2024.7.24時点)。また、ファンド名称の通り隔月で分配金を出すと思われるファンドです。
十分な実績のあるファンドでは、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドがeMAXIS Slim先進国債券インデックス、My SMTグローバル債券インデックスと並び信託報酬同率最安値。
ただ実質コストでは、eMAXIS Slimより若干高く、信託報酬5位のたわらノーロード先進国債券との差が小さくなっています。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは過去3回、信託報酬引下げの実績があります。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2013/12/10 | 0.4104% | 新規設定 |
2015/11/21 | 0.2160% | |
2016/11/22 | 0.1836% | iFreeに対抗 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slimに対抗 |
2019/5/14 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ??? | ??? |
常に最低水準の運用コストを目指すと公言しているeMAXIS Slimに対し、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドも対抗した引下げを行い、同率を維持しています。
為替ヘッジ
先進国債券クラスでは、為替ヘッジを行うファンドも多く販売されていますが、
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは為替ヘッジを行っていません。
先進国債券の為替ヘッジ有無の違いについては下記記事を参考にして下さい。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値。
毎月、概ね1~4億/月程度の資金流入。
ライバルのeMAXIS Slim先進国債券インデックスが2024年は60~70億(/月)、たわらノーロード先進国債券が5~10億(/月)といったところですので、これらのファンドに比べると見劣りします。
また純資産総額も2024.6末時点で298億円と、設定が遅いeMAXIS Slimやたわらノーロードに抜かれています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2024年6月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グレーの点線は、コストが0の時ベンチマーク騰落率と一致し、ベンチマーク騰落率から決まるコストと騰落率の関係を示す直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離がない運用になっています。ただ、信託報酬最安値ながら実質コストが若干高い事が影響し、騰落率でeMAXIS Slimに負けています。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの分配金
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有する債券から出た利息はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.65%(税引前)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
東京スター銀行 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金
インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.60%(税引前)と好金利。
公式サイト東京スター銀行まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、実績のある先進国債券インデックスファンドの中で信託報酬は最安値。
ただ、マザーファンドが小さいせいか実質コストが若干高く、eMAXIS Slim先進国債券インデックスに騰落率で負けています。
また、資金流入(人気)でもeMAXIS Slim先進国債券インデックス、たわらノーロード先進国債券に負けています。
実質コストは固定されたものではなく毎年変動しますので、今後、信託報酬以外のコストが低くなる事に期待しましょう。
いずれにせよ、その差は大きなものではありませんので、先進国債券に投資しようと考えている方にとって、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、eMAXIS Slim、たわらノーロードと並び、選択肢の一つとなるファンドでしょう。
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
尚、先進国債券インデックスファンドは、指定インデックスではない為、NISA(つみたて投資枠)では購入できませんが、NISA(成長投資枠)では購入する事が出来ます。
NISA(つみたて投資枠)で先進国債券に投資したい方はバランスファンドを購入する事になります。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド (本記事)
他の先進国債券インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。