日本を除く先進国、新興国、両方の株式に投資するインデックスファンド、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2024.4.12]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.3末日時点の情報に基づき記載しています。
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三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの基本情報
三井住友・DCシリーズは三井住友DSアセットマネジメントが運用する投資信託です。当初、その名の通り確定拠出年金専用ファンドでしたが、一部のファンドが一般販売されるようになりました。また、「つみたてNISA」開始にともない一部ファンドの名称が「DCつみたてNISA」に変更されました。
今回解説するのは1本のファンドで先進国・新興国両方の株式に投資する三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド。(旧名称:三井住友・DC全海外株式インデックスファンド)
先ず、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三井住友DSアセットマネジメント |
設定日 | 2011年4月18日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI All Country World Index(除く日本)(配当込み・グロス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.275% |
実質コスト | 0.349%(*1) |
純資産総額 | 2,239億円(2024.3.29時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | [先進国株式]6,074億円(2023.11.30時点) [新興国株式]371億円(2023.11.30時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.10% |
(*1)実質コストは2023.11.30決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはMSCI All Country World Index [ACWI](除く日本)[配当込み・グロス]で、日本を除く先進国、新興国の株式に投資します。
グロスとは配当金に対する源泉徴収税を考慮しない指数です。
実際の運用では、ファンドが所有する株式から配当が出て、それに各投資国で源泉徴収された後の配当金がファンドの資産となりますので、通常はベンチマーク(配当込・グロス)よりファンドの騰落率が、配当の源泉徴収税(+コスト)分だけ低くなります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。(指数の構成比、2024.1時点)
先進国株式、新興国株式の比率は時価総額比で決まり、現時点で先進国89%、新興国11%程度です。
米国が1位で67%、以下、イギリス、フランス、中国と続きます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド1本で先進国株式 1,249、新興国株式 790、合計2,039もの銘柄に投資しています。
先進国株式、新興国株式の組入上位10銘柄は下表のようになります。
先進国株式部分
全て米国企業が占めています。
新興国株式
画像引用:三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド マンスリーレポート(2024/3)
新興国株式は3銘柄を中国(ケイマン諸島籍)が占めています。
*アメリカが2銘柄入っていますが、サウジアラビア, UAE株式に投資する米国籍ETFです。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの信託報酬は0.2750%(税込)。
実質コストは2023.11決算で0.349%、若干、信託報酬以外のコストが高くなっています。新興国株式部分のコストが高くなっていると思われます。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとする他社のインデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(先進国株式、新興国株式)を88%:12%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) [MSCI ACWI 除く日本] | 0.05775% | 0.116% |
個別ファンドの組合せ | 0.1052% | ||
2 | Smart-i Select 全世界株式(除く日本) [MSCI ACWI 除く日本] | 0.1144% | 0.183% |
3 | 野村つみたて外国株投信 [MSCI ACWI 除く日本] | 0.2090% | 0.231% |
4 | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株 [MSCI ACWI 除く日本] | 0.2750% | 0.349% |
5 | eMAXIS全世界株式インデックス [MSCI ACWI 除く日本] | 0.6600% | 0.717% |
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの信託報酬は、MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとする全世界株式インデックスファンドの中では4位、最安値のeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)との差は0.22ポイント。
信託報酬の変更履歴
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、少なくとも一般販売されてから信託報酬を引下げた実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2011/4/18 | ???% | 新規設定 *新規設定から一般販売開始までの信託報酬を管理人は把握していません。 |
2015/9/18 | 0.2700% | 一般販売開始 |
2019/10/1 | 0.2750% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% | ??? |
DC専用ファンドだったものが一般販売されるようになった2015年9月には超・低コストで日本を除く全世界株式に投資できるファンドとして多くの注目を集めました。しかし、その後、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)が登場、さらにeMAXIS Slimが複数回の信託報酬引下げを行った為、現時点では両者の差が広がっています。
eMAXIS Slimにも対抗できるよう引き下げを期待したいところですが・・・
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三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2022年初頭まで徐々に資金流入を増やしており、直近では15~35億円(/月)程度の大きな資金流入があります。
ただ、資金流入が月の特定の日(12~16日)に集中しており、一般販売されたとはいえ、未だ確定拠出年金での購入が多くを占めているようです。資金流入が安定しているのもそのせいでしょう。
純資産総額は2,239億円(2024.3末時点)、同じベンチマークで設定が新しいeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)に抜かれました。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は、2024年3月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*ベンチマークは同じMSCI ACWI(除く日本)でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、「配当込で配当課税を適切に考慮したインデックス」をここでは真のベンチマークと定義し、そして真のベンチマークで決まる傾き、切片の直線を図中グレーの点線で示しています。(多くのファンドがコスト要因以外での乖離はないであろうとの前提で管理人の主観で引いた直線)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
直近1年の騰落率において、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離はありません。
ただ、以前の評価では若干の解離が発生する事がありました。
*この乖離は新興国株式部分の先物運用に起因すると推測。2017年頃までは新興国株式をほぼ100%先物で運用していましたが、その後、徐々に先物比率を下げ、2024.3時点では7%になっていますので、乖離も徐々に小さくなってきたと思われます。
勿論、コストで勝るeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)等には騰落率でも大きく負けています。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの分配金
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「複利効果による信託財産の成長を優先するため、分配を極力抑制します」という方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
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まとめ
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドはMSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとし、日本を除く全世界の株式に1本で投資できる便利なファンドです。
そして、純資産総額も大きく、確定拠出年金を中心に比較的売れているファンドです。以前は(新興国株式部分に起因する)ベンチマークとの乖離がありましたが、最近はその乖離も問題なくなってきています。
ただ、最近のインデックスファンドの低コスト化の流れの中で、信託報酬の引下げを行っておらず、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)等に比べると割高感が否めません。是非、引下げを期待したいところです。
販売会社
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
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また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
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また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
個人型確定拠出年金(iDeCo)では三井住友銀行(標準コース)等が取り扱っています。
ライバルとなるファンド
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド (本記事)
eMAXIS 全世界株式インデックス
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)
他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。