先進国債券に投資し、FTSE世界国債インデックス(除く日本)との連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2020.5.27]初版。
本記事は原則2020.4末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
今回解説するのは先進国債券に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド。
先ず<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2013年12月10日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.192% |
純資産総額 | 130.81億円(2020.5.27時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 248.72億円(2019.11.20時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | --- |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
投資対象
ベンチマークはFTSE世界国債インデックス(除く日本)で先進国の債券に投資します。
*FTSE世界国債インデックス(除く日本)は日本を除く21カ国から構成される先進国債券の時価総額加重型指数です。
マザーファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドはファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド交付目論見書
ニッセイ外国債券インデックスマザーファンドは、純資産総額 約250億円(2019.11時点)と、あまり大きなマザーファンドではありません。このうち約1/3を<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドが占めています。
投資国
国、通貨別比率は下図のようになります。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド月報(2020.04)
米国(米ドル)がほぼ50%、ユーロが36%を占めます。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの信託報酬は、先進国債券インデックスファンドとしては最低水準の0.1540%(税込)。
実質コストは0.192%。
若干、信託報酬以外のコストが高くなっています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社先進国債券インデックスファンド(為替ヘッジ無)との信託報酬・実質コスト比較
FTSE世界国債インデックス(除く日本)をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンド(為替ヘッジ無)と信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 0.1540% | 0.170% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックス | 0.1540% | 0.192% |
3 | たわらノーロード先進国債券 | 0.1870% | 0.203% |
3 | Smart-i先進国債券インデックス | 0.1870% | 0.221% |
5 | iFree外国債券インデックス | 0.1980% | 0.232% |
6 | 三井住友・DC外国債券インデックス | 0.2310% | 0.264% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値。
先進国債券インデックスファンドの中ではeMAXIS Slim先進国債券インデックスと並び信託報酬最安値。
ただ実質コストでは、信託報酬3位のたわらノーロード先進国債券との差が小さくなっています。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは過去3回、信託報酬引下げの実績があります。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2013/12/10 | 0.4104% | 新規設定 |
2015/11/21 | 0.2160% | |
2016/11/22 | 0.1836% | iFreeに対抗 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slimに対抗 |
2019/5/14 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ??? | ??? |
常に最低水準の信託報酬を目指すと公言しているeMAXIS Slimに対し、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドも対抗した引下げを行い、同率で首位を維持しています。
為替ヘッジ
先進国債券クラスでは、為替ヘッジを行うファンドも多く販売されていますが、
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは為替ヘッジを行っていません。
先進国債券の為替ヘッジ有無の違いについては下記記事を参考にして下さい。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値。
毎月、概ね1~4億程度の資金流入。
ライバルのeMAXIS Slim先進国債券インデックス、たわらノーロード先進国債券が3~5億/月といったところですので、多少見劣りします。
また純資産総額も2020.4末時点で127億円と、設定が遅いたわらノーロードに既に抜かれ、eMAXIS Slimも迫っています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2020年4月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グレーの点線は、コストが0の時ベンチマーク騰落率と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。ここでは、多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないという前提のもと、管理人の主観で線を引いています。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、信託報酬最安値ながら実質コストが若干高い事が影響し、騰落率でeMAXIS Slimに負けています。
勿論、それ以外のファンドよりは高い騰落率を示しています。
そして、ベンチマークとの(コスト要因以外での)乖離も殆どないと推測されます。
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まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、先進国債券インデックスファンドの中で信託報酬は最安値。
マザーファンドが小さいという懸念はありますが、ベンチマークとの乖離という点では問題ありません。
ただ、実質コストが若干高く、また資金流入(人気)でもeMAXIS Slim先進国債券インデックス、たわらノーロード先進国債券に負けています。
実質コストは固定されたものではなく毎年変動しますので、今後、信託報酬以外のコストが低くなる事に期待しましょう。
いずれにせよ、その差は大きなものではありませんので、先進国債券に投資しようと考えている方にとって、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは、eMAXIS Slim、たわらノーロードと並び、選択肢の一つとなるファンドでしょう。
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
公式サイト楽天証券、楽天カード
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
公式サイト松井証券
尚、先進国債券インデックスファンドはつみたてNISA対象外です。つみたてNISAで先進国債券に投資したい方はバランスファンドを購入する事になります。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド (本記事)
他の先進国債券インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。