日本を除く先進国、新興国、両方の株式に投資するインデックスファンド、野村つみたて外国株投信について解説します。
[最終更新日:2024.10.2]純資産総額、「最新の騰落率」を2024.9末時点の情報に更新。
[2024.4.12]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023.3末時点の情報に基づき記載しています。
見出し
野村つみたて外国株投信の基本情報
野村つみたてシリーズは野村アセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、「つみたてNISA」向けファンドとして2017年9~10月に設定されました。現在、野村つみたて日本株投信(日経225)、野村つみたて外国株投信(MSCI ACWI除く日本)、野村6資産均等バランスの3本がラインアップされています。野村インデックスファンド[愛称:Funds-i]と同じマザーファンドで運用。「つみたてNISA」(現在のNISAつみたて投資枠)向けですが、後述するように一部ネット証券ではNISA(つみたて投資枠)以外でも購入できます。
今回解説するのは1本のファンドで先進国・新興国両方の株式に投資する野村つみたて外国株投信。
先ず、野村つみたて外国株投信の基本情報をまとめます。
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
設定日 | 2017年10月2日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI All Country World Index(除く日本)(配当込み、グロス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2090% |
実質コスト | 0.238%(*1) |
純資産総額 | 1,536億円(2024.9.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | [先進国株式]14,906億円(2023.3.31時点) [新興国株式]899億円(2023.5.10時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.085% |
(*1)実質コストは2023.5.12決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはMSCI All Country World Index [ACWI](除く日本)[配当込み、グロス]で日本を除く先進国、新興国の株式に投資します。
グロスとは配当金に対する源泉徴収税を考慮しない指数です。
実際の運用では、ファンドが所有する株式から配当が出て、それに各投資国で源泉徴収された後の配当金がファンドの資産となりますので、通常はベンチマーク(配当込・グロス)よりファンドの騰落率が、配当の源泉徴収税(+コスト)分だけ低くなります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります(指数の構成比、2024.1末時点)。
先進国株式、新興国株式の比率は時価総額比で決まり、現時点で先進国89%、新興国11%程度です。
国別トップは米国で67%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
野村つみたて外国株投信1本で2,132もの銘柄に投資しています(2024.3末時点)。
組入上位10銘柄は下表のようになります。
画像引用:野村つみたて外国株投信 マンスリーレポート(2024/3)
10銘柄全てを米国企業が占めています。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
野村つみたて外国株投信の信託報酬は0.2090%(税込)。
設定当時、MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとするファンドの信託報酬最安値が0.27%(三井住友・DC/消費税8%表記)だった為、これを大幅に下回る信託報酬に大きな注目を集めました。
ただ、その後さらに低コストのeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)が設定されましたが・・・
実質コストは0.238%(税込, 2023.5決算)。
信託報酬以外のコストが低いのが野村つみたて外国株投信の特徴でもあります。(但し、実質コストは固定されたものではなく毎年変動します)
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとする他社のインデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(先進国株式、新興国株式)を88%:12%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) [MSCI ACWI 除く日本] | 0.05775% | 0.116% |
個別ファンドの組合せ | 0.1052% | ||
2 | Smart-i Select 全世界株式(除く日本) [MSCI ACWI 除く日本] | 0.1144% | 0.183% |
3 | 野村つみたて外国株投信 [MSCI ACWI 除く日本] | 0.2090% | 0.231% |
4 | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株 [MSCI ACWI 除く日本] | 0.2750% | 0.349% |
5 | eMAXIS全世界株式インデックス [MSCI ACWI 除く日本] | 0.6600% | 0.717% |
野村つみたて外国株投信の信託報酬は、MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとする全世界株式インデックスファンドの中では3位。
最安値のeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)との差は0.15ポイント。
実質コストなら差が多少縮まりますが、それでも0.12ポイント。
4位の三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドとの差は信託報酬で0.07ポイント、実質コストで0.11ポイントと野村つみたて外国株投信が圧倒的に低くなっています。
信託報酬の変更履歴
野村つみたて外国株投信はまだ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/10/2 | 0.2052% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.2090% | 消費税増税(8%-->10%) |
野村つみたて外国株投信より遅れて設定された、より低コストのeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が2019年8月9日、2019年11月12日、2023年5月11日、2023年9月8日と4度にわたる引下げを行っており、その差がさらに広がってきています。今後対抗する引下げを行うか否かに注目。
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野村つみたて外国株投信の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から野村つみたて外国株投信の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2022年ごろまで徐々に増加傾向にあり、直近では10億(/月)を超える比較的安定した資金流入が続いています。(後述しますが購入方法が積立限定というのも安定している理由の一つでしょう)
ただ、本ファンドも十分売れてはいるのですが、ライバルのeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は毎月60~150億の資金流入があり、これと比較すると見劣ります。
純資産総額は1,366億円(2024.3末時点)、設定から6年半としてはまずまずといったところでしょう。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は、2024年3月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*ベンチマークは同じMSCI ACWI(除く日本)でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、「配当込で配当課税を適切に考慮したインデックス」をここでは真のベンチマークと定義し、そして真のベンチマークで決まる傾き、切片の直線を図中グレーの点線で示しています。(多くのファンドがコスト要因以外での乖離はないであろうとの前提で管理人の主観で引いた直線)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
野村つみたて外国株投信は(コスト要因以外での)ベンチマークに対する乖離もなく、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。ただし、やはりコストで勝るeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)には騰落率で負けています。
最新の騰落率[利回り](eMAXIS Slim等との比較) ~2024年9月末日時点~
*本章は原則毎月更新します。
最新の騰落率をライバルファンドとともにまとめます(本章は原則毎月更新します)。
*3年・5年騰落率は年率表記。
[表をクリックすると拡大します]
直近の騰落率でも、野村つみたて外国株投信はeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)に若干負けています。ただ、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株には十分勝っています。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.65%(税引前)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
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公式サイト東京スター銀行まとめ
野村つみたて外国株投信はMSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとするインデックスファンドの中では、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)、Smart-i Select全世界株式インデックス(除く日本)に次いで信託報酬が低く、その運用も安定しています。
そして、信託報酬以外のコストも低く抑えられており実質コストではeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)との差が若干ですが縮まります。
ただ難点は設定以来信託報酬引下げの実績がない事。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)に対抗する引下げを行えばもっと魅力的なファンドになるのですが・・・
販売会社
野村つみたて外国株投信は下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
*積立専用でスポット購入は出来ない場合があります。
ライバルとなるファンド
野村つみたて外国株投信 (本記事)
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
eMAXIS 全世界株式インデックス
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス全世界株式
他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。