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【インデックスファンド評価・解説】iFree 新興国株式インデックス。(ベンチマークがFTSE RAFI エマージングインデックス)

投稿日:2019年8月16日 更新日:

新興国の株式に投資するインデックスファンドiFree 新興国株式インデックスについて解説します。

他の多くの新興国株式インデックスファンドがMSCI Emerging Markets Indexをベンチマークとしているのに対し、本ファンドはFTSE RAFI エマージングインデックスとの連動を目指すインデックスファンドです。

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[2019.8.16]初版。本記事は原則2019年7月末時点の情報に基づき記載しています。

iFree 新興国株式インデックスの基本情報

iFreeシリーズは大和投資信託が運用するインデックスファンド・シリーズです。「低水準の運用管理費用」と「豊富な商品ラインアップ」をコンセプトに、「投資(investment)、もっと自由(Free)に」の思いを込めてネーミングしたとの事。  (iFree公式サイトより抜粋・編集して引用)

今回解説するのは新興国の株式に投資するiFree 新興国株式インデックス

先ず、iFree 新興国株式インデックスの基本情報をまとめます。

運用会社大和投資信託
設定日2016年9月8日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークFTSE RAFI エマージングインデックス(配当込み・グロス)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.3672% 
実質コスト0.778%
純資産総額 23.89億円(2019.8.15時点)
(マザーファンド) 純資産総額 52.91億円(2018.7.5時点)
分配金実績
つみたてNISA対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.10%
(対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%)
楽天証券ポイント還元年率0.048%

 

投資対象

ベンチマークFTSE RAFI エマージングインデックス[配当込み・グロス]で、新興国の株式に投資します。
*ベンチマークの詳細は後述

*運用報告書にベンチマークとの乖離要因として「配当に対する課税分がマイナス要因」との記載がある事から、ベンチマークは配当に対する課税を考慮しないグロスと推測できます。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]の2種類ありますが、[除く配当]だからといって(過去において)運用成績が劣るという事はありません。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?

 

投資国

投資する国、比率は下図のようになります。

iFree新興国株式インデックス

画像引用:iFree 新興国株式インデックス月次レポート(2019/7)

2位が米国で13.7%も占めているのは後述するように米国ETFが含まれているからです。

 

投資銘柄

投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)

iFree新興国株式インデックス

画像引用:iFree 新興国株式インデックス月次レポート(2019/7)

1位のINVESCO FTSE RAFI EMERGING MはFTSE RAFIエマージングとの連動を目指す米国ETFで12.3%を占めます。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

iFree 新興国株式インデックスの信託報酬は0.3672%(税込)

実質コストは0.778%(税込)(但し、実質コストは固定されたものではなく毎年変動します)

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

信託報酬以外のコストが0.420%と非常に高くなっています。ベンチマークがスマートベータ型で売買が頻繁になり売買委託手数料や保管費用が多くかかったのではと推測します。

*運用報告書によるとiFree新興国株式インデックスのマザーファンドの売買高比率0.56、これは例えばeMAXIS Slim新興国株式インデックスの0.40、同じiFreeシリーズのiFree外国株式インデックスファンドの0.15より大きくなっています。

 

他社 新興国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

他社の新興国株式インデックスファンドと信託報酬、実質コストを比較します。

尚、下表中、SBI・新興国株式インデックス・ファンド楽天・新興国株式インデックス・ファンド、及びiFree新興国株式インデックス以外のファンドはMSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドです。

(低コスト)新興国株式インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド信託報酬
実質コスト
SBI
新興国株式インデックス
0.1948%
0.368%
eMAXIS Slim
新興国株式インデックス
0.20412%
0.381%
<購入・換金手数料なし>
ニッセイ
新興国株式インデックス
0.20412%
1.591%
楽天
新興国株式インデックス
0.2496%
0.581%
i-SMT
新興国株式インデックス
0.3564%
0.573%
たわらノーロード
新興国株式
0.3672%
0.647%
三菱UFJ
つみたて
新興国株式
0.3672%
0.578%
iFree
新興国株式インデックス
0.3672%
0.778%
三井住友・DC
新興国株式インデックス
0.3672%
1.058%
Smart-i
新興国株式インデックス
0.3672%
1.103%

iFree新興国株式インデックスは、信託報酬最安値のSBI・新興国株式インデックス・ファンドeMAXIS Slim新興国株式インデックスに比較すると信託報酬で0.17%高くなります。

それでも信託報酬で見れば比較的低コストの部類ですが、前述のように信託報酬以外のコストが高く、実質コストではもっと差が広がります。

*特に新興国株式の場合、iFreeだけでなく信託報酬以外のコストが高いファンドがいくつか存在します。

 

信託報酬の変更履歴

iFree 新興国株式インデックスは設定以来未だ信託報酬引下げの実績はありません。

iFree 新興国株式インデックスの信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2016/9/8
 0.2268%新規設定。
?????? 

設定時は新興国株式としては信託報酬最安値、破格のコストとして話題になりました。しかし、その後、eMAXIS Slim新興国株式インデックス等の新規設定や信託報酬引下げで最安値からは差が広がってしまいました。今後、これらに対抗すべく信託報酬引下げを行うか否かに注目です。

 

FTSE RAFI エマージングインデックスって? MSCIエマージング・マーケットインデックスとの違いは?

iFree新興国株式インデックスがベンチマークとしているFTSE RAFI エマージングインデックスについて、多くの新興国株式インデックスファンドがベンチマークとして使用しているMSCI Emerging Markets Index(MSCI EMと略して表記する場合があります)との違いを含めて解説します。

 

FTSE RAFI エマージングインデックスとは?

FTSE社が提供しているインッデックス。

FTSE社の流動性基準、時価総額基準、浮動株調整をクリアした新興国の上場株式の中から、4つのファンダメンタル指標(株主資本、キャッシュフロー、売上、配当)に着目し、リサーチ・アフィリエイツ社独自のインデックス構成指標により、銘柄の選定、ウエイト付けを行う指数。

 ~iFree 新興国株式インデックス 交付目論見書から引用~

所謂スマートベータ型の指数で、純粋なインデックス運用に若干アクティブな要素を加えた指数と言って良いでしょう。

銘柄数は359(2019.7時点)MSCI EMの1,193よりかなり少なくなります。

 

構成国

インデックスでの構成国は下図のように24カ国、1位は中国で32.8%、2位 ブラジル、3位 台湾となります。
(注)ベンチマークの値であり、実際のiFree新興国株式インデックとは異なります。

FTSE RAFI エマージング インデックス

MSCI EMとの大きな違いはMSCI EMが韓国を12%を含むのに対してFTSE RAFI エマージングインデックスでは韓国を含みません。その分、中国・台湾などの比率が上がっています。
*FTSE社は韓国を先進国として分類しているため、FTSE社の新興国株式指数は全て韓国を含みません。

またブラジルの比率が14%と高いのも特徴です(MSCI EMでは8%)

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

 

FTSE RAFI エマージングインデックスのパフォーマンス

FTSE RAFI エマージングインデックスの長期のパフォーマンスは下記ページをご覧ください。MSCIエマージング・マーケット・インデックスFTSEエマージング・インデックスと比較してあります。

 

iFree 新興国株式インデックスの運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額からiFree 新興国株式インデックスの売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

iFree新興国株式インデックス

概ね0.5~1億/月と安定した資金流入となっています。eMAXIS Slim 新興国株式インデックスが毎月5~10億円程度で、これと比較すると大きく見劣りしますが、新興国株式としては多くも少なくもないといったところでしょうか。

純資産総額もペースは決して早いとは言えませんが着実に増えてきています。

パフォーマンス ~eMAXIS Slim新興国株式インデックスと比較~

iFree 新興国株式インデックスのパフォーマンスをベンチマークが異なるeMAXIS Slim 新興国株式インデックスと比較します。

ただ、両方とも設定から2~3年とパフォーマンスを評価するには十分ではないことから、それぞれ同じマザーファンドで運用するDCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンド(以下DCダイワと略して記載)eMAXIS新興国株式インデックス(Slimではない方)のデータを使用し、実質コストの差から換算します。

DCダイワの年間騰落率をT1、実質コストS1、iFreeの年間騰落率をT2、実質コストS2としたとき、
T2 = (T1+1) x (1-S2) / (1-S1) -1
eMAXISからeMAXIS Slimへの換算も同様に計算。
尚、実質コストは毎年変動しますが、直近の値を使用。

ファンド信託報酬実質コスト
FTSE RAFIエマージング・インデックス
iFree新興国株式インデックス0.3672%0.778%
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンド0.7776%1.201%
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス0.20412%0.381%
eMAXIS新興国株式インデックス0.648%0.821%

以下、iFree新興国株式インデックスeMAXIS Slim 新興国株式インデックスのリターンは原則このようにして求めた推定値であり事に注意してください。

 

基準価額のチャート

DCダイワの設定日、2010年7月6日を基準(10,000)としたチャートを示します。

iFree新興国株式もその設定日(2016.9.8)にDCダイワの基準価額に合わせてプロット、さらにeMAXIS新興国株式もプロットしてあります。

iFree新興国株式インデックス

約9年間のチャートですが、この期間で見るとMSCI EMとの連動を目指すeMAXIS新興国株式の方が上回っています。

尚、iFreeDCダイワを比較すると、その信託報酬・実質コストの差からiFreeが若干上回っていることが分かります。

 

直近5年、9年のリターン・リスク

上述のような換算方法でiFree新興国株式eMAXIS Slim 新興国株式のリターンを算出し、直近5年、9年のリターン・リスク・シャープレシオ(S/R:無リスク資産のリターンを0として計算)をまとめます。

*リスクはDCダイワ、eMAXISの値をそのまま使用します(厳密には異なりますが)。

5年、9年のリターン・リスク[年率] (2019.7末時点)
*DCダイワ、eMAXISからの換算値
ファンドiFree
新興国株式
eMAXIS Slim
新興国株式
5年
リターン2.56%2.55%
リスク19.51%17.33%
S/R0.130.15
9年
リターン4.13%5.42%
リスク20.13%19.20%
S/R0.210.28

9年ではeMAXIS Slimの方がリターンで1.3%上回りリスクも若干小さくなっています。

5年ではiFreeのリターンが若干上回っているものの、リスクが大きくシャープレシオではeMAXIS Slimに負けています。

尚、5年のインデックス騰落率ではFTSE RAFIMSIC EMを0.9%(ドルベース)上回っていたのですが、上記ファンドの結果ではその差が殆どなくなっています。コスト要因に加えベンチマークとの乖離(詳細は後述)が生じているのかもしれません。

 

複数の5年間の運用成績(2010年7月~2019年7月)

上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。

そこで、2010年7月から5年間、さらに2010年8月から5年間・・・2014年7月から5年間と起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で49個(区間)のデータとなります。

この複数の5年間のリターン、リスクの平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは49区間の平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)

リターンは前章同様DCダイワ、eMAXISから換算した値です

複数の5年間リターン[年率]の平均値 (2010.7~2019.7)
*DCダイワ、eMAXISからの換算値
ファンドiFree
新興国株式
eMAXIS Slim
新興国株式
リターン4.61%6.23%
リスク20.73%18.49%
S/R0.220.34

複数の5年間の平均値で見ても、iFreeeMAXIS Slimにリターンで1.6%負けています。リスクも高くシャプレシオでも大きな差がついています。

 

1年間騰落率 年別比較

各年の1年騰落率を比較してみます。

騰落率が高い方
iFree
新興国株式
eMAXIS Slim
新興国株式
2018年-11.7%-17.2%5.6%
2017年20.8%33.3%-12.6%
2016年24.9%6.1%18.8%
2015年-21.5%-14.8%-6.7%
2014年8.9%12.1%-3.2%
2013年12.4%18.1%-5.7%
2012年26.1%30.9%-4.9%
2011年-22.3%-21.5%-0.8%

過去8年間においてiFree新興国株式の2勝6敗という結果です。eMAXIS SlimというかMSCI EMに対し分が悪いようです。

ベンチマークとの乖離は?

インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。

そこで、ここでも運用期間の長いDCダイワの運用報告書からベンチマークとの乖離を調査します。

(注)ベンチマークの値は除く配当、配当込み、配当込みでも配当に対する課税を考慮するネット、考慮しないグロスと様々で、運用報告書記載のベンチマークとの乖離が必ずしも妥当な値とは限りません。そこで、本サイトではベンチマークとの乖離を同じインデックスをベンチマークとする他のファンドと比較する事で評価してきました。しかし、本ファンドの場合、他に比較できるファンドが存在しない事から致し方なく運用報告書記載の値で評価します。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

下表はDCダイワの各年の運用報告書記載のベンチマークとの乖離、実質コストです。また、最右列は乖離から実質コスト分を差し引いた値です。これがコスト成分以外の乖離という事になります。

 ベンチマークとの乖離実質コストコスト成分を除く乖離
2018年-2.0%1.201%-0.8%
2017年-3.0%1.558%-1.4%
2016年-1.3%1.462%0.2%
2015年-1.9%1.300%-0.6%

コスト成分を除くと2017年を除き0.6~1.4%のマイナス乖離が発生している事になります。

ベンチマークが配当に対する課税を考慮しないグロスですのでマイナス乖離するのは致し方ありませんが、ちょっとこの数字は配当課税分だけにしては大きいように思えます。コスト、配当課税成分以外の乖離があるものと推測します。

 

まとめ

以上、FTSE RAFI エマージングインデックスとの連動を目指すインデックスファンド、iFree新興国株式インデックスを、新興国株式として一般的なベンチマーク、MSCI Emerging Markets Indexと比較しつつ評価してきました。

スマートベータ型のインデックスで、かつ他の類似ファンドもなく評価が難しいのですが、過去のパフォーマンス(最大9年の評価)においてはeMAXIS Slim 新興国株式インデックスに代表されるMSCI EMに対して分が悪い結果に見えます。ただ、直近5年間で見れば若干リターンで勝っており将来どうなるかは分かりませんが。

コスト的には、他社の新興国株式インデックスファンドが大きく信託報酬を引下げ、iFree新興国株式インデックスとの差が広がっています。特にiFree新興国株式インデックスの場合、信託報酬以外のコストが高いだけに、さらなる引下げに期待したいところ。

また、ベンチマークとの乖離も大きいように思えます。

以上、現時点ではMSCI EMをベンチマークとするファンドに対して優位性があるとは言えませんが、

その投資方針(スマートベータ)に共感できる方、

MSCI EMのような時価総額加重型のインデックスがお好みでない方、

そして(新興国株式クラスに)韓国を含めたくない方は検討されてみては如何でしょう?

(韓国を含めないだけならSBI・新興国株式インデックス・ファンドや楽天・新興国株式インデックス・ファンドもあります)

 

購入先

iFree 新興国株式インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券等の証券会社。

さらにイオン銀行、多くの地方銀行等で購入出来ます。

楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。一方で、つみたてNISAやネット取引限定の販売となっている場合もあります。)

 

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま)

楽天・新興国株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード)

iFree 新興国株式インデックス (本記事) 

 

他の新興国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

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