国内リートに投資するインデックスファンド、Smart-i Jリートインデックスについて解説します。
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[最終更新日:2020.7.23]全て最新情報に更新。
本記事は原則2020年6月末日時点の情報に基づき記載しています。
見出し
Smart-i Jリートインデックスの基本情報
Smart-iは「シンプルでわかりやすく、リーズナブルなコストで使い勝手の良いファンド」を目指し2017年8月に設定されたりそなアセットマネジメントが運用する購入時手数料ゼロのインデックスファンドシリーズです。
今回解説するのは国内リートに投資するSmart-i Jリートインデックス。
先ず、Smart-i Jリートインデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | りそなアセットマネジメント |
設定日 | 2017年8月29日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 東証REIT指数(配当込み) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1870% |
実質コスト | 0.204% |
純資産総額 | 26.35億円(2020.7.22時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 245.6億円(2020.1.17時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象外 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
投資対象
ベンチマークは東証REIT指数[配当込み]で国内の不動産投資信託証券に投資します。
*東証REIT指数は東証に上場するREIT全銘柄(約60銘柄)の時価総額加重型の指数です。
マザーファンド
Smart-i Jリートインデックスはファミリーファンド方式でマザーファンドを介して国内リートに投資します。
「RAM国内リートマザーファンド」は純資産総額246億円(2020.1.17時点)、主にラップ口座専用ファンド、適格機関投資家向けファンドが多くを占め、Smart-i Jリートインデックスは8%程度に過ぎません。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
Smart-i Jリートインデックスの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
国内リートインデックスファンドとしては最低水準の0.1870%(税込)。
実質コストは0.204%(税込)。
*2018年5月の初回決算では実質コスト0.358%と信託報酬以外のコストが非常に高くなっていましたが、2期目決算(2019年5月)で0.224%(消費税8%)/0.228%(消費税10%)、3期目決算(2020年5月)で0.204%(消費税10%)まで下がりました。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内リートインデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
東証REIT指数をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 国内リートインデックス | 0.1870% | 0.198% |
1 | Smart-i Jリートインデックス | 0.1870% | 0.204% |
3 | NZAM・ベータ日本REIT | 0.2640% | 0.277% |
4 | たわらノーロード国内リート | 0.2750% | 0.281% |
4 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックス | 0.2750% | 0.277% |
4 | 三井住友・DC日本リートインデックス | 0.2750% | 0.378% |
7 | iFree J-REITインデックス | 0.3190% | 0.327% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
国内リート・インデックスファンドの中ではSmart-i JリートインデックスがeMAXIS Slim国内リートとならび信託報酬最安値、2位に0.08%の差をつけています。
実質コストではeMAXIS Slim国内リートに若干負けているものの、ほぼ同レベルと言って良いでしょう。
信託報酬の変更履歴
Smart-i Jリートインデックスは設定以来信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/8/29 | 0.1836% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.1870% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% | ??? |
国内リート・インデックスは、eMAXIS Slimがラインアップしていない事もあり、株式クラスのように低コスト化競争が激しくありません。
2019.10.30にeMAXIS Slim国内リートが新規設定されました。
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Smart-i Jリートインデックスの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からSmart-i Jリートインデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
国内リート自体がそう大きな資金流入がないという事もあり、Smart-i Jリートインデックスの資金流入も決して安定しているとは言えません。
2019年10月には10億を超える資金流入があったものの、2019年12月~2020年3月は資金流出と短期の売買と思われる流出入もあります。
純資産総額も設定から3年で26億ですので、あまり大きくはありません。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*国内に投資するファンドの場合、投資する銘柄から配当があっても、それに課税されることなくファンドの資産となりますので、理想的には配当込み指数の値から決まる傾き、切片の直線上に各ファンドがプロットされなければなりません。
下図は2020年6月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。(ETF2本を含みます)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
Smart-i Jリートインデックスは、この1年間で見ると明らかに大きなマイナス乖離を起こしている事がわかります。これは主にコロナショックでボラティリティが非常に大きかった2020年3月の乖離によるものです。同時期にライバルのeMAXIS Slimも大きな乖離を起こしています。
そこで、この2020年3月を含まない2020年6月末日時点の3カ月騰落率を見てみます。
この3カ月では、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離もなく、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。
まとめ
Smart-i Jリートインデックスは、国内リートに投資するインデックスファンドの中ではeMAXIS Slimと並び、圧倒的に低い信託報酬が魅力のファンドです。
設定から3年経ち、実質コストも年々下がり、ほぼ問題ないレベルになってきました。ボラティリティの大きい時期に大きな乖離を起こした事もありますが、直近3カ月で見れば運用も安定してきています。
懸念としては未だ資金流入が少なく、純資産総額も小さい事。
資金流入では、2019年10月31日に新規設定されたeMAXIS Slim国内リートインデックスに負けており、純資産総額も間もなく追いつかれそうな状況です。
販売会社
Smart-i Jリートインデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
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公式サイト SBI証券
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尚、国内リートはつみたてNISAの対象ではありません。つみたてNISAで国内リートに投資したい方はバランスファンドを購入する事になります。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはりそな銀行のiDeCoです。
ライバルとなるファンド
Smart-i Jリートインデックス (本記事)
他の国内リートインデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。