国内リートに投資するインデックスファンド、Smart-i Jリートインデックスについて解説します。
[最終更新日:2022.7.27]実質コスト、マザーファンド純資産総額を最新情報に更新。
[2022.6.13]全て最新情報に更新。
本記事は原則2022年5月末日時点の情報に基づき記載しています。
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Smart-i Jリートインデックスの基本情報
Smart-iは「シンプルでわかりやすく、リーズナブルなコストで使い勝手の良いファンド」を目指し2017年8月に設定されたりそなアセットマネジメントが運用する購入時手数料ゼロのインデックスファンドシリーズです。
今回解説するのは国内リートに投資するSmart-i Jリートインデックス。
先ず、Smart-i Jリートインデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | りそなアセットマネジメント |
設定日 | 2017年8月29日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 東証REIT指数(配当込み) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1870% |
実質コスト | 0.197%(*1) |
純資産総額 | 39.4億円(2022.5.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 288.0億円(2022.1.25時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象外 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
(*1)2022.5.25決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資対象
ベンチマークは東証REIT指数[配当込み]で国内の不動産投資信託証券に投資します。
*東証REIT指数は東証に上場するREIT全銘柄(約60銘柄)の時価総額加重型の指数です。
マザーファンド
Smart-i Jリートインデックスはファミリーファンド方式でマザーファンドを介して国内リートに投資します。
「RAM国内リートマザーファンド」は純資産総額288億円(2022.1.25時点)、主にラップ口座専用ファンド、適格機関投資家向けファンドが多くを占め、Smart-i Jリートインデックスは10%程度に過ぎません。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
Smart-i Jリートインデックスの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
国内リートインデックスファンドとしては最低水準の0.1870%(税込)。
実質コストは0.197%(税込)。
*2018年5月の初回決算では実質コスト0.358%と信託報酬以外のコストが非常に高くなっていましたが、2期目(2019年5月)で0.224%(消費税8%)/0.228%(消費税10%)、3期目(2020年5月)で0.204%(以降消費税10%)、4期目決算(2021年5月)で0.198%、そして5期目決算(2022年5月)で0.197%まで下がりました。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 国内リートインデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
東証REIT指数をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 国内リートインデックス | 0.1870% | 0.191% |
1 | Smart-i Jリートインデックス | 0.1870% | 0.197% |
3 | NZAM・ベータ日本REIT | 0.2640% | 0.270% |
4 | たわらノーロード国内リート | 0.2750% | 0.278% |
4 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックス | 0.2750% | 0.276% |
4 | 三井住友・DC日本リートインデックス | 0.2750% | 0.340% |
4 | My SMT J-REITインデックス | 0.2750% | 0.281% |
8 | iFree J-REITインデックス | 0.3190% | 0.328% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
国内リート・インデックスファンドの中ではSmart-i JリートインデックスがeMAXIS Slim国内リートとならび信託報酬最安値、3位に0.08%ptの差をつけています。
実質コストではeMAXIS Slim国内リートに若干負けているものの、ほぼ同レベルと言って良いでしょう。
信託報酬の変更履歴
Smart-i Jリートインデックスは設定以来信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/8/29 | 0.1836% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.1870% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% | ??? |
設定時は信託報酬最安値で登場、その後、同率の信託報酬でeMAXIS Slim国内リートが設定されました。
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Smart-i Jリートインデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からSmart-i Jリートインデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
これは国内リート全体に言える事ですが、資金流入、流出の変動が大きく、かつ資金流入自体もそう大きくありません。そして、Smart-i Jリートインデックスの資金流入も決して安定しているとは言えません。
2019年10月には10億を超える資金流入があったものの、2019年12月~2020年3月は資金流出と短期売買と思われる流出入もあります。最近は1億(/月)以下の資金流入に留まっており、資金流出の月も多くあります。
純資産総額も設定から5年弱で39億ですので、あまり大きくはありません。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*国内に投資するファンドの場合、投資する銘柄から配当があっても、それに課税されることなくファンドの資産となりますので、理想的には配当込み指数の値から決まる傾き、切片の直線上に各ファンドがプロットされなければなりません。
下図は2022年5月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。(ETF2本を含みます)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
Smart-i Jリートインデックスは概ねグレーの点線上にのっています。これは、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない運用になっている事を意味します。そして、eMAXIS Slimには若干負けるものの、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
コロナショックでボラティリティが非常に大きかった2020年3月には大きな乖離を起こしましたが、その後の運用は安定しているようです。
Smart-i Jリートインデックスの分配金
Smart-i Jリートインデックスは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有するリートから出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
まとめ
Smart-i Jリートインデックスは、国内リートに投資するインデックスファンドの中ではeMAXIS Slimと並び、圧倒的に低い信託報酬が魅力のファンドです。
設定から5年近く経ち、実質コストも年々下がり、ほぼ問題ないレベルになってきました。ボラティリティの大きい時期に大きな乖離を起こした事もありますが、最近は運用も安定してきています。
懸念としては未だ資金流入が少なく、純資産総額も小さい事。
資金流入では、2019年10月31日に設定されたeMAXIS Slim国内リートインデックスに負けており、純資産総額も既に抜かれています。
販売会社
Smart-i Jリートインデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
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さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
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尚、国内リートはつみたてNISAの対象ではありません。つみたてNISAで国内リートに投資したい方はバランスファンドを購入する事になります。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはりそな銀行のiDeCoです。
ライバルとなるファンド
Smart-i Jリートインデックス (本記事)
他の国内リートインデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。