米国の株式に投資するインデックスファンド、eMAXIS NYダウ・インデックスについて解説します。
[最終更新日:2023.11.17]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023年11月末日時点の情報に基づき記載しています。
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eMAXIS NYダウインデックスの基本情報
eMAXISシリーズは、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、「幅広い品揃え」と「低く設定された信託報酬」を特徴とします。2017年2月のeMAIXS Slimシリーズ登場により、信託報酬は割高となってしまいましたが、eMAXIS Slimにはラインアップされていないインデックスも多く「幅広い品揃え」という点では未だ価値ある存在です。
本記事で解説するのは、米国株式に投資し、NYダウとの連動を目指すeMAXIS NYダウインデックス。尚、NYダウはeMAXIS Slimシリーズにはラインアップされていません。
先ず、eMAXIS NYダウインデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2013年8月7日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | NYダウ[ダウ・ジョンーズ工業株価平均](配当込/ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.6600% |
実質コスト | 0.676%(*1) |
純資産総額 | 491.8億円(2023.10.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 673.6億円(2023.1.26時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品(*2) |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*3) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.270% |
(*1)実質コストは2023.1.26決算より
(*2)つみたてNISAでは指定インデックスとしてNYダウが認められていない為、アクティブファンドとして認定されています。
(*3)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはNYダウ[配当込/ネット]で米国株式に投資します。
ネットとは配当に対する課税を考慮した指数ですが、その源泉徴収税率が日本に対して適切かは定かではありません。
*2019.7よりベンチマークが配当込/ネットになりました。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
NYダウ
NYダウは、ダウ・ジョーンズ工業株価平均、ダウ平均株価とも言われる米国株式を代表する指数です。
株価平均型の指数で、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場し、米国を代表する優良企業(ブルーチップ)30社から構成されています(輸送・公益事業を除く)。
NYダウの詳細は下記記事を参照してください。
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:eMAXIS NYダウインデックス 月次レポート(2023/10)
ユナイテッドヘルス・グループ、マイクロソフト、ゴールドマン・サックス、ホームデポ等、各業種で米国を代表する企業に投資しています。
投資銘柄数は30社で、保有株数は各社同数です。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS NYダウインデックスの信託報酬は0.660%(税込)。
実質コストは0.676%(税込、2023.1.26時点)。
*実質コストは固定されたものではなく、毎年変動します。
購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 NYダウ・インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
NYダウをベンチマークとする他社のインデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド [設定日] | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | My SMT ダウ・ジョーンズ・インデックス [2022.3.29] | 0.0968% | 0.116% |
2 | PayPay投信 NYダウインデックス [2021.3.8] | 0.1980% | 0.279% |
3 | NZAM・ベータ・NYダウ30 [2020.3.12] | 0.2310% | 0.313% |
4 | iFree NYダウ・インデックス [2016.9.8] | 0.2475% | 0.261% |
4 | たわらノーロード NYダウ [2017.3.21] | 0.2475% | 0.265% |
6 | SMT ダウ・ジョーンズインデックス・オープン [2013.11.19] | 0.5500% | 0.571% |
7 | eMAXIS NYダウインデックス [2013.8.7] | 0.6600% | 0.676% |
ここにあげた7本の中ではeMAXIS NYダウインデックスの信託報酬は最下位(最もコストが高い)、最安値のMy SMTに対し0.56ポイントも高くなっています。また、つみたてNISA・NISA(つみたて投資枠)対応のiFree、たわらノーロードに対しても0.41ポイントの差がついています。
信託報酬の変更履歴
eMAXIS NYダウインデックスは、設定以降、信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2013/8/7 | 0.648% | 新規設定。 |
2019/10/1 | 0.660% | 消費税増税(8%-->10%) |
NYダウとの連動を目指すインデックスファンドは、ライバルが少ないこともあり、先進国株式(MSCI Kokusai)のような激しい信託報酬引下げ競争は起きていません。eMAXIS Slimが参入してくれれば良いのですが・・・。
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eMAXIS NYダウ・インデックスの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からeMAXIS NYダウインデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
コロナショックで大暴落した2020年3月前後に巨額の資金流入があった以外は、概ね+10億(流入)~-10億(流出)と月によって大きく変動しており安定した資金流入とは言えません。比較的短期で売買する方が多いのでしょう。
純資産総額は設定から10年強で約492億。小さい額ではありませんが、2016年設定のiFree NYダウ・インデックスの純資産総額556億(2023.10末時点)に負けています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は、2023年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
eMAXIS NYダウインデックスは、この1年間騰落率で見て(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離が殆どなく安定した運用である事がわかります。ただ、コストが高い分、騰落率でiFree NYダウ・インデックスやたわらノーロードNYダウなどに大きく負けています。
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まとめ
NYダウとの連動を目指すインデックスファンドeMAXIS NYダウインデックスは、決して超低コストとは言えませんが、運用自体はコスト要因以外のベンチマークとの乖離がない安定した運用となっています。
ただ、いかんせんコストが高すぎます。
特に、同じくつみたてNISA、NISA(つみたて投資枠)対象のiFree NYダウ・インデックス、たわらノーロードNYダウとの信託報酬の差が大きいだけに本ファンドも信託報酬を引き下げるか、eMAXIS SlimシリーズにNYダウを新たにラインアップする事を期待します。
(仮にeMAXIS SlimにNYダウが追加されたとしてもアクティブファンド扱いになり最低5年間はNISAつみたて投資枠の対象とはなりませんが。)
尚、NYダウにこだわりがなく、米国株式に投資したいという事であれば、S&P500やCRSP USトータル・マケットとの連動を目指すeMAXIS Slim米国株式(S&P500)、SBI・V・全米株式インデックス、楽天・全米株式インデックス・ファンドなども検討されては如何でしょう?
販売会社
eMAXIS NYダウインデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
*他にも多くの銀行等で取り扱っていますが、ネット証券ではクレジットカード決済や投資信託保有のポイント還元などのサービスがあり有利です(一部ネット証券を除く)。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
つみたてNISA、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)
ライバルとなるファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)
他のNYダウインデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。