米国の株式に投資するインデックスファンド、たわらノーロード NYダウについて解説します。
*本記事は基本的に2019年5月10日時点の情報に基づき記載しています。
[最終更新日:2019.11.5]ライバルファンドのiFreeの実質コスト更新。
消費税10%表記に変更
[2019.5.10]初版。
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見出し
たわらノーロード NYダウの基本情報
たわらノーロードシリーズは、アセットマネジメントOneが運用するインデックスファンド・シリーズです。親しみのある、分かりやすい、コツコツと蓄えるといったコンセプトから、「豊か、蓄える」というイメージがある、穀物を包み保存する"たわら"とネーミングしたとの事。 (アセットマネジメントOne公式サイトより抜粋・編集して引用)
今回解説するのは、米国株式に投資しNYダウとの連動を目指すたわらノーロード NYダウ。
先ず、たわらノーロード NYダウの基本情報をまとめます。
運用会社 | アセットマネジメントOne |
設定日 | 2017年3月21日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | NYダウ(配当除く) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2475% |
実質コスト | 0.451% |
純資産総額 | 13.95億円(2019.5.9時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 12.53億円(2018.10.12時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象外 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
投資対象
ベンチマークはNYダウ[配当除く]で、米国株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]の2種類ありますが、[除く配当]だからといって(過去において)運用成績が劣るという事はありません。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?
ただ、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意して下さい。ベンチマークが配当を含んでいませんので、通常はファンドの方が騰落率が高くなります。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。
NYダウ
NYダウはダウ・ジョーンズ工業株価平均、ダウ平均株価等とも言われる米国株式を代表する指数です。
株価平均型の指数で、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場し、米国を代表する優良企業(ブルーチップ)30社から構成されています(輸送・公益事業を除く)。
NYダウの詳細は下記記事を参照してください。
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:たわらノーロード NYダウ 月次レポート(2019/3)
ボーイング、ユナイテッドヘルス・グループ、3M、ゴールドマン・サックス、ホームデポ、マクドナルド、アップル、ビザ、IBMと各業種で米国を代表する企業に投資しています。
*8位に入っている"SPDR DOW JONES INDUSTRIAL AVERAGE ETF TRUST"はNYダウとの連動を目指すETFです。
投資銘柄数は30社+ETF 1本で、保有株数は各社同数です。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
たわらノーロード NYダウの信託報酬は0.2475%(税込)。
実質コストは0.451%(税込、2018.10.12時点)。
信託報酬以外のコストがかなり高くなっています。
たわらノーロード・シリーズは、マザーファンドの大きさが特徴の一つですが、NYダウに関しては、マザーファンド(NYダウ・インデックス・マザーファンド)がたわらノーロード NYダウの1本だけで構成されており、純資産総額も小さくなっています。これが信託報酬以外のコストが高い原因の一つと推測されます。
ただ前期の実質コスト0.525%(消費税8%)より大幅に下がっており、今後、純資産総額が増えるにつれ信託報酬以外のコストも下がっていくと予想されます。
尚、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 NYダウ・インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
NYダウをベンチマークとする他社のインデックスファンドと比較します。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト |
iFree NYダウ・インデックス | 0.2475% | 0.279% |
たわらノーロード NYダウ | 0.2475% | 0.451% |
SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン | 0.5500% | 0.578% |
eMAXIS NYダウインデックス | 0.6600% | 0.709% |
たわらノーロード NYダウの信託報酬は、iFree NYダウ・インデックスと並び最安値です。
ただ、前述のように実質コストが高く、iFree NYダウ・インデックスより0.172%高くなっています。
信託報酬の変更履歴
たわらノーロード NYダウは、設定以降、信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/3/21 | 0.243% | 新規設定。 |
2019/10/1 | 0.2475% | 消費税増税(8%-->10%)。 |
??? | ??? |
NYダウとの連動を目指すインデックスファンドは、ライバルが少ないこともあり、先進国株式(MSCI Kokusai)のような激しい信託報酬引下げ競争は起きていません。eMAXIS Slim等が参入してこない限り大幅な引き下げは期待できないかもしれません。
ただ、現状でも0.2475%ですので十分低コストの水準です。
たわらノーロード NYダウの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から、たわらノーロード NYダウの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
2019年に入り資金流出が大きい月がありますが、これは本ファンドに限らず全体的な傾向です。ただ、それ以外の期間も毎月1億円以下の資金流入に留まっています。
また、純資産総額も約13億と設定から未だ2年とはいえ決して大きくはありません。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は、2019年4月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
たわらノーロード NYダウは、1年間騰落率ではコスト要因以外でのベンチマークとの乖離は殆どありませんが、実質コストの高さから、同じ信託報酬のiFree NYダウ・インデックスより騰落率が低くなっています。
まとめ
たわらノーロード NYダウは、NYダウとの連動を目指すインデックスファンドとしてはiFree NYダウ・インデックスとならび信託報酬最安値のファンドです。
ただ、マザーファンドを含む純資産総額が小さい事もあり、信託報酬以外のコストが高く、騰落率ではiFree NYダウ・インデックスに負けています。
今後、どれだけ純資産総額を伸ばすことが出来るか、信託報酬以外のコストを下げる事が出来るかがポイントです。
購入先
たわらノーロード NYダウは下記の金融機関で購入出来ます。
販売会社 SBI証券、楽天証券 、マネックス証券、松井証券、岡三オンライン証券等。
楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード
尚、つみたてNISAでは購入できません。(つみたてNISAで購入出来るNYダウ連動型インデックスファンドはeMAXIS NYダウインデックスのみです)
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはマネックス証券 iDeCoのみです。
ライバルとなるファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)
他の(NYダウ以外も含む)米国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。