*地図上青色(先進国)、緑色(新興国)の国がMSCI ACWIの投資国です。
全世界の株式に投資するインデックスファンドについて純資産総額、資金流出入額、運用成績(ベンチマークとの乖離)を調査します。
*原則3カ月毎に更新します。
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[最終更新日:2023.4.13]2023年3月末日時点の情報に更新。
MSCI ACWIって何? 全世界ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
*本記事は2023年3月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドによりコスト(信託報酬)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じベンチマークでも、各社のベンチマーク騰落率は異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークとの乖離を評価していきます。
見出し
比較した全世界株式インデックスファンドの信託報酬・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、2023年3月末時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
たわらノーロード全世界株式、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本/オール・カントリー/3地域均等型)、それぞれ2023.4.7、2023.5.11に信託報酬を引下げました。
*下表は引下げ後の信託報酬、実質コスト(決算結果から信託報酬引下げ分を引いた値)で記載。
日興AMよりTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)が2023.4.26に信託報酬0.05775%で新規設定されます。
*但し、信託報酬に含まれる費用の範囲が他のファンドと異なる可能性があります(指数ライセンス料など)
*信託報酬、実質コストは税込み。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額 (億円) |
MSCI ACWI(除く日本) | |||
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.1133% (0.172%) | 2018/3/19 | 2,250 |
Smart-i Select全世界株式インデックス(除く日本) | 0.1144% (---%) | 2022/4/27 | 3.0 |
野村つみたて外国株投信 | 0.2090% (0.238%) | 2017/10/2 | 786 |
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド | 0.2750% (0.361%) | 2011/4/18 | 1,343 |
eMAXIS 全世界株式インデックス | 0.6600% (0.717%) | 2010/7/20 | 248 |
MSCI ACWI(含む日本) | |||
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) | 0.05775% (---%) | 2023/4/26 | --- |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.1133% (0.169%) | 2018/10/31 | 9,602 |
たわらノーロード全世界株式 | 0.1133% (0.232%) | 2019/7/22 | 51 |
Smart-i Select全世界株式インデックス | 0.1144% (---%) | 2022/4/27 | 5.2 |
つみたて全世界株式 | 0.2200% (0.279%) | 2020/3/6 | 11.5 |
SSGA 全世界株式インデックス・ファンド | 0.5280% (0.595%) | 2017/9/8 | 114 |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | |||
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1102% (0.123%) | 2017/12/6 | 963 |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1338% (0.163%) | 2022/1/31 | 211 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.199% (0.225%) | 2017/9/29 | 2,589 |
先進国・新興国・国内株式均等型 (3地域均等型) | |||
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.1133% (0.187%) | 2018/4/3 | 69 |
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式) | 0.3564% (0.493%) | 2017/11/17 | 0.6 |
先進国・新興国・国内株式 GDP比率 | |||
<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット) | 0.1144% (0.273%) | 2020/6/29 | 13 |
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
MSCI All country World Index(ACWI) 除く日本
信託報酬最安値、そして純資産総額トップはeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)[以下eMAXIS Slim]。
運用期間が長い三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド[以下、三井住友・DC]を2021.4.9に抜き去りました
尚、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は2021.11.1に純資産総額1,000億円、2023.1.24には2,000億円を突破、純資産総額によりさらに信託報酬が低くなる受益者還元型信託報酬が適用される2,500億円まで、あとわずかです。
(設定時は)信託報酬同率最安値でSmart-i Select全世界株式インデックス(除く日本)が2022.4.27に設定されました。
野村つみたて外国株投信[以下、野村つみたて]も(後述するように)安定した資金流入で順調に純資産を増やしています。
MSCI All country World Index(ACWI) *含む日本
2018.10.31に設定された日本を含むACWIとの連動を目指すeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、2022.4.5に受益者還元型信託報酬が適用される純資産総額5,000億円を突破、そして設定から4年半の2023.3末時点では9,602億円と、間もなく1兆円の大台を超えると予想されます。
今、全世界株式インデックスファンドの中で最も勢いのあるファンドです。
現時点では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、2019.7.22に設定されたたわらノーロード 全世界株式が同率で信託報酬最安値。僅差で2022.4.7設定のSmart-i Select全世界株式インデックスが続きます。
ただし、たわらノーロード、Smart-iとも純資産はあまり伸びていません。
尚、2023.4.26には驚異的な信託報酬でTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)が設定されます。ただ、信託報酬の定義が他のファンドと異なる可能性があり、実際の運用結果、そして実質コストに注目です。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
共に(事実上)FOFの運用形態をとる楽天・全世界株式インデックス・ファンド[以下、楽天・VT]、SBI・全世界株式インデックス・ファンド[以下、SBI雪だるま]、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド[以下、SBI・V]と3本ありますが、純資産総額では楽天・VTが圧倒的に大きくなっています。
設定から5年弱の2022.8には2,000億を超え、ここで比較した全世界株式インデックスファンドの中で、前述のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に次いで2番目に純資産総額が大きいファンドです。
楽天・VTの実質コストは5期目決算の結果が判明し、1期目0.502%(消費税8%)だったものが5期目では0.228%(消費税10%、VT経費率引下げ込)と順調に下がっています。
一方のSBI雪だるまは2019.9.26から信託報酬を引下げ、投資先ETF経費率含む信託報酬が0.1102%、実質コストは0.123%とコスト的には圧倒的に低くなっています。
また、楽天・VTと同様(*)、バンガード社ETF VT1本で全世界の株式に投資するSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドが2022年1月31日に設定されました。設定から1年強にもかかわらず純資産総額211億と販売会社が少ないにもかかわらず早くも人気を集めています。
(*)現在、楽天・VTはVTの他、一部をVTI/VXUSにも投資しています。
先進国・新興国・国内株式均等型(3地域均等型) & GDP比率型
先進国株式、新興国株式、国内株式に均等に1/3ずつ配分する3地域均等型、eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)[以下、eMAXIS Slim3地域]の登場で一躍注目を集めましたが、設定から5年経過するも純資産総額は69億。
それより前に設定されたニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)【愛称:ファンドパック3】[以下、ニッセイPKG3]は、さらに少ない0.6億しかありません。
また、各地域のGDP総額比率で資産配分を決める<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)、設定から3年弱が経過しましたが、純資産総額は未だ13億です。
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資金流出入額 【全世界株式インデックスファンド・人気ランキング】
2023年1~3月の概算の月次資金流出入額(*)3カ月合計、及び2022年累計(1~12月)を見てみます。
2023年1~3月の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2023年1~3月 | 2022年累計 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 1,300.0 | 1 | 4,144.0 |
2 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 236.8 | 2 | 844.3 |
3 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 224.2 | 3 | 829.2 |
4 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 114.6 | 5 | 358.2 |
5 | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド | 93.5 | 4 | 365.6 |
6 | 野村つみたて外国株投信 | 60.3 | 6 | 211.6 |
7 | SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 34.1 | 7 | 132.9 |
8 | eMAXIS 全世界株式インデックス | 16.3 | 8 | 52.3 |
9 | たわらノーロード全世界株式 | 10.2 | 10 | 25.4 |
10 | SSGA 全世界株式インデックス・ファンド | 8.3 | 9 | 39.3 |
11 | eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 4.2 | 11 | 15.9 |
12 | つみたて全世界株式 | 2.5 | 12 | 6.2 |
13 | Smart-i Select全世界株式インデックス | 1.6 | 14 | 3.4 |
14 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット) | 1.5 | 13 | 3.5 |
15 | Smart-i Select全世界株式インデックス(除く日本) | 0.2 | 15 | 2.6 |
16 | ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式) | 0.0 | 16 | 0.1 |
(*)SBI・V・全世界株式は当初申込期間中の資金流入を含まず。
2023年1~3月期のトップはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。2位以下に大きな差をつけ圧倒的な1位。2021年、そして2022年累計でも1位で、全世界株式の中では敵なし、独壇場と言ってもよいでしょう。
3位が楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・VT)。本ファンドも十分大きな資金流入なのですが、1位のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との差が広がってきているように思えます。
5位 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド、
2022年累計でも4位、5位が入れ替わるだけです。
そして、7位に、SBI証券1社だけの販売にもかかわらずSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドが入っています(2023.4時点ではauカブコム証券、千葉銀行でも取扱い)。
一方、人気がないのがeMAXIS Slimやニッセイの3地域均等型。
設定から3年半強が経過したたわらノーロード全世界株式も苦戦しています。
また、各地域のGDP総額比率で資産配分を決める<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)もあまり売れていません。
以下、月次資金流出入額を各ベンチマーク毎に詳細に見ていきます。
MSCI ACWI(除く日本) ~eMAXIS Slim 全世界(除く日本)、野村つみたて外国株投信など~
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の設定以降、eMAXIS Slim、野村つみたて、三井住友・DCの三つ巴の争いとなっています。
その中で確定拠出年金からと思われる安定した資金流入がある三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドが(図には記載されていませんが)2019年までは若干リード。(三井住友・DCは毎月12~15日の中の1日だけで、その月の殆どの資金を集めています。)
しかし、2020年以降、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が大きく資金流入を伸ばし、一躍トップに躍り出てきました。現在では完全にトップの座を維持、最近は50億(/月)を超える巨額の資金流入があります。
野村つみたて外国株投信は上記2本に流入額では負けるものの、積立専用としている金融機関が多い事もあり安定した資金流入が続いています。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス & MSCI ACWI ~楽天・VT、 SBI雪だるま、SBI・V、eMAXIS Slimオール・カントリー、たわら全世界~
FTSEグローバル・オールキャップ、MSCI ACWI、小型株を含むか否かで異なりますが、ともに時価総額比率で日本を含む全世界の株式に投資する5本を比較します。
*SBI・全世界株式インデックス・ファンドをSBI雪だるま、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドをSBI・Vと表記。
*eMAXIS Slimの資金流入額が圧倒的に多く、他のファンドの値が良く分からないので、eMAXIS Slimを除いたグラフも掲載します。
2019年最も売れた楽天・全世界株式(楽天・VT)、2020年以降も毎月20~100億程度の資金を集めています。
ただ、2019年末よりeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が伸びてきて、最近では楽天・VTを大きく上回り資金流入額で圧倒的なトップ、今、最も売れている全世界株式インデックスファンドです。
楽天・VTと同じFOFでより信託報酬の低いSBI・全世界株式(雪だるま)、2019.9.26からの信託報酬引下げで全世界株式インデックスファンドとして最安値となりましたが、なかなか大きな資金流入増大には至っていません。
そして、2022年2月から加わったSBI・V・全世界株式インデックス・ファンド、販売会社の少なさもあり未だSBI雪だるまにも負けていますが、今後、どれだけ人気を集めるかに注目です。
設定から3年半強が経過したたわらノーロード全世界株式、資金流入が伸びず苦戦を強いられています。同じベンチマークのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の牙城を崩すのは厳しそうです。
3地域均等型 ~eMAXIS Slim 3地域均等型 vs. ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)~ & ニッセイ世界株式GDP型バスケット
eMAXIS Slim3地域の圧勝。といっても1.5億前後の月が殆どで人気はありません。
ニッセイ・ファンドパック3は全くと言っていいほど売れていません。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)も設定直後をピークに0.5億(/月)以下に留まっています。
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リターンの比較。信託報酬が騰落率に反映されているか?ベンチマークとの乖離は?
2023年3月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値(MSCI ACWI グロス/ネット)もプロット。米国MSCI社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引いています。
*MSCI社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
全世界株式インデックスファンドの騰落率
それぞれベンチマークは異なりますが、これを無視し全てのファンドを一緒にプロットします。
2023年3月末時点の1年騰落率です。
直近1年で見ると、
3地域均等型 >> MSCI ACWI FTSE > グローバル・オールキャップ・インデックス = MSCI ACWI(除く日本)
の順に騰落率が高くなっています。
先進国、新興国の株価、大きく下落しましたが、日本株式だけがプラスだった事で3地域均等型の騰落率が高くなったのでしょう。
(注)あくまで評価した期間の騰落率であって、この短期間のデータを持ってファンドやベンチマークの優劣をつけるものではありません。
MSCI ACWI(除く日本) ~eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)など~
MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとするファンドだけでプロットしてみます。
参考までにeMAXIS Slim、たわらノーロード、SMT、eMAXIS、Funds-iの個々のインデックスファンドを先進国株式:新興国株式=88.5%:11.5%で組み合わせた場合の騰落率もプロットしてあります。
*先進国、新興国の1年騰落率に比率をかけて算出
2023年3月末日時点の1年騰落率です。
概ね4ファンドとも同一直線上にのっており、さらに個別ファンドの組合せとも概ね一致する事から、(コスト要因以外の)ベンチマークとの乖離がない安定した運用になっていると考えられます。
*4本と言っても、内2本は三菱UFJ国際投信の同じマザーファンドで運用するファンドですが。
そして、コスト最安値のeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が順当に騰落率でもトップです。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス ~楽天・VT vs. SBI雪だるま~
2023年3月末日時点の1年騰落率です。(参考までにMSCI ACWIとの連動を目指すファンドもプロット)
尚、米国ETF Vanguard VTのデータもプロットします。
*VTは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイトより引用)
バンガード社ETF VTを基準に考えると、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全世界株式(楽天・VT)がマイナス側に、SBI・全世界株式(雪だるま)がプラス側に、コスト以外の要因で乖離しています。(VTと言えどもベンチマークに対して乖離が生じる場合があります)
ただ、今回の評価期間においては、順当にコストが低いファンドの騰落率が高くなっています。
(日本を含む)MSCI ACWI ~eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)など~
(日本を含む)MSCI ACWIをベンチマークとするファンドの2023年3月末日時点の1年騰落率です。
参考までにeMAXIS Slim、たわらノーロード、SMT、eMAXISの個々のインデックスファンドを先進国株式:新興国株式:国内株式=83.5%:11%:5.5%で組み合わせた場合の騰落率もプロットしてあります。ただし、国内株式だけは全てMSCI JAPANの指数値を用いています。
*先進国、新興国、日本のそれぞれの1年騰落率に比率をかけて算出
4ファンドとも概ね(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離がない運用になっています(SSGAが若干プラス側に乖離、もしくは実質コストが低くなっている?)。
そして、騰落率トップは、順当にコスト最安値のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
尚、個別ファンドの組合せとも概ね一致しています。
3地域均等型 ~eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) vs. ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)~
先進国、新興国、国内株式に1/3ずつ均等に投資する3地域均等型の騰落率です。
参考までにeMAXIS Slim、たわらノーロード、SMT、eMAXISの個々のインデックスファンドを先進国株式、新興国株式、国内株式(TOPIX)で均等に組み合わせた場合の騰落率もプロットしてあります。
*先進国、新興国、日本の日次騰落率から毎日1/3になるような比率で合成した基準価額から算出。
2023年3月末日時点の1年騰落率です。
コストで優位に立つeMAXIS Slim 3地域均等型の騰落率が順当に高くなっています。
3地域均等型の場合、毎回、個別ファンドの組合せの結果と一致せず、その差も大きくなっていますが、これは、MSCI ACWI等に比べ、よりリバランスのタイミングの影響を受けやすいからと推測。
まとめ & おすすめの全世界株式インデックスファンド(投資信託)は?
MSCI All Coutry World Index(ACWI) 除く日本
信託報酬最安値で資金流入も順調です。運用も安定しており、信託報酬の低さに応じた高い騰落率になっています。
MSCI All Coutry World Index(ACWI) 含む日本
運用も安定し、毎月大きな資金流入があります。
全世界株式インデックスファンドの中で今最も人気があるファンドです。
FOFではなく日本から直接全世界の株式に投資する事で配当に対する税制上有利になるのも本ファンドの魅力です。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
保留
実績を重視するなら楽天・全世界株式インデックス・ファンド、
徹底的にコストを重視するならSBI・全世界株式インデックス・ファンド、
コストを重視しつつ、ベンチマークとの連動性も重視するならSBI・V・全世界株式インデックス・ファンド、
という選択になるかと。
3地域均等型
そもそも直接競合するファンドがニッセイ・インデックスパッケージだけですので、その信託報酬の低さから、これ以外の選択はないでしょう。
販売会社
ここであげた全世界株式インデックスファンドは主に下記ネット証券を中心に販売されています。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
公式サイト三井住友カード(NL)
公式サイト三井住友カード ゴールド(NL)
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.1%、au Payアプリ等の連携で最大0.20%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
ここで取り上げたファンドは全てつみたてNISA対象です。
尚、人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはマネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo
等です。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。
米国株式(S&P500/CRSP USトータル・マーケット)インデックスファンド
全世界株式インデックスファンド(本記事)
国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド