米国ETFを介して新興国の株式に投資するインデックスファンド、楽天・新興国株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)]について解説します。
[最終更新日:2022.3.10]実質的な信託報酬引下げを反映(2022.2.25より)。
[2021.9.14]全て最新情報に更新。
本記事は原則2021年8月末日時点、及び2021.7決算の情報に基づき記載しています。
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楽天・新興国株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)]の基本情報
楽天・バンガード・ファンドシリーズは、楽天投信投資顧問が米国大手投信会社の日本法人 (旧)バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社と協働し、バンガードETFに投資する低コストのインデックスファンドです。
今回解説するのは新興国の株式に投資する楽天・新興国株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)]。
先ず、楽天・新興国株式インデックス・ファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
設定日 | 2017年11月17日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド *マザーファンドがETFに投資するので事実上FOF。 |
ベンチマーク | FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス (配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2120% (投資先ETF経費率 0.08%含む) |
実質コスト | 0.293%(*1) |
純資産総額 | 19.9億円(2021.8.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 20.2億円(2021.7.15時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象外 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.050% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
(*1)実質コストは2021.7決算時点の値に2022.2の投資先ETF経費率引下げを反映。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資対象
ベンチマークはFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス[配当込み・ネット]で新興国の大・中・小型株に投資します。
ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数の事です。(その源泉徴収税率が日本に対して適切なものなのかは定かではありません)
但し、投資先ETFの分配金に対する米国課税は考慮されていません。
(注)配当込・ネットは楽天投信投資顧問に確認しましたが公表された情報ではない為、その真偽を保証するものではありません。
多くの新興国株式インデックスファンドがベンチマークとしているMSCI エマージング・マーケット・インデックスとは異なりますので注意して下さい。(違いについては後述)
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資先ETF
楽天・新興国株式インデックス・ファンドはファミリーファンドとなっていますが、下図のようにマザーファンドが米国Vanguard(バンガード)社のETFに投資する実質的なFOFです。
画像引用:楽天・新興国株式インデックス・ファンド交付目論見書
投資対象のETFはバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ【VWO】。
ETF | 投資対象 | ベンチマーク | 経費率 |
Vabguard FTSE Emerging Markets ETF【VWO】 | 新興国株式 | FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index | 0.08% |
ベンチマーク ~FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスとMSCI エマージング・マーケット・インデックスとの違い~
本ファンドがベンチマークとしているFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスを、FTSEエマージング・インデックス、及び多くの新興国株式インデックスファンドのベンチマークとなっているMSCI エマージング・マーケット・インデックスと比較しつつ解説します。
インデックス | FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index | FTSE Emerging Index | MSCI Emerging Markets Index |
ベンダー | FTSE | FTSE | MSCI |
投資国 | 24カ国 | 24カ国 | 27カ国 |
タイプ | 時価総額加重 | 時価総額加重 | 時価総額加重 |
投資対象 時価総額 | 大・中・小型 | 大・中型 | 大・中型 |
投資銘柄数 | 4,235 | 1,850 | 1,407 |
主な インデックス ファンド | 楽天・新興国株式 インデックス (楽天・バンガード・ファンド) | SBI・新興国株式 インデックス (雪だるま) | eMAXIS Slim 新興国株式 |
主な 米国ETF | Vabguard FTSE Emerging Markets ETF【VWO】 | Schwab Emerging Markets Equity ETF【SCHE】 | iShares MSCI Emerging Markets ETF【EEM】 |
データ引用元:各インデックスのFACTSHEET
全て時価総額加重型の指数ですが、楽天・新興国株式インデックスがベンチマークとしているFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスは大型・中型に加え小型株をも含みます。
その為、保有銘柄数が4,235と他のインデックスの2~3倍多くなっています。
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスは韓国を含みません。これはFTSEが韓国を先進国と分類している為で、ここがMSCI エマージング・マーケット・インデックスとの大きな違いです。
また、同じFTSEが提供し、大・中型株を対象とするFTSEエマージング・インデックスとは概ね同じ国別配分比率となっています。
*中国A株 : 人民元建てで中国国内投資家専用だったものが一部海外機関投資家にも開放
投資国、及び各国の配分比率は下記ページをご覧下さい。
投資銘柄
楽天・新興国株式インデックス・ファンドが投資するバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ【VWO】は約5,200の銘柄を保有しています。
組入上位10銘柄は下表。10位中4銘柄を中国企業が占めています。
画像引用:楽天・新興国株式インデックス・ファンド月次レポート(2021/8)
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
楽天・新興国株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.1320%、
これに投資先ETF経費率0.08%を加えた実質的な信託報酬は0.2120%。
FOFでは、ファンドの信託報酬、ETF経費率の両方がかかりますので若干高くなりますが、それでも多くの新興国株式インデックスファンドよりは十分低コストです。
実質コストは4期目決算で0.293%。(以上の値は2022.2の投資先ETF経費率引下げを反映)
信託報酬以外のコストが1期目 0.338%、2期目 0.198%、3期目0.126%、そして4期目0.081%と毎回下がってきてはいますが、未だ十分とは言えません。
*信託報酬以外のコストは1~3期目とも消費税10%に換算して記載。
(新興国株式では全般的に信託報酬以外のコストが高くなる傾向にありますが、楽天・新興国株式のような事実上のFOFでは、新興国特有のコストは投資先ETFの経費率に含まれますので、本来ならもっと信託報酬以外のコストが低く出来るものと推測します。)
同じ楽天・バンガード・ファンドの全世界株式、全米株式は3~4期目決算から十分許容できる範囲まで下がってきましたが、楽天・新興国株式インデックス・ファンドは(後述するように)あまり純資産が増えていない事もあり、このような結果になったのでしょう。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 類似ファンド(新興国株式インデックスファンド)との信託報酬・実質コスト比較
他社の(低コスト)新興国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、下表中、楽天・新興国株式インデックス・ファンド、SBI・新興国株式インデックス・ファンド、及びiFree新興国株式インデックス以外のファンドはMSCI エマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*[]内は各ファンドのベンチマーク
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | SBI・新興国株式インデックス・ファンド [FTSEエマージング] | 0.1760% | 0.189% |
2 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス [MSCI EM] | 0.1870% | 0.362% |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックス [MSCI EM] | 0.2079% | 0.553% |
4 | 楽天・新興国株式インデックス・ファンド [FTSEエマージング・オールキャップ] | 0.2120% | 0.293% |
5 | i-SMT 新興国株式インデックス [MSCI EM] | 0.3630% | 0.563% |
6 | (三菱UFJ)つみたて新興国株式 [MSCI EM] | 0.3740% | 0.548% |
6 | たわらノーロード新興国株式 [MSCI EM] | 0.3740% | 1.129% |
6 | 三井住友・DC新興国株式インデックス [MSCI EM] | 0.3740% | 0.609% |
6 | Smart-i新興国株式インデックス [MSCI EM] | 0.3740% | 0.660% |
6 | iFree 新興国株式インデックス [FTSE RAFIエマージング] | 0.3740% | 0.755% |
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは信託報酬で最安値のSBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドより約0.04~0.05%pt高くなっています。そして実質コストではSBI・新興国株式に対して0.10%ptの差がついています。
*eMAXIS Slim新興国株式など、直接新興国の株式に投資するファンドの実質コストがある程度高いのはやむを得ません。
FOFによる三重課税の問題
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは米国ETFを介して新興国各国の株式に投資しますが、投資先の株式から配当が出た場合、
- 現地国(新興国)で源泉徴収
- ETFが分配金を出すとき米国で10%の源泉徴収
- 楽天・新興国株式インデックス・ファンドが分配金を出さないとすると、売却時に譲渡益として国内課税。
このように現地国、米国、日本の3カ国で税金が徴収される事になります。
国内から直接投資する、例えばeMAXIS Slim新興国株式インデックスのような場合、2の米国課税が不要ですので、この分楽天・新興国株式インデックス・ファンドは不利となります。
現地国の源泉徴収税率が10%と仮定すると、FOFは現地国、米国で19%、eMAXIS Slimは現地国のみで10%、その差9%、仮に配当利回りが2%だとすると2%x9%=0.18% FOFが不利になるという事です。言い換えると信託報酬・実質コストがFOFでは0.18%上乗せされると考えても良いでしょう。
信託報酬で負けている楽天・新興国株式インデックス・ファンドに、さらに0.18%が上乗せされるとコスト的にはかなり厳しくなります。
尚、信託報酬最安値のSBI・新興国株式インデックス・ファンドも楽天・新興国株式インデックス・ファンドと同様、三重課税となります。
米国ETFの3重課税の詳細は下記記事をご覧ください。
信託報酬の変更履歴
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは設定後、2回信託報酬を引下げだ実績があります。ただし、これは投資先ETFの経費率引き下げによるものです。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/11/17 | 0.2696% | 新規設定 |
2019/2/26 | 0.2496% | 投資先ETF VWOの経費率引下げ |
2019/10/1 | 0.2520% | 消費税増税(8%-->10%) |
2020/2/27 | 0.2320% | 投資先ETF VWOの経費率引下げ |
2022/2/25 | 0.2120% | 投資先ETF VWOの経費率引下げ |
投資先ETFの経費率を除いた信託報酬で同じFOFのSBI・新興国株式インデックス・ファンドに大きく負けているだけに、信託報酬そのものの引下げを期待したいところです。
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楽天・新興国株式インデックス・ファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から楽天・新興国株式インデックス・ファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
設定当初は0.5~1億(/月)程度の資金流入があったのですが、2020年以降は資金流出の月があるなどあまり売れていません。eMAXIS Slim新興国株式インデックスは毎月10~20億前後ですので全く勝負になりませんし、同じFOFのSBI・新興国株式インデックス・ファンドにも負けています。
純資産も設定から4年弱で20億(2021.8末時点)、最近はその伸びが鈍化しています。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドの運用状況は?
新興国株式インデックスのベンチマークによる違い
楽天・新興国株式インデックス・ファンドがベンチマークとしているFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス、多くの新興国株式インデックスファンドがベンチマークとしているMSCI エマージング・マーケット・インデックス等とのパフォーマンスの比較は下記ページをご覧下さい。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドのベンチマークとの乖離
インデックスファンドではベンチマークとの乖離がファンド評価の重要な要素です。
MSCI Emerging Markets index連動型インデックスファンドの場合、同じベンチマークの他のファンドと比較する事で、コスト起因、運用の問題などに切り分ける事が出来ますが、楽天・新興国株式インデックス・ファンドの場合、同じベンチマークのファンドがありません。
そこで、投資先である米国バンガード社ETF VWOのデータを用いてベンチマークとの乖離を調査します。
下図は第4期決算期間(2020年7月15日~2021年7月15日)におけるVWO、及び楽天・新興国株式インデックス・ファンドの騰落率を実質コストに対してプロットしたものです。
米国ETF Vanguard VWOの騰落率は、分配金に10%課税後再投資したネット(VWOネットと表記)、非課税で再投資したグロス(VWOグロスと表記)の二つをプロットします。
*VWOの騰落率は終値の円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイト、為替レートは三菱UFJ銀行公表のTTMより引用)
楽天・新興国株式インデックス・ファンドはVWOの分配金に10%米国で源泉徴収された後に再投資しますので、VWOネットと比較する事になります、
尚、運用報告書記載のベンチマーク騰落率(配当課税を考慮したネット)も図示しますが、これは配当金に対して新興国各国の源泉徴収税後の値です。ただ、VWOの分配金に対する米国課税(前述の三重課税)は考慮されていません。
先ず、VWOグロスは(コスト除外後の値で)ベンチマーク(ネット)に対して-0.26%(1)と大きく乖離しています。
そして、VWOの分配金に対する米国課税10%分が騰落率にすると-0.29%(2)になります。
次に、VWOネットから決まる直線(*)から楽天・バンガードのコスト要因による騰落率低下は-0.41%(3)と計算できます。
実際の楽天・バンガードの騰落率は、この直線から若干マイナス側にプロットされています。これが、楽天・バンガードのコスト要因以外での乖離となりますが、その値は-0.07%(4)と小さく、問題とするレベルではないでしょう。これは、楽天・新興国株式インデックス・ファンドはVWOに対してコスト要因以外での乖離が殆ど無い事を意味します。
(*)単に2点を結んだ直線ではなく、騰落率=(1 + r) x s + rで決まる直線です。
r : コスト0の時の騰落率、s : ファンドの実質コスト
本評価方法の詳細は下記記事をご覧下さい。
以上をまとめると下表のようになります。
この期間の楽天・新興国株式インデックス・ファンドのベンチマークとの乖離は-1.03%と大きいものですが、VWOそのものの乖離、VWOの分配金に対する米国課税分、そして楽天・新興国株式インデックス・ファンドのコストが主な要因であり、(コスト要因を除いた)楽天・新興国株式インデックス・ファンドの運用には問題ないといって良いでしょう。
まとめ
以上、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスをベンチマークとし新興国株式に投資する楽天・新興国株式インデックス・ファンドの解説でした。
最安値のSBI・新興国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドには若干負けるものの、新興国株式インデックスファンドとしては十分信託報酬が低いファンドです。
ただ、4期目決算で徐々に実質コストは下がってきていますが、未だ(事実上の)FOFとしては若干高めのように思えます。
さらに資金流出の月もあるなどあまり売れていません。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは小型株をも含む新興国株式に国内インデックスファンドで投資できる唯一無二の存在です。
もっとコストが下がれば、資金流入も増え、それがさらなる実質コストの削減につながり、より魅力的なファンドになるのですが。。。
販売会社
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
三井住友カードで投信積立が出来ます。還元率0.5%(ゴールド、プラチナカードはさらに還元率アップ)。
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料。
公式サイト SBI証券、三井住友カード(NL)
楽天証券
楽天ポイントで投資信託を購入出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があります。
公式サイト楽天証券、楽天カード
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
公式サイト松井証券
尚、本ファンドはつみたてNISA対象外です。
また個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っている金融機関も未だありません。
ライバルとなるファンド
楽天・新興国株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド) *本記事
他の新興国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。