日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、野村スリーゼロ先進国株式投信について解説します。
[最終更新日:2024.11.12]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.10末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
野村スリーゼロ先進国株式投信の基本情報
野村スリーゼロ先進国株式投信は野村アセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。2030年までと期間限定ながら信託報酬が0%、販売会社、運用会社(委託会社)、信託銀行(受託会社) 3社の取り分を全て0としたことからスリーゼロと命名。
野村證券NISA専用商品です。
本記事で解説するのは、先進国の株式に投資する野村スリーゼロ先進国株式投信。
野村證券のNISA(オンラインサービス)のみでの販売です。
他の証券会社で投資・購入する事は出来ません。
先ず、野村スリーゼロ先進国株式投信の基本情報をまとめます。
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
設定日 | 2020年3月16日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当込・グロス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.00% (2030年まで) |
実質コスト | 0.017%(*) |
純資産総額 | 294億円(2024.10.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 22,901億円(2024.4.1時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | --- |
楽天証券ポイント還元年率 | --- |
(*)実質コストは2023.12.20決算時点。
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投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)(配当込・グロス)で、日本を除く先進国の株式に投資します。
グロスとは配当金に対する源泉徴収税を考慮しない指数です。
実際の運用では、ファンドが所有する株式から配当が出て、それに各投資国で源泉徴収された後の配当金がファンドの資産となりますので、通常はベンチマーク(配当込・グロス)よりファンドの騰落率が、配当の源泉徴収税(+コスト)分だけ低くなります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
マザーファンド
野村スリーゼロ先進国株式投信はファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:野村スリーゼロ先進国株式投信 交付目論見書
外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンドは22,901億円(2024.4時点)と巨額の資産を持ち、野村インデックスファンド・外国株式[愛称:Funds-i]、野村つみたて外国株投信などと同じマザーファンドです。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:野村スリーゼロ先進国株式投信 マンスリーレポート(2024/10)
先進国といっても米国1国だけで約75%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:野村スリーゼロ先進国株式投信 マンスリーレポート(2024/10)
上位10銘柄全てを米国が占めており、エヌビディア、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Googleの持ち株会社)など日本でも良く知られた企業が上位になっています。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
野村スリーゼロ先進国株式投信の信託報酬は、2030年12月31日までの期間限定ながら0%。無料です。
*但し、投資信託では後述するように信託報酬以外のコスト(売買費用、保管・監査費用など)が発生しますので完全に無料という訳ではありません。
2031年1月1日以降の信託報酬は0.11%(税込)以内となります。
*同種ファンドにおける業界最低水準を目指して決定。
信託報酬に信託報酬以外のコストを加えた実質コストは4期目決算で0.017%。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、PayPay投資信託インデックス先進国株式、SBI・先進国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はベンチマークが異なり、日本を含む先進国株式に投資し、PayPay、SBIがFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はMSCI WORLDをベンチマークとするファンドです。
他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとし、日本を除く先進国株式に投資するファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.017% |
1 | ステート・ストリート・グローバル株式インデックス・オープン | 0.0748% | --- |
2 | 楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.088% | 0.230% |
3 | PayPay投資信託インデックス先進国株式 [FTSE] | 0.0872% | 1.443% |
4 | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.0982% | 0.113% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% | 0.137% |
5 | たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% | 0.133% |
5 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.09889% | 0.126% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国> [MSCI WORLD] | 0.09889% | --- |
9 | My SMTグローバル株式インデックス | 0.1023% | 0.143% |
9 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% | 0.154% |
11 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.240% |
12 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.261% |
12 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.275% |
*上表では野村スリーゼロ先進国株式投信は販売会社・NISA限定という事で、参考値扱いとしています。
勿論、野村スリーゼロ先進国株式投信の信託報酬は最安値。
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドで、一般に販売されているeMAXIS Slim先進国株式 、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス等とは0.10%ポイントの差があります。
信託報酬の変更履歴
野村スリーゼロ先進国株式投信は信託報酬が0%ですので変更実績はありません。
注目は2031年からの信託報酬がどうなるか?
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2020/3/16 | 0% | 新規設定。 |
2031/1/1 | 0.11% (???) | 同種ファンドで最低水準を目指す |
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野村スリーゼロ先進国株式投信の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から野村スリーゼロ先進国株式投信の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
そう大きな額ではありませんが資金流入額は着実に増えてきており、新NISAが始まった2024年はさらに増え、直近では10億/月を超える安定した資金流入が続いています。
純資産総額も設定から4年半強で概ね300億円になりました。
ただ、野村證券のみで、かつNISA(野村證券オンラインサービスのみ)限定ですので、今後も他の一般販売ファンドのように急激に資金流入が伸びていく事はないと推測します。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
*図中、グレーの点線はあくまで管理人の主観で描いたものです。
下図は、2024年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
さすがに信託報酬0で、かつ巨額のマザーファンドで運用しているだけあって、野村スリーゼロ先進国株式投信は騰落率でトップ、そのコストの低さが騰落率にも反映されている結果です。ベンチマークからの乖離もありません。
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まとめ
野村スリーゼロ先進国株式投信は期間限定ながら信託報酬0%というのが大きな特徴の先進国株式インデックスファンドです。
運用にも問題なく、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
難点は、野村證券のNISA(オンラインサービス)でしか購入できない事。
先進国株式を中心に投資する方、あるいはNISAでは先進国株式、その他の証券会社・口座で他のアセットクラスを投資する方にとっては、十分魅力的な商品です。
マネックス証券(マネックスカード/dカード)、SBI証券(三井住友カード)でeMAXIS Slimや<購入・換金手数料なし>ニッセイ
マネックス証券でマネックスカードやdカード(クレジットカード)を用いて投資信託を購入すれば1.1%がポイント還元されます(月5万円まで。5~10万円部分は還元率が下がります。dカードGOLDかつNISAなら還元率アップ)。またSBI証券でも三井住友カードで最大0.5%(ノーマルカード)/1.0%(ゴールドカード)/(プラチナカードならさらに付与率アップ)のポイント付与があります(カード利用実績に応じて付与率が変わります)。
信託報酬では野村スリーゼロ先進国株式投信に大きく負けているとはいえ、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスや<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスの信託報酬は0.1%程度、クレジットカード決済で1.0%付与とすれば単純には10年分の信託報酬が0%になるのと等価です。
さらに、SBI証券、マネックス証券では投資信託保有でポイントが貯まるサービスもあります。
*勿論、証券会社のサービスですので、将来改悪・廃止される可能性も否定できません。
両者を比較して、どちらにするかを検討されては如何でしょう?
SBI証券
多彩な投信積立方法、投信マイレージポイントによるポイント還元、
VポイントやPontaポイントでも投資信託が購入出来ます。
国内・米国ETF取引もコスト最低水準。
三井住友カード(一部カードを除く)で投信積立が出来ます。ポイント付与率最大0.5%(ゴールド・プラチナカードならさらに付与率アップ)。
*2024.11買付分からはカード利用実績に応じた付与率に変更。
マネックス証券
dカードやマネックスカード(クレジットカード)で投資信託積立が出来ます。
投信積立でのポイント還元率は1.1%と主要ネット証券で最高水準(月5万円まで。5万円以上は還元率が下がります)。
*dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%
*通常ショッピング時の還元率は1.0%
また、投資信託保有でポイントも貯まります。(一部ファンドを除く)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
野村スリーゼロ先進国株式投信 (本記事)
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。