純資産総額 5,000億円突破(2023.6.30)
日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスについて解説します。
[最終更新日:2023.9.2]純資産総額、「最新の騰落率」を2023.8末時点の情報に更新。
[2023.6.27]実質コストを最新の値に更新。
[2023.4.29]SBI証券投信マイレージ ポイント還元率2023.6改定後の値に更新。
[2023.4.5]信託報酬、実質コストを2023.5.11の引下げ後の値に更新。
[2022.11.14]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2022.10末日時点の情報に基づき記載しています。
但し、信託報酬、実質コストは2023.5.11以降の値。
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eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの基本情報
eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、常に最低水準の座を維持しています。
今回解説するのは、先進国の株式に投資するeMAXIS Slim 先進国株式インデックス。
先ず、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 2017年2月27日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.09889% 以下(*1) |
実質コスト | 0.139%(*2) |
純資産総額 | 5,372億円(2023.8.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 14,665億円(2022.5.12時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.03495%(*4) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*3) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
(*1)信託報酬は2023.5.11以降の値。
(*2)実質コストは2023.4.25決算の値より、2023.5.11の信託報酬引下げ分を引いた値。
(*3)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
(*4)2023.6改定後の値
投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)[配当込み・ネット]で、日本を除く先進国の株式に投資します。
*2019.7.1よりベンチマークが除く配当から、配当込み、配当課税を考慮するネットに変更となりました。
(注)ネットでも日本に対して適切な税率が考慮されているという保証はありません。
参考記事三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slimなどのベンチマークを配当込指数に変更。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:eMAXIS Slim先進国株式 月次レポート(2022/10)
先進国といっても、最近米国比率が徐々に高くなり、今では米国だけで70%を超えています。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:eMAXIS Slim先進国株式月次レポート(2022/10)
組入銘柄数は1,273。このファンド1本で日本を除く先進国の1,273社の株式を所有しているという事です。
上位10銘柄全てを米国企業が占めており、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Googleの持ち株会社)、さらに何かと話題のテスラなど日本でも良く知られた企業が上位になっています。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
先進国株式インデックスファンドとしては最低水準の0.09889%(税込、2023.5.11以降)。
また、後述するように純資産総額が5,000億円、10,000億円を超えると、その超えた部分についてさらに低い信託報酬が適用されます。
実質コストは0.139%(税込、2023.4決算時点の値から2023.5.11の信託報酬引下げ分を引いた値)。
2020年決算時は0.175%でしたが、2021年以降の決算で大きく下がりました。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
受益者還元型信託報酬
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。
多くの方が購入・投資し、純資産総額が大きくなれば、さらに信託報酬が低くなるという事です。
*以前は500億円、1,000億円で信託報酬が下がっていましたが、2023.5.11の信託報酬引下げに伴い、受益者還元型信託報酬も変更になりました。
(注意)あくまで純資産総額5,000億円(または10,000億円)以上の部分にのみ低い信託報酬が適用され、5,000億円未満の信託報酬率は変わりません。
純資産総額 | 信託報酬(税込) |
5,000億円未満の部分 | 0.09889% |
5,000億円以上10,000億円未満の部分 | 0.09823% |
10,000億円以上の部分 | 0.09757% |
純資産総額に対する信託報酬を下図に示します。
2023.3末日時点の純資産総額は4,169億円で、受益者還元型信託報酬が適用される5,000億円にそう遠くない将来達すると思われます。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、SBI・先進国株式インデックス・ファンドだけはベンチマークが異なりFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・つみたてNISA限定商品ですので参考ファンド扱いとしています。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.013% |
-- | PayPay投資信託インデックス先進国株式 [FTSE] | 0.0906% | --- |
1 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% | 0.139% |
1 | たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% | 0.150% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.09889% | 0.134% |
-- | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.1017% | 0.124% |
4 | My SMTグローバル株式インデックス | 0.1023% | 0.142% |
4 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% | 0.157% |
6 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.241% |
7 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.259% |
7 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.286% |
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドではeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの信託報酬は、たわらノーロード先進国株式とならび1位。将来、純資産が増え、前述の受益者還元型信託報酬が適用されると単独1位になります。
この2本に僅差で続くのが<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス、My SMTグローバル株式インデックス(旧名称: i-SMT)等。
実質コストでは若干ニッセイが低くなっていますが、問題となるような差ではありません。(実質コストは毎年変動します。)
信託報酬の変更履歴
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、業界最低水準の運用コストを目指し続けるというコンセプト通り、既に設定から複数回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/2/27 | 0.2160% | 新規設定 |
2017/10/2 | 0.2052% | iFree外国株式の引下げに対抗 |
2017/11/10 | 0.20412% | ニッセイ外国株式の引下げに対抗 |
2018/1/30 | 0.11826% | EXE-iつみたて先進国株式に対抗 |
2018/7/25 | 0.11772% | ニッセイ外国株式の引下げに対抗 |
2019/6/25 | 0.107892% | ニッセイ外国株式の引下げに対抗 |
2019/10/1 | 0.10989% | 消費税増税(8%-->10%) |
2019/12/27 | 0.10615% | SBI先進国株式に対抗 |
2020/3/17 | 0.10230% | ニッセイ外国株式の引下げに対抗 |
2023/5/11 | 0.09889% | たわらノーロード先進国株式に対抗 |
2018/1/30に行った大幅な信託報酬引下げ、及び2019/12/27の引下げは、ベンチマークが異なるSBI・先進国株式インデックス・ファンド(旧名称 :EXE-i つみたて)に対抗したものです。先進国株式という大きな括りの中であれば、ベンチマークが異なっていても「他社類似ファンド」とみなし、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、それにも対抗し信託報酬最低水準を目指してきたという事です。
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eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
大幅な信託報酬引下げを行った2018年1月以降、急激に資金流入が増え、2021年後半以降は毎月60~90億円と巨額の流入が安定して続いています。
純資産総額も設定から2年4カ月余りの2019年7月8日に500億円突破、そして2020年6月2日には1,000億円を超えるなど順調に伸びています。現時点(2022.10末)の純資産総額は3,886億円、まもなく4,000億円も突破することでしょう。
今、最も売れている先進国株式インデックスファンドです。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスと<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスとの比較
ライバルの<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスと資金流出入額を比較します。
当初、ニッセイの方が多く売れていたのですが、eMAXIS Slimの2018年1月からの大幅な信託報酬引下げで両者互角となり、2020年以降はeMAXIS Slimの方が優勢となっています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は、2022年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・つみたてNISA限定商品ですので参考ファンド扱いとして比較の対象から外します。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは最もコストが低く、そして、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離も殆どありません。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの分配金
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
最新の騰落率[利回り](<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式などと比較) ~2023年8月末日時点~
最新の騰落率をライバルファンドとともにまとめます。(本章は原則毎月更新します)
*3年、5年騰落率は年率表記。
[表をクリックすると拡大します]
直近の騰落率では<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、たわらノーロード先進国株式と短期では同等、長期では若干上回っています。
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まとめ
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、他社を圧倒的に凌駕する低い信託報酬、さらに他社類似ファンドが引下げを行っても、(今までの実績では)即座にそれに対抗した引下げを行うなど、将来にわたってコスト面では優位にたつであろうファンドです。
そして、資金流入も大きく純資産総額は順調に増えています。また、巨額の純資産を持つマザーファンドで安定した運用も行われています。
先進国株式インデックスファンド、特にMSCI KOKUSAIをベンチマークとするインデックスファンドの中では最もお勧めできるファンドです。
また、ベンチマークも配当込みに変更になり(2019.7.1より)、「除く配当」をお好みでなかった方も安心して購入出来るようになりました。
尚、三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS 先進国株式インデックス(Slimがつかない)、つみたて先進国株式(つみたてんとうシリーズ)は、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスと同じマザーファンドで運用する姉妹ファンドですので、この中では、コストが圧倒的に低いeMAXIS Slimを強くお勧めします。
販売会社
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
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さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
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勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは、マネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo、それにSBI証券 iDeCo(セレクトプラン)
などです。
ライバルとなるファンド
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (本記事)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。
eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの評価・解説は下記記事をご覧ください。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス *本記事