日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、i-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)について解説します。
[最終更新日:2020.12.16]全て最新情報に更新。
本記事は原則2020.11末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
i-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)の基本情報
i-SMTシリーズは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズです。多くのラインアップ、巨額の純資産総額、長い運用実績を誇るSMTシリーズと同じマザーファンドで運用し、さらなる低コスト化を図ったインデックスファンド・シリーズとして2017年11月に新規設定されました。現在、グローバル株式、新興国株式、TOPIX、日経225の4本がラインアップされています。
今回解説するのは、先進国の株式に投資するi-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)。
先ず、i-SMT グローバル株式インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
設定日 | 2017年11月24日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当除く) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2090% |
実質コスト | 0.251%(*) |
純資産総額 | 2.5億円(2020.11.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 3,997億円(2020.5.29時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
(*)実質コストは2020.10.22決算より
投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)[配当除く]で、日本を除く先進国の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:i-SMTグローバル株式 マンスリーレポート(2020/11)
先進国といっても米国が約72%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は1,286、上位10銘柄は下表のようになります。
画像引用:i-SMTグローバル株式 マンスリーレポート(2020/11)
10位までは全て米国企業、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベット(Googleの持ち株会社)など日本でも良く知られた企業が上位になっています。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
i-SMT グローバル株式インデックスの現時点の信託報酬は0.2090%(税込)。
実質コストは0.251%(税込)。(但し、実質コストは固定されたものではなく毎年変動します)
*2020.10に3期目決算を迎えましたが2期目実質コスト 0.257%から0.251%に若干下がりました。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、SBI・先進国株式インデックス・ファンドだけはベンチマークが異なりFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・つみたてNISA限定商品ですので参考ファンド扱いとしています。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.039% |
-- | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.1022% | 0.135% |
1 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.1023% | 0.175% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.1023% | 0.154% |
3 | たわらノーロード先進国株式 | 0.10989% | 0.153% |
4 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.246% |
4 | i-SMTグローバル株式インデックス | 0.2090% | 0.251% |
6 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.290% |
6 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.336% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドではi-SMT グローバル株式インデックスの信託報酬はiFree外国株式インデックスと並び4位、最安値のeMAXIS Slim先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスに比べ0.107%高くなっています。
一方、実質コストでは信託報酬で同率のiFree外国株式インデックスより若干低く(ほぼ誤差の範囲の差)4位。
信託報酬の変更履歴
i-SMT グローバル株式インデックスは未だ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/11/24 | 0.2052% | 新規設定。 設定時は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式やeMAXIS Slim先進国株式(0.20412%)に僅差で負けるものの概ね同等の信託報酬。 |
2019/10/1 | 0.2090% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ??? |
eMAXIS Slim等に大きく差をつけられていますが、今後、これらに対抗すべく信託報酬引下げを行うか否かに注目です。
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i-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からi-SMT グローバル株式インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
設定当初よりあまり売れていません。毎月、数百万円程度の月次資金流入額にとどまっています。
毎月数十億以上の資金流入があるeMAXIS Slim 先進国株式インデックスや<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスの足もとにも及びません。
また、純資産総額も設定から3年経つにも関わらず僅か2.5億円(2020.11.30時点)。
ただ、マザーファンドは4,000億円近い巨額な純資産を持っており、これはeMAXIS Slimのマザーファンドにも匹敵する額です。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2020年11月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
i-SMT グローバル株式インデックスは、ベンチマークとの乖離が殆どない安定した運用になっています。ファンド純資産総額は小さいですが、巨額なマザーファンドのおかげと言っても良いでしょう。(皮肉な事ですが、資金流入が小さいというのも安定した運用につながっているかな???)
まとめ
最安値とは若干の差があるものの比較的低い信託報酬、さらに信託報酬以外のコストも低く、運用も安定しているi-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)。
しかし殆ど売れていません。
(以下、個人的な見解ですが)
i-SMTの立ち位置が中途半端な気がします。SMTシリーズとブランドをわざわざ分けて設定したi-SMTですから、そこそこ低い信託報酬ではなく、インターネット限定ファンドとして徹底的にコストに拘り、eMAXIS Slimにも対抗出来るようなインデックスファンドになる事を期待します。
幸い、i-SMT グローバル株式インデックスの販売会社は現時点でネット証券(またはネット販売)7社のみに限られています。販売会社の多いファンドに比べ信託報酬引下げのハードルは低い筈です。
大胆な信託報酬引下げのニュースを期待して待っています!
販売会社
i-SMT グローバル株式インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一超低コストファンドを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
i-SMTグローバル株式インデックス (本記事)
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。