重要i-SMTグローバル株式インデックスは2022年7月21日、信託報酬を引下げるとともに、My SMTグローバル株式インデックスに名称変更しました。
日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、My SMT(i-SMT) グローバル株式インデックス(ノーロード)について解説します。
[最終更新日:2023.11.15]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023.10末日時点の情報に基づき記載しています。
見出し
My SMT グローバル株式インデックス(ノーロード) ~旧名称: i-SMT~の基本情報
My SMTシリーズは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズです。多くのラインアップ、巨額の純資産総額、長い運用実績を誇るSMTシリーズと(基本的には)同じマザーファンドで運用し、さらなる低コスト化を図ったインデックスファンド・シリーズとして2017年11月にi-SMTシリーズとして新規設定されました。さらに、2022年3月29日には新たにMy SMTシリーズとして7本が追加、先に設定されたi-SMTシリーズもMy SMTシリーズに名称変更し、現在11本がラインアップされています。
本記事で解説するのは、先進国の株式に投資するMy SMT(i-SMT) グローバル株式インデックス(ノーロード)。
先ず、My SMT グローバル株式インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
設定日 | 2017年11月24日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当込・グロス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1023% |
実質コスト | 0.142%(*1) |
純資産総額 | 60.1億円(2023.10.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 5,234億円(2022.5.30時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.04% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.04% |
(*1)実質コストは、2022.10.20決算より。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)[配当込・グロス]で、日本を除く先進国の株式に投資します。
*2023半ばごろ ベンチマーク 除く配当から配当込みに変更になりました。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:My SMTグローバル株式 マンスリーレポート(2023/10)
先進国といっても米国一国だけで約75%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は1,277、上位10銘柄は下表のようになります。
画像引用:My SMTグローバル株式 マンスリーレポート(2023/10)
10位までは全て米国企業、アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アルファベット(Googleの持ち株会社)など、日本でも良く知られた企業が上位になっています。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
My-SMT グローバル株式インデックスの信託報酬は0.1023%(税込)。
2022.7.21に0.2090%から引き下げられました。
実質コストは0.142%(税込)。(2022.10決算より)
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、PayPay投資信託インデックス先進国株式、SBI・先進国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はベンチマークが異なり、日本を含む先進国株式に投資し、PayPay、SBIがFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はMSCI WORLDをベンチマークとするファンドです。
他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとし、日本を除く先進国株式に投資するファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・つみたてNISA限定商品ですので参考ファンド扱いとしています。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.017% |
1 | ステート・ストリート・グローバル株式インデックス・オープン | 0.0748% | --- |
2 | 楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.088% | 0.230% |
3 | PayPay投資信託インデックス先進国株式 [FTSE] | 0.0872% | 1.443% |
4 | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.0982% | 0.113% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% | 0.137% |
5 | たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% | 0.133% |
5 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.09889% | 0.126% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国> [MSCI WORLD] | 0.09889% | --- |
9 | My SMTグローバル株式インデックス | 0.1023% | 0.143% |
9 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% | 0.154% |
11 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.240% |
12 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.261% |
12 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.275% |
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドではMy SMT グローバル株式インデックスの信託報酬は、eMAXIS Slim先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式に次ぐ4位。
実質コストは上記3ファンドと概ね同等。
信託報酬の変更履歴
My SMT グローバル株式インデックスは2022年7月に初めて信託報酬の引下げを行いました。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/11/24 | 0.2052% | 新規設定。 設定時は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式やeMAXIS Slim先進国株式(0.20412%)に僅差で負けるものの概ね同等の信託報酬。 |
2019/10/1 | 0.2090% | 消費税増税(8%-->10%) |
2022/7/21 | 0.1023% | eMAXIS Slimなどと並び最安値。 同時にMy SMTに名称変更。 |
一時はeMAXIS Slim等に大きく差をつけられていましたが、2022/7の引下げで最安値に並びました。
ただ、その後、eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードがさらなる引下げを実施した事から、僅かながら差がついています。
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My SMT グローバル株式インデックス(ノーロード) ~旧名称: i-SMT~ の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からMy SMT グローバル株式インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
設定以降、殆ど売れていない状況が続いていましたが、信託報酬引下げ後の2022年8月から急激に月次資金流入額が増加し、直近では3~5億(/月)程度あります。
勿論、それでも毎月数十億レベルの資金流入があるeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスの足もとにも及びませんが。
また、純資産総額も設定から6年弱経つにも関わらず僅か60億円(2023.10末時点)。
ただ、マザーファンドは5,000億円を超える巨額な純資産を持っています。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2023年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・つみたてNISA限定商品ですので参考ファンド扱いとして比較の対象から外します。
My SMT グローバル株式インデックスは、ベンチマークとの乖離が殆どない安定した運用になっています。ファンド純資産総額は小さいですが、巨額なマザーファンドのおかげと言っても良いでしょう。
そして、eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードと概ね同等の騰落率を示しています。
(注)eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードの信託報酬引下げは2023.4~6に行われており、引下げ後の期間は上記評価期間の半分以下になります。よって、今後は僅かですが差が広がっていく可能性があります。
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まとめ
設定以降、比較的低い信託報酬にもかかわらず殆ど売れていなかったMy SMT グローバル株式インデックス(旧名称 : i-SMTグローバル株式インデックス)。
しかし、2022年7月21日の信託報酬引下げで(一時的にですが)最安値に並んだことで資金流入は増加傾向にあります。
運用は安定しており(ベンチマークとの乖離がない)、信託報酬以外のコストも低いだけに、今後、さらに資金流入が増え、純資産も大きなれば先進国株式ファンドとして有力な選択肢の一つとなる事でしょう。
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勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
My-SMTグローバル株式インデックス (本記事)
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。