*地図上青色の国がMSCI KOKUSAIの投資国です。
MSCI Kokusai(コクサイ)との連動を目指す先進国株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
尚、ベンチマークは異なりますがSBI・先進国株式インデックスファンド(旧名称: EXE-iつみたて先進国株式ファンド)も比較の対象とします(運用成績以外)。
*原則1~3カ月毎に更新します。
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[最終更新日:2021.1.8]2020年12月末日時点の情報に更新。
MSCI Kokusaiって何? 先進国ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。(上記地図上の青色の国が投資対象国です)
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
*本記事は2020年12月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じMSCI Kokusaiといっても、各社のベンチマーク騰落率は異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークとの乖離を評価していきます。
見出し
比較した先進国株式インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2020年12月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*DC専用ファンドは参考値扱い。(表中グレーの行のファンド)
*全て為替ヘッジ無。
*信託報酬は税込み。実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して8%から10%に換算した概算値です。
*信託報酬が2030年まで0%の野村スリーゼロ先進国株式投信、野村證券「つみたてNISA」専用ファンドの為、ここでは参考ファンドとします。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額 (億円) |
野村スリーゼロ先進国株式投信 *野村證券「つみたてNISA」でのみ販売 | 0% (決算前) | 2020/3/16 | 3.6 |
SBI・先進国株式インデックス(雪だるま) | 0.10220% (0.202%) | 2018/1/12 | 35.9 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.10230% (0.175%) | 2017/2/27 | 1498.4 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.10230% (0.164%) | 2013/12/10 | 2221.7 |
たわらノーロード先進国株式 | 0.10989% (0.153%) | 2015/12/18 | 821.3 |
DCニッセイ外国株式インデックス | 0.1540% (0.220%) | 2015/3/31 | 462.4 |
三井住友・DC外国株式インデックスファンドS | 0.1760% (0.252%) | 2004/11/30 | 1208.1 |
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 0.2090% (0.255%) | 2016/9/8 | 68.7 |
i-SMT グローバル株式インデックス | 0.2090% (0.251%) | 2017/11/24 | 2.6 |
つみたて先進国株式 | 0.2200% (0.290%) | 2017/8/16 | 226.4 |
Smart-i 先進国株式インデックス | 0.220% (0.336%) | 2017/8/29 | 62.2 |
外国株式インデックスe | 0.5500% (0.582%) | 2010/4/6 | 167.9 |
SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.550% (0.591%) | 2008/1/9 | 845.3 |
野村インデックスファンド・外国株式[Funds-i] | 0.6050% (0.618%) | 2010/11/26 | 180.9 |
eMAXIS 先進国株式インデックス | 0.6600% (0.726%) | 2009/10/28 | 467.3 |
インデックスファンド海外株式(ヘッジ無) | 0.9240% (0.973%) | 2001/10/17 | 130.4 |
純資産総額1位は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、2,221億あります。
また常に最低水準の信託報酬を目指すeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、純資産総額でたわらノーロードを2018.2.1に、姉妹ファンドのeMAXISをも2019.3.4に抜き去りました。そして設定から僅か2年5カ月の2019.7.8に純資産総額500億円、2020.6.2には1,000億円を突破。500億円、1000億円を超えたということで、受益者還元型信託報酬により500億円、1000億円超の部分については税込み0.1006%、0.09889%とさらに低い信託報酬が適用されています。
一方、比較的低コストにもかかわらず苦戦しているのがi-SMT、漸く2億を超えたところです。
信託報酬最安値は(ベンチマークは異なりますが)SBI・先進国株式インデックス・ファンド、
MSCI Kokusai連動型ではeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式の2本が同率で最安値。
この2本に続くのがたわらノーロード先進国株式。
実質コストではたわらノーロード先進国株式が最安値です。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
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資金流出入額 [先進国株式インデックスファンド 人気ランキング]
2020年10~12月の概算の月次資金流出入額(*)3カ月合計、及び2020年累計(12月までの1年間)を見てみます。
2020年10~12月の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2020年10~12月 | 2020年累計 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 105.7 | 1 | 573.2 |
2 | たわらノーロード先進国株式 | 76.6 | 3 | 268.5 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 52.2 | 2 | 452.8 |
4 | つみたて先進国株式 | 26.1 | 4 | 114.2 |
5 | iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 10.4 | 8 | 28.4 |
6 | Smart-i 先進国株式インデックス | 8.8 | 5 | 32.9 |
7 | SBI・先進国株式インデックス(雪だるま) | 3.2 | 9 | 14.0 |
8 | i-SMT グローバル株式インデックス | 0.2 | 10 | 0.8 |
9 | インデックスファンド海外株式(ヘッジ無) | -2.0 | 11 | -0.2 |
10 | 外国株式インデックスe | -4.3 | 13 | -13.9 |
11 | 野村インデックスファンド・外国株式 | -4.9 | 7 | 28.7 |
12 | SMTグローバル株式インデックス・オープン | -5.4 | 6 | 30.3 |
13 | eMAXIS 先進国株式インデックス | -30.0 | 12 | -2.8 |
参考 | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 1.8 | 参考 | 3.3 |
参考 | DCニッセイ外国株式インデックス | 22.3 | 参考 | 105.6 |
参考 | 三井住友・DC外国株式インデックスファンドS | 13.8 | 参考 | 115.8 |
2020年10~12月期、及び2020年累計で最も売れたのがeMAXIS Slim先進国株式インデックス。2位以下に大きな差をつけています。
10~12月期は3位に沈んだ<購入・換金手数料なし>ニッセイですが(*)、2020年累計では2位をキープしています。
(*)2020年11月、1日だけで10億近い資金流出の日があり月次資金流出入額が1.1億と極端に少なかった為。
10~12月期は2位、2020年累計で3位になったのがたわらノーロード先進国株式、
この3本が先進国株式インデックスファンドの3強と言って良いでしょう。
(eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードの詳細な比較は次章参照)
4位にはeMAXIS Slimと同じ三菱UFJ国際投信のつみたて先進国株式が入っています。
比較的低コストにも関わらず苦戦しているのがSmart-i 先進国株式インデックス、i-SMT グローバル株式、iFree 外国株式、そして超低コストのSBI・先進国株式(旧名称: EXE-iつみたて)も伸びていません。
eMAXIS Slim先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式、たわらノーロード先進国株式の月次資金流出入額の比較
(MSCI Kokusaiをベンチマークとするインデックスファンドで)信託報酬の低さで他を寄せ付けないeMAXIS Slim先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロード先進国株式、この3本の月次資金流出入額の推移を見てみます。
2017年は<購入・換金手数料なし>ニッセイに全く歯が立たなかったeMAXIS Slimですが、2017年12月末に驚異的な信託報酬引下げを発表し、これを契機に2018年1月から急速に資金流入が増えています。
その後、両者、毎月激しい競争を繰り広げていましたが、2019年以降はeMAXIS Slimが圧倒的に優勢です。殆どの月で資金流入額1位となっています。
そして2019.10.1から信託報酬を大幅に引き下げ、上記2本と対等に勝負できるようになったたわらノーロード先進国株式、毎月比較的安定した資金流入があります。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
2020年12月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値(MSCI Kokusai グロス/ネット)もプロット。米国MSCI社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引いています。
*MSCI社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
3カ月騰落率
先ずは直近の運用結果を確認する為、2020年12月末日時点の3カ月騰落率を見てみます。
実質コスト/4に対して3カ月騰落率をプロットします。
短期では、実質コストと騰落率の相関が悪くなりますが、その中でも明かに乖離していると思われるのがSmart-i先進国株式インデックス。
その他のファンドは概ね実質コストに応じた騰落率となっており、3カ月の騰落率トップは(参考データながら)信託報酬ゼロの野村スリーゼロ。
参考ファンドの野村スリーゼロを除くと、信託報酬・実質コストが低いeMAXIS Slim先進国株式、たわらノーロード先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイの騰落率が順当に高くなっています。
*本評価の精度は±0.01%程度(基準価額1円の変動)です。
1年騰落率
次に2020年12月末日時点の1年騰落率です。
*参考ファンドの野村スリーゼロは未だ設定から1年経っておらずデータがありません。
コストと騰落率は綺麗な相関を示します。これは、各ファンド、ベンチマークに対してコスト要因以外での乖離がない安定した運用であった事を意味します。(ただ、日興DCがプラス側に乖離しているように見えます)
そして、3カ月と同様、コスト最低水準のeMAXIS Slim先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロード先進国株式が騰落率でも順当にトップになっています。(ニッセイは2020.6.1に日次騰落率で約0.1%ptプラス乖離を起こしており、この影響も受けて高い騰落率を示しています)
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まとめ & 先進国株式インデックスファンドのおすすめファンド(投資信託)
以上、先進国株式(MSCI Kokusai)インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。
信託報酬最安値で圧倒的に人気を集めている=資金流入額が大きいのが信託報酬最安値のeMAXIS Slim先進国株式インデックス。
最近、eMAXIS Slimとの差が広がってきているとはいえ、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドも依然大きな資金流入があります。
そして2019年10月から上記2本に信託報酬で概ね並び、実質コストでは最安値となったたわらノーロード先進国株式、資金流入が大幅に増えるようなことはありませんでしたが、安定した資金流入があります。
他を凌駕する信託報酬からいって先進国株式はこの3強の争いになるでしょう。
この3本なら大きな差はないと思いますが、将来も信託報酬で優位にたつであろう安心感、資金流入額の多さ、過去の運用の安定性から見て、
本サイトが現時点で選ぶおすすめファンドは、
ベンチマークも配当込に変わり、これを気にしていた方も安心して購入出来ます。
そして期待できるファンドとしては、
信託報酬ではeMAXIS Slimに若干差をつけられましたが、実質コストでは最安値だけに、今後の運用成績に期待できます。
勿論、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドも選んでも大差ないでしょう。
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
販売会社
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは主にネット証券で取り扱っています。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一eMAXIS Slimシリーズを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。またつみたてNISAでしか購入できない金融機関もあります)
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはマネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo、それにSBI証券 iDeCo(セレクトプラン)
のみとなります。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。
先進国株式インデックスファンド(本記事)
国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド