*地図上青色の国がMSCI KOKUSAIの投資国です。
MSCI Kokusai(コクサイ)との連動を目指す先進国株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
尚、ベンチマークは異なりますがSBI・先進国株式インデックスファンド(旧名称: EXE-iつみたて先進国株式ファンド)も比較の対象とします(運用成績以外)。
*原則3カ月毎に更新します。
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[最終更新日:2023.1.4]2022年12月末日時点の情報に更新。
MSCI Kokusaiって何? 先進国ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。(上記地図上の青色の国が投資対象国です)
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
*本記事は原則2022年12月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じMSCI Kokusaiといっても、各社のベンチマーク騰落率は異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークとの乖離を評価していきます。
見出し
比較した先進国株式インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2022年12月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*全て為替ヘッジ無。
*信託報酬・実質コストは税込み。
*信託報酬が2030年まで0%の野村スリーゼロ先進国株式投信、野村證券、LINE証券「つみたてNISA」専用ファンドの為、ここでは参考ファンドとします。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額 (億円) |
野村スリーゼロ先進国株式投信 *野村證券,LINE証券「つみたてNISA」でのみ販売 | 0% (0.033%) | 2020/3/16 | 62 |
SBI・先進国株式インデックス(雪だるま) | 0.1022% (0.119%) | 2018/1/12 | 123 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1023% (0.145%) | 2017/2/27 | 3,692 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.1023% (0.159%) | 2013/12/10 | 4,135 |
SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% (0.161%) | 2020/7/22 | 25 |
My SMT(i-SMT) グローバル株式インデックス(*) | 0.1023% (0.142%) | 2017/11/24 | 18 |
たわらノーロード先進国株式 | 0.10989% (0.161%) | 2015/12/18 | 2,390 |
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 0.2090% (0.256%) | 2016/9/8 | 246 |
つみたて先進国株式 | 0.2200% (0.264%) | 2017/8/16 | 923 |
Smart-i 先進国株式インデックス | 0.220% (0.286%) | 2017/8/29 | 261 |
東京海上セレクション・外国株式インデックス | 0.2200% (0.295%) | 2010/4/28 | 364 |
SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.550% (0.583%) | 2008/1/9 | 1,378 |
外国株式インデックスe | 0.5500% (0.577%) | 2010/4/6 | 202 |
野村インデックスファンド・外国株式[Funds-i] | 0.6050% (0.625%) | 2010/11/26 | 376 |
eMAXIS 先進国株式インデックス | 0.6600% (0.704%) | 2009/10/28 | 600 |
インデックスファンド海外株式(ヘッジ無) | 0.9240% (0.952%) | 2001/10/17 | 167 |
(*)i-SMTグローバル株式は2022.7.21以降、My SMTに名称を変更するとともに、信託報酬を引下げました。表中の信託報酬、実質コストは引下げ後の値
純資産総額1位は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、2022.3に4,000億を突破しました。
また常に最低水準の運用コストを目指すeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、純資産総額でたわらノーロードを2018.2.1に、姉妹ファンドのeMAXISをも2019.3.4に抜き去りました。そして設定から僅か2年5カ月の2019.7.8に純資産総額500億円、2020.6.2には1,000億円を突破。500億円、1,000億円を超えたということで、受益者還元型信託報酬により500億円、1,000億円超の部分については税込み0.1006%、0.09889%とさらに低い信託報酬が適用されています。2022.12末時点では3,692億円。
たわらノーロード先進国株式も2022.6.7に純資産総額2,000億円を突破しました。
一方、比較的低コストにもかかわらず苦戦しているのがMy SMT(i-SMT)、未だ20億以下です。ただ、2022年7月21日以降、名称をMy SMTに変更するとともに信託報酬を最安値に引き下げましたので、今後に期待したいところ。
信託報酬最安値は(ベンチマークは異なりますが)SBI・先進国株式インデックス・ファンド、
MSCI Kokusai連動型ではeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式、(販売会社が限定されますが)SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ)、そして前述のようにMy SMT(i-SMT)の4本が同率で最安値。
この4本に続くのがたわらノーロード先進国株式。
実質コストではMy SMT(i-SMT)が最安値。これに2022.4に5期目の決算を迎えたeMAXIS Slim 先進国株式インデックスが続きます。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
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資金流出入額 [先進国株式インデックスファンド 人気ランキング]
2022年10~12月の概算の月次資金流出入額(*)3カ月合計、及び2022年累計(1~12月)を見てみます。
2022年10~12月の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2022年7~9月 | 2022年累計 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | たわらノーロード先進国株式 | 263.7 | 2 | 799.1 |
2 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 233.2 | 1 | 892.9 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 148.6 | 3 | 599.7 |
4 | つみたて先進国株式 | 120.8 | 4 | 403.0 |
5 | Smart-i 先進国株式インデックス | 32.8 | 6 | 111.8 |
6 | 東京海上セレクション・外国株式インデックス | 28.1 | 7 | 100.6 |
7 | SMTグローバル株式インデックス・オープン | 23.6 | 5 | 152.9 |
8 | iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 20.6 | 9 | 75.5 |
9 | 野村インデックスファンド・外国株式 | 19.9 | 8 | 85.5 |
10 | eMAXIS 先進国株式インデックス | 11.2 | 10 | 53.7 |
11 | SBI・先進国株式インデックス(雪だるま) | 9.7 | 11 | 40.0 |
12 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 7.0 | 12 | 18.9 |
13 | My SMT グローバル株式インデックス | 6.7 | 13 | 12.4 |
14 | インデックスファンド海外株式(ヘッジ無) | 0.1 | 14 | 1.5 |
15 | 外国株式インデックスe | -0.9 | 15 | -4.6 |
参考 | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 12.1 | 参考 | 40.4 |
2022年10~12月期、最も売れたのがたわらノーロード先進国株式。
今期はeMAXIS Slim先進国株式インデックスより多くの資金を集めました。
2位はeMAXIS Slim先進国株式インデックス、2022年年間では1位です。
3位は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス、
この3本が先進国株式インデックスファンドの3強と言って良いでしょう。
(eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードの詳細な比較は次章参照)
4位にはeMAXIS Slimと同じ三菱UFJ国際投信のつみたて先進国株式が入っています。
比較的低コストにも関わらず苦戦しているのがMy SMT(i-SMT) グローバル株式、2022.7.21の信託報酬引下げ後、若干増加傾向にはありますが、そう大きな資金流入には至っていません。
そして超低コストのSBI・先進国株式(旧名称: EXE-iつみたて)も伸びていません。
eMAXIS Slim先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式、たわらノーロード先進国株式の月次資金流出入額の比較
(MSCI Kokusaiをベンチマークとするインデックスファンドで)信託報酬の低さで他を寄せ付けないeMAXIS Slim先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロード先進国株式、この3本の月次資金流出入額の推移を見てみます。
2017年は<購入・換金手数料なし>ニッセイに全く歯が立たなかったeMAXIS Slimですが、2017年12月末に驚異的な信託報酬引下げを発表し、これを契機に2018年1月から急速に資金流入が増えています。
その後、両者、毎月激しい競争を繰り広げていましたが、2019年以降はeMAXIS Slimが圧倒的に優勢です。殆どの月で資金流入額1位となっています。
そして2019.10.1から信託報酬を大幅に引き下げ、上記2本と対等に勝負できるようになったたわらノーロード先進国株式、毎月比較的安定した資金流入があり、最近は<購入・換金手数料なし>ニッセイを上回り、さらに2022.10~11にはeMAXIS Slimをも超えました。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
2022年12月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値(MSCI Kokusai グロス/ネット)もプロット。米国MSCI社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引いています。
*MSCI社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
3カ月騰落率
先ずは直近の運用結果を確認する為、2022年12月末日時点の3カ月騰落率を見てみます。
実質コスト/4に対して3カ月騰落率をプロットします。
*各ファンド、ベンチマーク(ネット)より騰落率が高くなっていますが、短期間の評価ではこういう事がたまにあります。
*本評価の精度は±0.01%程度(基準価額1円の変動)です。
短期では実質コストと騰落率の相関が悪くなりがちですが、今回の評価期間では、My SMT(i-SMT) グローバル株式、SMT、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、そして東京海上が若干プラス側に乖離している可能性があります。
1年騰落率
次に2022年12月末日時点の1年騰落率です。
株価下落に加え、2022年中盤まで円安が進んでいた為替も最近は円高に振れ始め、直近1年間で見ると約-5%の下落になっています。
コストと騰落率は綺麗な相関を示します。これは、多くのファンドがベンチマークに対してコスト要因以外での乖離がない安定した運用であった事を意味します。(ただ、SMBC・DCがマイナス、東京海上がプラス側に乖離しているように見えます)
騰落率トップは、(本サイトでは参考ファンド扱いの)野村スリーゼロ先進国株式投信。
そして、野村スリーゼロ、及び乖離していると思われるファンドを除けば、コスト最低水準のeMAXIS Slim先進国株式が騰落率でも順当に上位になっています。
<購入・換金手数料なし>ニッセイは2022年3月1日、11日の2日にわたりeMAXIS Slimの騰落率と比較して0.017%ポイント程マイナスだったのですが、2022年12月1日には逆に0.017%ポイント プラスとなり、結果的に1年騰落率では他のファンドと概ね同一直線上に乗っています。
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まとめ & 先進国株式インデックスファンドのおすすめファンド(投資信託)
以上、先進国株式(MSCI Kokusai)インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。
信託報酬最安値で圧倒的に人気を集めている=資金流入額が大きいのが信託報酬最安値のeMAXIS Slim先進国株式インデックス。
最近、eMAXIS Slimとの差が広がってきているとはいえ、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドも依然大きな資金流入があります。
そして2019年10月から上記2本に信託報酬で概ね並んだたわらノーロード先進国株式、確定拠出年金と思われる資金を含め安定した資金流入があり、かつ徐々に増加傾向にあります。
他を凌駕する信託報酬からいって先進国株式はこの3強の争いと言って良いでしょう。
この3本なら大きな差はないと思いますが、将来も信託報酬で優位にたつであろう安心感、資金流入額の多さ、過去の運用の安定性から見て、
本サイトが現時点で選ぶおすすめファンドは、
ベンチマークも配当込に変わり、これを気にしていた方も安心して購入出来ます。
ただ、
たわらノーロード先進国株式、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
を選んでも大差ないでしょう。
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
販売会社
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは主にネット証券で取り扱っています。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
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Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.1%、au Payアプリ等の連携で最大0.20%になるのも魅力。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはマネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo、それにSBI証券 iDeCo(セレクトプラン)
のみです。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。
先進国株式インデックスファンド(本記事)
米国株式(S&P500/CRSP USトータル・マーケット)インデックスファンド
国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド