国内の株式に投資し、日経平均株価との連動を目指すインデックスファンド、ニッセイ日経225インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2021.1.23]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2020年12月30日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
ニッセイ日経225インデックスファンドの基本情報
今回解説するのは、国内の株式に投資するニッセイ日経225インデックスファンド。約17年の運用実績を誇り、今でも多くの資金を集めている人気のファンドです。
ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズ、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドとは異なるファンドですので注意して下さい。
先ず、ニッセイ日経225インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2004年1月28日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 日経平均株価(除く配当) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2750% |
実質コスト | 0.280%(*) |
純資産総額 | 1716.9億円(2020.12.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,704億円(2020.2.17時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%) |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
(*)実質コストは2020.2.17決算時点。
投資対象
ベンチマークは日経平均株価[除く配当]で、国内の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
尚、同じマザーファンドで運用する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドはベンチマークを配当込(日経トータルリターンインデックス)としています。この事からも、配当除く・込が運用上差がない事がわかります。
マザーファンド
ニッセイ日経225インデックスファンドは、ファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:ニッセイ日経225インデックスファンド 交付目論見書
ニッセイ日経225インデックスマザーファンドは、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド、DCニッセイ日経225インデックスファンドA/Bなどと同じマザーファンドで、1,700億円を超える巨額の純資産を持っています。
そして、ニッセイ日経225インデックスマザーファンドの純資産の90%近くをニッセイ日経225インデックスファンドが占めています(2020.2.17時点)。
投資銘柄
投資している銘柄数は225(2020.2.17時点)、日経平均の構成銘柄全てを保有している事になります。
組入上位10業種、10銘柄は下表のようになります。
画像引用:ニッセイ日経225インデックスファンド 月報(2020/12)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位 ファーストリテイリング、2位 ソフトバンク、3位 東京エレクトロンの3社だけで全体の約23%を占め、値がさ株の比率が高くなっています。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
尚、組入比率で現物が97.7%と高くなっている点は高評価。日経平均株価連動型のインデックスファンドの中には、先物比率が高く、それに起因すると思われるベンチマークとの乖離が生じているファンドもあります。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
ニッセイ日経225インデックスファンドの信託報酬は0.2750%(税込)です。
ここ数年のインデックスファンド低コスト化の中、今となっては割高に見えるコストです。
実質コストは0.280%(税込)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
日経平均株価をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1540% | 0.162% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1540% | 0.157% |
1 | iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 0.162% |
4 | NZAM・ベータ日経225 | 0.1760% | (決算前) |
5 | 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% | 0.194% |
5 | たわらノーロード日経225 | 0.1870% | 0.193% |
5 | i-SMT 日経225インデックス | 0.1870% | 0.194% |
5 | Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% | 0.213% |
9 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% | 0.206% |
10 | 日経225 インデックスe | 0.2090% | 0.216% |
11 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% | 0.280% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
ニッセイ日経225インデックスファンドより信託報酬の低いファンドが多くあり、最安値で同じニッセイAMが運用する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドに対し0.12%もの差があります。
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ニッセイ日経225インデックスファンドの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からニッセイ日経225インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
総じて日経平均株価連動型インデックスファンドでは資金流出入が安定しないのが特徴ですが、ニッセイ日経225インデックスファンドも同様の傾向で資金流入・流出を繰返しています。
しかも、流入・流出とも、その金額が大きく数十億円の流出入を繰り返しています。短期的な売買に使用されている方が多いと推測します。
尚、2020年は1年間で66億の資金流出となっています。
純資産総額は2020.12末時点で1,717億円、巨額の資産を有します。日経平均連動型低コスト・インデックスファンドの中では最も大きなファンドになります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスとの資金流出入額比較
ニッセイアセットマネジメントが運用し、同じマザーファンドで運用する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドと月次資金流出入額を比較してみます。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも比較的資金流出入の変動が激しいのですが、ニッセイ日経225インデックスファンドは、その額が非常に大きくなっている事が分かります。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じ日経平均株価でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2020年12月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
ニッセイ日経225インデックスファンドの騰落率は概ね図中グレーの点線上にあり、ベンチマークとの乖離がない安定した運用である事が分かります。
但し、ただ信託報酬で勝る(低い)eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)や<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドには、そのコストが高い分、明らかに騰落率も低くなっています。
*図中、iFreeの騰落率が高いのはベンチマークに対してプラス側に乖離を起こした為です。
ニッセイ日経225インデックスファンドの分配金
ニッセイ日経225インデックスファンドは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する株式から出た配当は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
ニッセイ日経225インデックスファンドは、長い運用実績を誇り、巨額の純資産を有する日経平均株価連動型のインデックスファンドです。
その運用はベンチマークとの乖離もなく安定しています。
ただ、資金流出入の変動が激しく、数十億円レベル(/月)の流入・流出を繰り返しています。そして、信託報酬では最安値のファンドに対して約0.12%負けています。
これから購入する方は、より信託報酬の低い<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドやeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)をお勧めします。
一方で、既にニッセイ日経225インデックスファンドに大きな金額を投じている方は、その乗換は慎重に検討して下さい。(含み益があると売却時に課税されますし、含み損の場合、乗換時の購入価額が低くなり将来の課税が高くなる可能性があります。)
尚、SBI証券で他の投資信託(*)と合わせて1,000万円以上を保有している方は、投信マイレージサービスでポイント還元が年率0.20%(通常0.10%)となります。<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドやeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)のポイント還元率は0.05%。その差0.15%。信託報酬の差0.12%より大きくなりますので、敢えて信託報酬の高いニッセイ日経225インデックスファンドを選択するというのも有り得るでしょう。勿論、証券会社の1サービスですので、将来、還元率などが変更・改悪されるリスクがあり、あまりお勧めできませんが。
(*)対象の投資信託のみ。但し殆どのファンドが対象となっています。
販売会社
ニッセイ日経225インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
尚、下記証券会社では<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも取り扱っています。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一低コスト・インデックスファンドを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。またつみたてNISAでしか購入できない金融機関もあります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
ニッセイ日経225インデックスファンド (本記事)
他の国内株式(日経平均)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
本サイトでは、広く分散(銘柄、投資国)された投資を推奨しています。もし国内株式だけに投資されているのであれば、外国株式にも目を向けてみませんか?外国株式にも簡単に投資できるのが投資信託の魅力の一つです。
例えば先進国株式インデックス。ニッセイアセットマネジメントにも先進国株式に投資できるファンドがあります。
参考記事【インデックスファンド評価・解説】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。