日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)について解説します。
尚、iFree 外国株式インデックスには為替ヘッジ有無の2本のファンドがありますが、ここで取りあげるのは為替ヘッジなしの方です。
[最終更新日:2024.11.12]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.10末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)の基本情報
iFreeシリーズは、大和アセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズです。「低水準の運用管理費用」と「豊富な商品ラインアップ」をコンセプトに、「投資(investment)、もっと自由(Free)に」の思いを込めてネーミングしたとの事。 (iFree公式サイトより抜粋・編集して引用)
本記事で解説するのは、先進国の株式に投資するiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)。
先ず、iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)の基本情報をまとめます。
運用会社 | 大和アセットマネジメント |
設定日 | 2016年9月8日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当込・ネット) |
購入時手数料 | *販売会社が決定 *現在徴収している販売会社は無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2090% |
実質コスト | 0.240%(*1) |
純資産総額 | 659億円(2024.10.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 4,159億円(2023.11.30時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.080% |
(*1)実質コストは2023.11.30決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)[配当込・ネット]で、日本を除く先進国の株式に投資します。
*2023.6.1 ベンチマーク 除く配当から配当込み・ネットに変更になりました。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) 月次レポート(2024/10)
先進国といっても米国が約77%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) 月次レポート(2024/10)
上位10銘柄は全て米国企業で、エヌビディア、アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ、アルファベット(Googleの持ち株会社)など日本でも良く知られた企業が上位になっています。
尚、4位の"S&P500 EMINI DEC 24"は米国S&P500指数の先物取引です。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
iFree 外国株式インデックスは2017/10/2に信託報酬引下げを行い、現時点の信託報酬は0.2090%(税込)。
実質コストは0.240%(税込、2023.11決算)。(但し、実質コストは固定されたものではなく毎年変動します)
購入時手数料は販売会社が定めますが、現時点で徴収している販売会社はなく事実上無料(ノーロード)、
信託財産留保額は無です。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、PayPay投資信託インデックス先進国株式、SBI・先進国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はベンチマークが異なり、日本を含む先進国株式に投資し、PayPay、SBIがFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はMSCI WORLDをベンチマークとするファンドです。
他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとし、日本を除く先進国株式に投資するファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・NISA限定商品ですので参考ファンド扱いとしています。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.017% |
1 | ステート・ストリート・グローバル株式インデックス・オープン | 0.0748% | --- |
2 | 楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.088% | 0.230% |
3 | PayPay投資信託インデックス先進国株式 [FTSE] | 0.0872% | 1.443% |
4 | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.0982% | 0.113% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% | 0.137% |
5 | たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% | 0.133% |
5 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.09889% | 0.126% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国> [MSCI WORLD] | 0.09889% | --- |
9 | My SMTグローバル株式インデックス | 0.1023% | 0.143% |
9 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% | 0.154% |
11 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.240% |
12 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.261% |
12 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.275% |
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドではiFree 外国株式インデックスの信託報酬は8位、ある程度の実績があるファンドの中で最安値のeMAXIS Slim先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス等に比べ0.11%ポイント高くなっています。
また実質コストでは7位。
信託報酬の変更履歴
iFree 外国株式インデックスは、過去に1回信託報酬引下げを行った実績があります。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/9/8 | 0.2268% | 新規設定。 設定時は<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式やたわらノーロード先進国を抜いて最低水準の信託報酬。 |
2017/10/2 | 0.2052% | 引下げ発表時は最低水準の信託報酬。 |
2019/10/1 | 0.2090% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ??? |
設定時、及び2017年10月の引下げ発表時は信託報酬で最安値の座を獲得しました。ただ2018年1月にeMAXIS Slimが驚異的な引下げを行ってからは大きく差をつけられています。今後、これに対抗すべく信託報酬引下げを行うか否かに注目です。
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iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からiFree 外国株式インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2020年12月、及び新NISAが始まった2024年から急激に増え、直近では毎月10~15億程度の資金流入があります。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスやたわらノーロード先進国株式は毎月数十億~100億台の資金流入がありますので、この2本と比較すると大きく見劣りしますが、それでも比較的売れているファンドです。
純資産総額は659億円(2024.10末時点)と、これも上記2本には及びませんが、十分大きな純資産です。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2024年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・NISA限定商品ですので参考ファンド扱いとして比較の対象から外します。
iFree 外国株式インデックスは、この1年間騰落率では(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離が殆どなく、そのコストに応じた高い騰落率を示しています。
ただ、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式等には、そのコスト分、騰落率で負けています。
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まとめ
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)は、設定当初、及び2017年末の引下げ発表時は最低水準の信託報酬でしたが、その後のeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式の大幅な引き下げに(今のところ)対抗措置を発表しておらず、コスト的には大きな差がついてしまいました。
運用自体は問題ないだけに信託報酬の引下げを期待したいところ。
また、純資産総額もそこそこの規模ではありますが、上記3本と比較すると見劣りします。
今後、コスト的に優位に立つ事が出来れば、販売会社が多いだけに資金流入もさらに増えていく事でしょう。
販売会社
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)は下記の金融機関等で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
さらに、多くの地方銀行等で購入出来ます。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) (本記事)
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。