国内の株式に投資し、日経平均株価との連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2021.1.23]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2020年12月30日時点の情報に基づき記載しています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
今回解説するのは、国内の株式に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド。
先ず、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2016年11月21日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 日経平均株価(配当込み・グロス) (日経平均トータルリターン・インデックス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.157%(*) |
純資産総額 | 161.1億円(2020.12.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,704億円(2020.2.17時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
(*)実質コストは2020.2.17決算より
投資対象
ベンチマークは日経平均株価[配当込](日経平均トータルリターンインデックス)で、国内の株式に投資します。
日経平均トータルリターンインデックスには配当税引き後の日経平均トータルリターン・ネット・インデックスもありますが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドのベンチマークは配当課税を考慮しないグロスです。
国内株式に投資するファンドは、配当が出ても課税される事無くファンドの資産となりますので、グロスがファンドのベンチマークとしてはより適切な指数となります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
マザーファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、ファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 交付目論見書
ニッセイ日経225インデックスマザーファンドは、ニッセイ日経225インデックスファンド、DCニッセイ日経225インデックスファンドA/Bなどと同じマザーファンドで、1,700億円を超える巨額の純資産を持っています。
尚、マザーファンドは配当を含まない日経平均株価をベンチマークとしています。
マザーファンドとベビーファンドで[除く配当]、[配当込]で異なる事になりますが、実際の運用成績には問題ないでしょう。
投資銘柄
投資している銘柄数は225(2020.2.17時点)、日経平均の構成銘柄全てを保有している事になります。
組入上位10業種、10銘柄は下表のようになります。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 月報(2020/12)
これは日経平均株価の特徴でもありますが、1位 ファーストリテイリング、2位 ソフトバンクの2社だけで全体の約18%を占め、値がさ株の比率が高くなっています。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
尚、組入比率で現物が97.7%と高くなっている点は高評価。日経平均株価連動型のインデックスファンドの中には、先物比率が高く、それに起因すると思われるベンチマークとの乖離が生じているファンドもあります。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
信託報酬 0.1540%(税込)。
実質コストは0.157%(税込)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
日経平均株価をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | PayPay投信 日経225インデックス | 0.1430% | (決算前) |
2 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1540% | 0.162% |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1540% | 0.157% |
2 | iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 0.162% |
5 | NZAM・ベータ日経225 | 0.1760% | 0.186% |
6 | 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% | 0.194% |
6 | たわらノーロード日経225 | 0.1870% | 0.193% |
6 | i-SMT 日経225インデックス | 0.1870% | 0.194% |
6 | Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% | 0.213% |
10 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% | 0.206% |
11 | 日経225 インデックスe | 0.2090% | 0.216% |
12 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% | 0.280% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの信託報酬は、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスとならび1位。
また実質コストでも1位。但し、実質コストのこの程度の差は誤差と思って良いでしょう。
尚、上表の上位のファンドであれば、先進国株式、新興国株式のように大きな差がある訳ではありません。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、設定から3回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/11/21 | 0.1944% | 新規設定 |
2018/2/16 | 0.18252% | iFree、たわら、野村つみたてに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2018/8/21 | 0.17172% | eMAXIS Slimに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slim, iFreeに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% | ??? |
信託報酬引下げ発表時は、その時点での最安値となっています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
総じて日経平均株価連動型インデックスファンドでは資金流出入が安定しないのが特徴ですが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも同様の傾向にあります。
それでも2020年の1年間累計で56億円の流入となっていますので、そこそこ売れているファンドと言って良いでしょう。
eMAXIS Slim、iFreeとの資金流出入額比較
信託報酬で同率トップのeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスと月次資金流出入額を比較してみます。
2020年の1年間で見ると、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)には大差で勝り、iFree 日経225インデックスにも僅差ながら勝っています。ただ、2020年9月の1カ月に資金流入の多くが集中していますが。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じ日経平均株価でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2020年12月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは騰落率トップ(*)、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。そしてベンチマークとの乖離も殆どありません。
(*)iFreeの騰落率が最も高くなっていますが、これはベンチマークから上方乖離した為ですので除外。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの分配金
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する株式から出た配当は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、信託報酬最安値、比較的売れており、巨額の純資産を有するマザーファンドで運用自体も問題ありません。
国内株式(日経平均)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つです。
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一低コスト・インデックスファンドを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。またつみたてNISAでしか購入できない金融機関もあります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド (本記事)
他の国内株式(日経平均)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
本サイトでは、広く分散(銘柄、投資国)された投資を推奨しています。もし国内株式だけに投資されているのであれば、外国株式にも目を向けてみませんか?外国株式にも簡単に投資できるのが投資信託の魅力の一つです。
例えば先進国株式インデックス。<購入・換金手数料なし>シリーズにも先進国株式に投資できるファンドがあります。
参考記事【インデックスファンド評価・解説】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。