国内の株式に投資し、日経平均株価との連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2023.5.29]2023.6.14からの信託報酬引下げを反映。
[2023.3.23]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023年2月末日時点の情報に基づき記載しています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
本記事で解説するのは、国内の株式に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド。
先ず、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2016年11月21日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 日経平均株価(配当込み・グロス) (日経平均トータルリターン・インデックス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1430%(*1) |
実質コスト | 0.146%(*2) |
純資産総額 | 443.0億円(2023.2.28時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 2,805億円(2023.2.15時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*3) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
(*1)信託報酬は2023.6.14引下げ後の値
(*2)実質コストは2023.2.20決算結果から上記信託報酬引下げ分を引いた値。
(*3)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
ベンチマークは日経平均株価[配当込](日経平均トータルリターンインデックス)で、国内の株式に投資します。
日経平均トータルリターンインデックスには配当税引き後の日経平均トータルリターン・ネット・インデックスもありますが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドのベンチマークは配当課税を考慮しないグロスです。
国内株式に投資するファンドは、配当が出ても課税される事無くファンドの資産となりますので、グロスがファンドのベンチマークとしてはより適切な指数となります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
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マザーファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、ファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 交付目論見書
ニッセイ日経225インデックスマザーファンドは、ニッセイ日経225インデックスファンド、DCニッセイ日経225インデックスファンドA/Bなどと同じマザーファンドで、2,000億円を超える巨額の純資産を持っています。
尚、マザーファンドは配当を含まない日経平均株価をベンチマークとしています。
マザーファンドとベビーファンドで[除く配当]、[配当込]で異なる事になりますが、実際の運用成績には問題ないでしょう。
投資銘柄
投資している銘柄数は225(2022.2.15時点)、日経平均の構成銘柄全てを保有している事になります。
組入上位10業種、10銘柄は下表のようになります。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 月報(2023/2)
これは日経平均株価の特徴でもありますが、上位3社だけで全体の約20%を占め、値がさ株の比率が高くなっています。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
信託報酬 0.1430%(税込、2023.6.14以降)。
実質コストは0.146%(税込、2023.2決算から信託報酬引下げ分を引いた値)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
日経平均株価をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | SBI・iシェアーズ・日経225インデックス | 0.1133% | --- |
1 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1430% | 0.148% |
1 | たわらノーロード日経225 | 0.1430% | 0.145% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1430% | 0.146% |
1 | PayPay投信 日経225インデックス | 0.1430% | 0.262% |
-- | はじめてのNISA日本株式(日経225) | 0.1430% | --- |
5 | iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 0.161% |
5 | SMBC・DCインデックスファンド(日経225) | 0.1540% | 0.164% |
5 | My SMT 日経225インデックス | 0.1540% | 0.163% |
8 | NZAM・ベータ日経225 | 0.1760% | 0.185% |
9 | 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% | 0.193% |
9 | Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% | 0.210% |
11 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% | 0.203% |
12 | 日経225 インデックスe | 0.2090% | 0.217% |
-- | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% | 0.279% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの信託報酬はeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、たわらノーロード日経225、PayPay投信 日経225インデックスと並び同率1位。
実質コストもPayPayを除く上記3本で大差ありません。
尚、上表の上位のファンドであれば、先進国株式、新興国株式のように大きな差がある訳ではありません。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、設定から3回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/11/21 | 0.1944% | 新規設定 |
2018/2/16 | 0.18252% | iFree、たわら、野村つみたてに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2018/8/21 | 0.17172% | eMAXIS Slimに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slim, iFreeに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
2023/6/14 | 0.1430% | eMAXIS Slim、たわらノーロードに対抗。 |
信託報酬引下げ発表時は、その時点での最安値(同率を含む)となっています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
総じて日経平均株価連動型インデックスファンドでは資金流出入が安定しないのが特徴ですが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも同様の傾向にあります。
それでも2022年の1年間累計で135億円の流入となっていますので、そこそこ売れているファンドです。
eMAXIS Slim、iFreeとの資金流出入額比較
信託報酬で同率のeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスと月次資金流出入額を比較してみます。
2022年の1年間で見ると、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスと概ね同等の流入額です。また、大きな資金流入があった月、逆に資金流出だった月も概ね一致します。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じ日経平均株価でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2023年2月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。但し多くのファンドがこのグレーの点線より下方に位置しています(理由はよく分かりませんが、日経平均では良く見られる現象です。配当がファンド、指数に入る時期が異なるのでしょうか???)。
そこで、多くのファンドが乖離がないという前提のもの、主観を含めて引いた線が水色の点線。この点線を基準にベンチマークとの乖離を評価します。
即ちグラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そして水色の点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは騰落率は、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスと概ね同じ、トップレベルの騰落率です。そしてベンチマークとの乖離も殆どありません。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの分配金
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する株式から出た配当は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、低い信託報酬で比較的売れており、巨額の純資産を有するマザーファンドで運用自体も問題ありません。
国内株式(日経平均)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つです。
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
クレジットカード決済で投信を積立出来る(ポイント還元あり)下記ネット証券をお勧めします。
(2023.10以降にマネックス証券のNISA口座を開設した方は2024年9月30日までNISA口座でのクレカ積立還元率2.2%)
*通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
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また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
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勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド (本記事)
他の国内株式(日経平均)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
本サイトでは、広く分散(銘柄、投資国)された投資を推奨しています。もし国内株式だけに投資されているのであれば、外国株式にも目を向けてみませんか?外国株式にも簡単に投資できるのが投資信託の魅力の一つです。
例えば先進国株式インデックス。<購入・換金手数料なし>シリーズにも先進国株式に投資できるファンドがあります。
参考記事【インデックスファンド評価・解説】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。