国内の株式に投資し、日経平均株価との連動を目指すインデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドについて解説します。
[最終更新日:2019.9.18]消費税10%表記に変更。
[2019.8.28]ライバルファンドのつみたて実質コスト更新。
[2019.8.6]ライバルファンドのeMAXIS Slim、Smart-i、インデックスe実質コスト更新。
[2019.5.24]2019.6.27からの信託報酬引下げを反映。
[2019.5.21]ライバルファンドのiFree信託報酬引下げを反映。
[2019.4.26]ライバルファンドのeMAXIS Slim信託報酬引下げを反映。
[2019.4.9]実質コスト・マザーファンド純資産総額を最新情報に更新。
[2019.3.19]初版。本記事は原則2019年3月19日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
今回解説するのは、国内の株式に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド。
先ず、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2016年11月21日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 日経平均株価(配当込み・グロス) (日経平均トータルリターン・インデックス) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.158% |
純資産総額 | 54.31億円(2019.3.18時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1581.98億円(2019.2.15時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
投資対象
ベンチマークは日経平均株価[配当込](日経平均トータルリターンインデックス)で、国内の株式に投資します。
日経平均トータルリターンインデックスには配当税引き後の日経平均トータルリターン・ネット・インデックスもありますが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドのベンチマークは配当課税を考慮しないグロスです。
国内株式に投資するファンドは、配当が出ても課税される事無くファンドの資産となりますので、グロスがファンドのベンチマークとしてはより適切な指数となります。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]の2種類ありますが、実際の運用成績は(過去においては)変わりません。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?
ただ、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意して下さい。ベンチマークが配当込みですので、通常はファンドの方がコスト分だけ騰落率が低くなります。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。
マザーファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、ファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 交付目論見書
ニッセイ日経225インデックスマザーファンドは、ニッセイ日経225インデックスファンド、DCニッセイ日経225インデックスファンドA/Bなどと同じマザーファンドで、1,000億円を超える巨額の純資産を持っています。
尚、マザーファンドは配当を含まない日経平均株価をベンチマークとしています。
マザーファンドとベビーファンドで[除く配当]、[配当込]で異なる事になりますが、実際の運用成績には問題ないでしょう。
投資銘柄
投資している銘柄数は225(2018.2.15時点)、日経平均の構成銘柄全てを保有している事になります。
組入上位10業種、10銘柄は下表のようになります。
画像引用:<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 月報(2019/2)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位 ファーストリテイリング、2位 ソフトバンクの2社だけで全体の約14%を占め、値がさ株の比率が高くなっています。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
尚、組入比率で現物が97.6%と高くなっている点は高評価。日経平均株価連動型のインデックスファンドの中には、先物比率が高く、それに起因すると思われるベンチマークとの乖離が生じているファンドもあります。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
信託報酬 0.1540%(税込)。
実質コストは0.158%(税込)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
日経平均株価をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1540% | 0.162% |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1540% | 0.158% |
1 | iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 0.162% |
4 | 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% | 0.194% |
4 | たわらノーロード | 0.1870% | 0.196% |
4 | i-SMT 日経225インデックス | 0.1870% | 0.195% |
4 | Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% | 0.217% |
8 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% | 0.205% |
9 | 日経225 インデックスe | 0.2090% | 0.217% |
10 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% | 0.281% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの信託報酬は、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスとならび1位。
ただ上表の上位のファンドであれば、先進国株式、新興国株式のように大きな差がある訳ではありません。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、設定から3回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/11/21 | 0.1944% | 新規設定 |
2018/2/16 | 0.18252% | iFree、たわら、野村つみたてに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2018/8/21 | 0.17172% | eMAXIS Slimに対抗。引下げ発表時は最安値。 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slim, iFreeに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% | ??? |
信託報酬引下げ発表時は、その時点での最安値となっています。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
総じて日経平均株価連動型インデックスファンドでは資金流出入が安定しないのが特徴ですが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも同様の傾向にあります。
それでも設定から2年ちょっとで純資産総額50億円を超えていますので、そこそこ売れているファンドと言って良いでしょう。
eMAXIS Slim、iFreeとの資金流出入額比較
信託報酬で同率トップのeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、iFree 日経225インデックスと月次資金流出入額を比較してみます。
資金流出入額ではeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)に勝っていると言って良いでしょう。iFree 日経225インデックスにも2018年累計で見ると勝っていますが、大きな資金流入があった2018年10月を除くとほぼ互角といったところです。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じ日経平均株価でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2019年2月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。そしてベンチマークとの乖離も殆どありません。
上図の評価期間では信託報酬で勝る(低い)eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)の騰落率に負けていますが、今は同じ信託報酬になっている事から騰落率の差もなくなると予想されます。
まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、信託報酬最安値、比較的売れており、巨額の純資産を有するマザーファンドで運用自体も問題ありません。
国内株式(日経平均)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つとなります。
購入先
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
販売会社 SBI証券、楽天証券 、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、岡三オンライン証券
等。
楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド (本記事)
他の国内株式(日経平均)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
本サイトでは、広く分散(銘柄、投資国)された投資を推奨しています。もし国内株式だけに投資されているのであれば、外国株式にも目を向けてみませんか?外国株式にも簡単に投資できるのが投資信託の魅力の一つです。
例えば先進国株式インデックス。<購入・換金手数料なし>シリーズにも先進国株式に投資できるファンドがあります。
参考記事【インデックスファンド評価・解説】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。