日本を除く先進国の株式に投資するインデックスファンド、つみたて先進国株式について解説します。
尚、つみたてんとうシリーズには為替ヘッジを行う「つみたて先進国株式(為替ヘッジあり)」もありますが、ここで取り上げるのは為替ヘッジ無の方です。
[最終更新日:2024.11.13]全て最新の情報に更新。
本記事は基本的に2024年10月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
つみたて先進国株式の基本情報
つみたて先進国株式は三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド「つみたてんとうシリーズ」の一つです。eMAXISやeMAXIS Slimシリーズとは、基本的に同じマザーファンドで運用する姉妹ファンド。eMAXIS Slimが原則ネット証券・銀行専用商品なのに対し、つみたてんとうシリーズは、「つみたてNISA」(現 NISAつみたて投資枠)を主なターゲットとし、最寄りの金融機関で相談できるファンドとして2017年8月に設定されました。現在9本のファンドから構成されています。コスト(信託報酬)はeMAXISよりは低く、eMAXIS Slimよりは高くなっています。
本記事で解説するのは、先進国の株式に投資するつみたて先進国株式。
先ず、つみたて先進国株式の基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2017年8月16日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI KOKUSAI(配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2200% |
実質コスト | 0.261%(*1) |
純資産総額 | 3,061億円(2024.10.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 54,751億円(2024.5.13時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.030% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.090% |
(*1)実質コストは2024.6決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはMSCI KOKUSAI(コクサイ)[配当込み・ネット]で日本を除く先進国の株式に投資します。
*2019.7.1よりベンチマークが除く配当から、配当込み、配当課税を考慮するネットに変更となりました。
(注)ネットでも日本に対して適切な税率が考慮されているという保証はありません。
参考記事三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slimなどのベンチマークを配当込指数に変更。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
マザーファンド
つみたて先進国株式はファミリーファンド方式でマザーファンドを介して先進国株式に投資します。
画像引用:つみたて先進国株式交付目論見書
マザーファンドは「外国株式インデックスマザーファンド」、これはeMAXIS Slim先進国株式インデックスやeMAXIS 先進国株式インデックスと同じです。
即ち、つみたて先進国株式とeMAXIS Slim、eMAXISの運用自体は同じ姉妹ファンド、異なるのは(基本的には)ファンド名称、コスト、そして販売会社だけという事です。
投資国
投資する国、比率は下図のようになります。
画像引用:つみたて先進国株式 月次レポート(2024/10)
先進国といっても米国が約75.5%を占めます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:つみたて先進国株式 月次レポート(2024/10)
組入銘柄数は1,211。このファンド1本で日本を除く先進国1,211社の株式を所有しているという事です。
上位10銘柄全てを米国が占めており、エヌビディア、アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ、アルファベット(Googleの持ち株会社)など日本でも良く知られた企業が上位になっています。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
つみたて先進国株式の信託報酬は0.220%(税込)。
実質コストは0.261%(税込, 2024.6決算より)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 先進国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・先進国株式インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、PayPay投資信託インデックス先進国株式、SBI・先進国株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はベンチマークが異なり、日本を含む先進国株式に投資し、PayPay、SBIがFTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス、eMAXIS Slim先進国株式(含む日本)はMSCI WORLDをベンチマークとするファンドです。
他は全てMSCI KOKUSAIをベンチマークとし、日本を除く先進国株式に投資するファンドです。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・NISA限定商品ですので参考ファンド扱いとしています。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
-- | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% (2030年まで) | 0.017% |
1 | ステート・ストリート・グローバル株式インデックス・オープン | 0.0748% | --- |
2 | 楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.088% | 0.230% |
3 | PayPay投資信託インデックス先進国株式 [FTSE] | 0.0872% | 1.443% |
4 | SBI・先進国株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.0982% | 0.113% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% | 0.137% |
5 | たわらノーロード先進国株式 | 0.09889% | 0.133% |
5 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス | 0.09889% | 0.126% |
5 | eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国> [MSCI WORLD] | 0.09889% | --- |
9 | My SMTグローバル株式インデックス | 0.1023% | 0.143% |
9 | SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) | 0.1023% | 0.154% |
11 | iFree外国株式インデックス | 0.2090% | 0.240% |
12 | (三菱UFJ)つみたて先進国株式 | 0.2200% | 0.261% |
12 | Smart-i先進国株式インデックス | 0.2200% | 0.275% |
MSCI KOKUSAIをベンチマークとするファンドではつみたて先進国株式は信託報酬 9位。
長期の運用実績あるファンドの中で信託報酬最安値のeMAXIS Slim先進国株式インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス、たわらノーロード先進国株式に比べ0.12%ポイント高くなっています。
勿論、上表では低コストのファンドのみリストアップしていますので、全体から見るとつみたて先進国株式も十分低コストの部類です。
信託報酬の変更履歴
つみたて先進国株式は、2017年8月に設定された後、まだ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/8/16 | 0.2160% | 新規設定。設定時はeMAXIS Slimと同じで最低水準。 |
2019/10/1 | 0.2200% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% |
設定当初はeMAXIS Slimと同じ信託報酬で、他社を含めて最低水準のレベルでした。しかし、その後、eMAXIS Slimや<購入・換金手数料なし>ニッセイ等が大幅かつ複数回の引下げを行い、今では大きな差がついてしまいました。
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つみたて先進国株式の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からつみたて先進国株式の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
つみたてNISAが開始された2018年から売れ始め、2019年は毎月3~6億円、2020年は10億前後、2021年は10~20億円、2022~2023年は30億を超える月があるなど順調に資金流入が増えており、新NISAが始まった2024年は60~90億円と比較的売れているファンドです。
直近ではたわらノーロード先進国株式には負けるものの、姉妹ファンドのeMAXIS Slim 先進国株式インデックスに匹敵するほどの人気です。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じMSCI KOKUSAIでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2024年10月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
*野村スリーゼロ先進国株式投信は野村證券・NISA限定商品ですので参考ファンド扱いとして比較の対象から外します。
つみたて先進国株式は、eMAXIS Slim等と同じ巨大なマザーファンドで運用している事もあり、ベンチマークとの乖離がない安定した運用で、そのコストに応じた騰落率となっています。
但し、より信託報酬の低いeMAXIS Slim、たわらノーロード等には騰落率で負けます。
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インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.60%(税引前)と好金利。
公式サイト東京スター銀行まとめ
つみたて先進国株式は、比較的低コスト、そして安定した運用と、先進国株式に投資するファンドとして間違った選択ではありません。
ただ、より低コストのeMAXIS Slim 先進国株式インデックスで運用すれば、さらに高いリターンを得ることが出来ます。(株価低迷時でも損失が小さくなる)
つみたて先進国株式と姉妹ファンドとも言えるeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは中身は基本的に同じもの、値段(コスト=信託報酬)と販売会社が違うだけです。
もし、つみたて先進国株式だけしか取扱っていない金融機関(多くは銀行や店頭証券)で取引されているのであれば、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス等の超低コストファンドを扱っているネット証券に変更されては如何でしょう。
NISA口座は毎年変更する事が出来ます。
販売会社
つみたて先進国株式は、主要ネット証券、さらに多くの銀行、店頭証券で購入出来ます。
一方、下記ネット証券であればeMAXIS Slim 先進国株式インデックスも取扱っています。
どちらを選択すべきかは言うまでもないでしょう。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
個人型確定拠出年金(iDeCo)ではauカブコム証券で取扱っています。
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
つみたて先進国株式 (本記事)
他の先進国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。