国内株式に投資するインデックスファンド、つみたて日本株式(TOPIX)について解説します。
尚、つみたてんとうシリーズには日経平均株価との連動を目指す「つみたて日本株式(日経平均)」もありますが、ここで取り上げるのはTOPIXの方です。
「つみたて日本株式(日経平均)」については下記ページをご覧ください。
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[最終更新日:2024.8.15]全て最新の情報に更新。
本記事は基本的に2024年7月末日時点の情報に基づき記載しています。
見出し
つみたて日本株式(TOPIX)の基本情報
つみたて日本株式(TOPIX)は三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド「つみたてんとうシリーズ」の一つです。eMAXISやeMAXIS Slimシリーズとは、基本的に同じマザーファンドで運用する姉妹ファンド。eMAXIS Slimが原則ネット証券・銀行専用商品なのに対し、つみたてんとうシリーズは、「つみたてNISA(現:NISA[つみたて投資枠])」を主なターゲットとし、最寄りの金融機関で相談できるファンドとして2017年8月に設定されました。現在9本のファンドから構成されています。コスト(信託報酬)はeMAXISよりは低く、eMAXIS Slimよりは高くなっています。
本記事で解説するのは、国内株式に投資しTOPIXとの連動を目指すつみたて日本株式(TOPIX)。
先ず、つみたて日本株式(TOPIX)の基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2017年8月16日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | TOPIX(配当込み) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1980% |
実質コスト | 0.202%(*1) |
純資産総額 | 391.1億円(2024.7.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 14,092億円(2024.3.25時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.08% |
(*1)2023.6決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはTOPIX[配当込み]で東証一部に上場する国内株式に投資します。
*2019.7.1よりベンチマークが除く配当から、配当込みに変更となりました。
参考記事三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slimなどのベンチマークを配当込指数に変更。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
マザーファンド
つみたて日本株式(TOPIX)はファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:つみたて日本株式(TOPIX) 交付目論見書
TOPIXマザーファンドは「eMAXIS TOPIXインデックス」やeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)も投資するマザーファンドで、14,092億(2024.3時点)と巨額の純資産を有します。
マザーファンドを共有するeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)等とは姉妹ファンド、運用そのものは事実上変わらず、異なるのは後述する信託報酬や販売会社のみと言って良いでしょう。
投資銘柄
投資する銘柄数は2,137銘柄、TOPIXの構成銘柄数は2,137(2024.7末日時点)ですので、ほぼ全ての銘柄を組み入れています。
組入れ上位10銘柄は下図の通り。
画像引用:つみたて日本株式(TOPIX) 月報(2024/7)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、1位のトヨタ自動車ですら3.9%ですので、広く分散されたポートフォリオである事が分かります。
ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクが多くを占める日経平均株価とは大きく異なります。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
つみたて日本株式(TOPIX)の信託報酬は0.1980%(税込)。
実質コストは0.202%(税込、2023.6決算時点)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社の低コスト・国内株式(TOPIX)インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | ステート・ストリートTOPIXインデックス・オープン | 0.1078% | --- |
2 | SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス | 0.1133% | 0.494% |
3 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.1430% | 0.147% |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1430% | 0.145% |
3 | はじめてのNISA日本株式(TOPIX) | 0.1430% | 0.147% |
6 | iFree TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.165% |
6 | Smart-i TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.161% |
6 | My SMT TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.160% |
6 | 東京海上セレクション・日本株TOPIX | 0.1540% | 0.159% |
10 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1760% | 0.184% |
11 | たわらノーロードTOPIX | 0.1870% | 0.189% |
12 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(TOPIX) | 0.1980% | 0.202% |
つみたて日本株式(TOPIX)は12位とここであげたファンドの中では最下位。
姉妹ファンドのeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)とは信託報酬で0.055%ポイントの差があります。
ただ、上表では低コストのファンドのみリストアップしていますので、全体から見るとつみたて日本株式(TOPIX)も十分低コストの部類です。
信託報酬の変更履歴
つみたて日本株式(TOPIX)は、2017年8月に設定された後、まだ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/8/16 | 0.1944% | 新規設定。設定時はeMAXIS Slimと同じで最低水準。 |
2019/10/1 | 0.1980% | 消費税増税(8%-->10%) |
??? | ???% |
設定当初はeMAXIS Slimと同じ信託報酬で、他社を含めて最低水準のレベルでした。しかし、その後、eMAXIS Slimや<購入・換金手数料なし>ニッセイが複数回の引下げを行い、今では大きな差がついてしまいました。
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つみたて日本株式(TOPIX)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からつみたて日本株式(TOPIX)の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
月によってバラバラ、資金流出の月も多くあります。決して安定した人気があるとは言えないようです。
(もしくは短期で売買する方が多いのかもしれません?)
ただ、それでも純資産はゆっくりとしたペースですが増えてきています。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じTOPIXでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は、2024年7月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
つみたて日本株式(TOPIX)は、eMAXIS Slimと同じ巨大なマザーファンドで運用している事もあり、ベンチマークとの乖離がない安定した運用で、そのコストに応じた騰落率となっています。
ただ、信託報酬・実質コストが低いeMAXIS Slim等には騰落率で負けています。
勿論、もう一つの姉妹ファンド、eMAXIS(Slimがつかない)には十分勝っています。
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まとめ
つみたて日本株式(TOPIX)は、比較的低コスト、そして安定した運用と、国内株式(TOPIX)に投資するインデックスファンドとして間違った選択ではありません。
ただ、より低コストのeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)で運用すれば、さらに高いリターンを得ることが出来ます。(株価低迷時でも損失が小さくなる)
つみたて日本株式(TOPIX)と姉妹ファンドとも言えるeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は中身は基本的に同じもの、値段(コスト=信託報酬)と販売会社が違うだけです。
もし、つみたて日本株式(TOPIX)だけしか取扱っていない金融機関(多くは銀行や店頭証券)で取引されているのであれば、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)等の超低コストファンドを扱っているネット証券に変更されては如何でしょう。
NISAの口座も毎年変更する事が出来ます。
販売会社
つみたて日本株式(TOPIX)は、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券、マネックス証券、松井証券等の主要ネット証券、
さらに多くの銀行、店頭証券で購入出来ます。
一方、上記ネット証券であればeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)も取扱っています。
どちらを選択すべきかは言うまでもないでしょう。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
個人型確定拠出年金(iDeCo)で投資したい方は、つみたて日本株式(TOPIX)はauカブコム証券で、
低コストのeMAXIS SlimはSBI証券(セレクトプラン)、松井証券で取り扱っています。
ライバルとなるファンド
たわらノーロード TOPIX
つみたて日本株式(TOPIX) (本記事)
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インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。