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ファンド紹介・解説

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) 【Funds-i Basic】の評価・評判・人気。eMAXIS Slim(オルカン)、Tracers(トレカン)との比較も!

投稿日:2024年6月13日 更新日:

1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するインデックスファンドはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) について解説します。

[最終更新日:2024.7.30]初回決算での実質コスト、マザーファンド純資産総額判明。
[2024.6.13]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.5末日時点の情報に基づき記載しています。

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はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) の基本情報

本記事で解説するのは1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)

愛称はFunds-i Basic 全世界株式(オール・カントリー)

2023年7月10日設定と未だ約1年、運用を開始したばかりの新しいファンドです。

先ず、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の基本情報をまとめます。

運用会社野村アセットマネジメント
設定日2023年7月10日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークMSCI All Country World Index(配当込み・グロス)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.05775%
実質コスト0.082%(*2)
純資産総額 152.6億円(2024.5.31時点)
(マザーファンド) 純資産総額 [先進国株式]22,901億円(2024.4.1時点)
[新興国株式]1,271億円(2024.5.10時点)
[日本株式] 10.8億円(2024.6.3時点)
分配金実績
NISA(つみたて投資枠)対象商品
NISA(成長投資枠)対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.0175%
楽天証券ポイント還元年率---%(*1)
マネックス証券ポイント還元年率0.0175%
松井証券ポイント還元年率0.0175%

(*1)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)
(*2)2024.6.3第1回決算より。330日間の決算結果を1年に換算した値。

 

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投資対象

ベンチマークMSCI All Country World Index [ACWI][配当込み]で日本を含む先進国、新興国の株式に投資します。

MSCI ACWIは全世界47カ国・地域(先進国23カ国+新興国24カ国)の大型株、中型株、約2,800の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数です。これだけで全世界株式の時価総額の約85%をカバーします。

尚、配当込み指数には配当に対する源泉徴収税を考慮したネットと、税引前のグロスの2種類ありますが、月次レポートのベンチマーク騰落率から判断するにグロスのようです。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。

 

マザーファンド

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)

画像引用:はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)交付目論見書

外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド、新興国株式マザーファンドは同社のFunds-iシリーズなどでも使われている長い運用実績のある既存のマザーファンドで、外国株式が22,901億円(2024.4.1時点)、新興国株式が1,271億円(2024.5.10時点)と十分な純資産を保有しています。

一方、MSCIジャパンマザーファンドは、本ファンドと同時に新規設定されたものです。新規マザーファンドという事で、運用当初はベンチマークとの乖離、コストの増大などが懸念されますが、本ファンド全体で見た時、日本株式は5%程度ですので、そう大きな影響はないと推測します。
純資産総額は11億円(2024.6.3時点)

 

投資国比率

(ベンチマークの)投資国比率は下図のようになります(2024.1末時点)

MSCI All Country World Index(MSCI ACWI)構成国比率

トップはアメリカで63%、全体の半分以上を占めます。そして日本 6%、イギリス 4%と続きます。

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

 

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手数料(信託報酬、実質コストなど)

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の最大の魅力は何と言っても圧倒的な信託報酬の低さ。

全世界株式インデックスファンドだけでなく、ファンド全体としても最低水準の0.05775%(税込)です。

初回決算での実質コストは0.082%、信託報酬以外のコストも十分低く抑えられています。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

信託報酬に含まれる費用の範囲はeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)等と同じか?

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)と同じくMSCI ACWIに連動するインデックスファンドで、かつ同一信託報酬のTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)が2023.4末に設定されましたが、Tracersの場合、信託報酬に指数の標章使用料等が含まれていない事が話題になりました。

*Tracersは、後に諸費用の上限を0.1%から0.03%に引き下げる事を発表し、(指数使用料等を含めた)信託報酬は最大で0.08775%になると思われます。

しかし、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の場合、交付目論見書、請求目論見書を見る限り、特に指数標章使用料等の記載はなく、従来のファンドと同様、信託報酬に含まれていると推測します。

 

他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

MSCI ACWIをベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが(日本を含む)全世界の株式に時価総額比率で投資するインデックスファンドと比較してみます。

さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(TOPIX、先進国株式、新興国株式)を6%:83%:11%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。

(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。

*ファンド名下の[]内はベンチマーク。[FTSE]はFTSE Global All Cap Index、[MSCI]はMSCI All Country World Indexの略。

 ファンド信託報酬実質コスト
1楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
[MSCI]
0.05610%0.196%
2eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
[MSCI]
0.05775%0.113%
2はじめてのNISA・全世界株式インデックス
[MSCI]
0.05775%0.082%
2'Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)
[MSCI]
0.05775%
(上限0.08775%)
0.139%
5ステート・ストリート全世界株式インデックス・オープン
[MSCI]
0.0748%---
6PayPay投資信託インデックス世界株式
[FTSE]
0.0910%1.422%
7SBI・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.1022%0.112%
個別ファンドの組合せ0.1074%
8たわらノーロード 全世界株式
[MSCI]
0.1133%0.187%
9Smart-i Select 全世界株式
[MSCI]
0.1144%0.181%
10SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.1338%0.151%
11楽天・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.192%0.214%
12つみたて全世界株式
[MSCI]
0.1980%0.261%
13ステート・ストリート
全世界株式インデックス
[MSCI]
0.5280%0.597%

信託報酬最安値は2023.10.27に設定され、2023.12.1には早くも信託報酬を引下げた楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド

ただ、これに続く、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)との差は大きくありません。

そして、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)、実質コストではeMAXIS Slim(オルカン)より低く、最安値です。

 

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はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)

月次資金流出入額からはじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の人気・評判

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は毎月数百億以上の資金流入があり(上図にもプロットしていません)、これには当然敵いませんが、2番手争いをリードするのは楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド

はじめてのNISAは、Tracersを上回る流入額になっていますが、たわらノーロード全世界株式つみたて全世界株式には負けています。

 

運用状況は? トレカン/オルカンに勝てるか?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

下図は2024年5月末日時点の6カ月騰落率をベンチマークが同じ複数のファンドでプロットしたものです。

*といってもはじめてのNISA、Tracers、楽天は未だ実質コストが分かりませんので、はじめてのNISA、楽天は信託報酬、Tracersは信託報酬+諸費用上限(0.03%)でプロットしてあります。

そして、配当課税を適切に考慮した真のベンチマークから決まるコストと騰落率の関係が図中グレーの点線です(多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないであろうとの仮定の下、管理人の主観で決めた値)

このグレーの点線上にあればコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないと推測できます。

あるいは、実質コストを推測する事も出来ます。

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の評価

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は、Tracersには負けるものの多くのファンドより高い騰落率を示しており、設定されたばかりですが、先ずは運用に大きな問題はないと言って良いでしょう。

信託報酬以外のコスト(実質コスト)も低く抑えられていると推測します。

 

日次騰落率のeMAXIS Slimとの比較

日次騰落率をeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と比較します。

下図は日々の騰落率のeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の差をプロットしたものです。

*同時にたわらノーロード全世界株式Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)もプロットしてあります。

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の評価

*縦軸は%ポイント

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の日次騰落率はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と比較して概ね0.01%ポイント以内。

設定当初は大きく乖離するファンドが多いのですが、本ファンドは設定から1年弱で大きな乖離が見られた日は殆どありません。強いて言えば、設定後6カ月ぐらいまでは0.01%を超える日も数日ありましたが、直近4カ月ではほぼ無くなっています。

 

以上、運用結果の評価ですが、設定から1年弱、概ねベンチマークとの乖離が少ない運用になっていると言って良いでしょう。また、実質コストもそう高くならないと推測します。

 

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) の分配金

当然、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は未だ分配金を出した実績はありません。

今後も出さないと予測しますが・・・

これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。

 

[PR]なぜ時価総額比率なのか?
はじめてのNISA・全世界株式(オール・カントリー)は全世界の株式に時価総額比率で投資しますが、現代ポートフォリオ理論では、市場ポートフォリオ=時価総額比率が最も効率的とされています。詳しくは下記書籍などを参照して下さい。

 

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まとめ

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は、MSCI ACWIをベンチマークとし驚異的に低い信託報酬で設定されたばかりの新しいファンドです。

しかも、信託報酬に含まれる費用の範囲もeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)等と同じと思われます。

設定当初はベンチマークと大きく乖離する事が多いのですが、本ファンドは設定後1年弱の騰落率では特に問題はみられず、順調な出だしと言って良いでしょう。

今後、信託報酬以外のコストがどの程度になるか、実質コストでeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に勝る事ができるかに注目。

いずれにせよ2024年から始まった新NISAの投資先として、有力な選択肢の一つとなるファンドになると期待しています。

 

販売会社

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)は下記ネット証券で取り扱っています。

マネックス証券 クレジットカード積立 最高水準のポイント還元率1.1%
マネックス証券ではdカードやマネックスカード(クレジットカード)で投資信託が積立出来ます。ポイント還元率は月5万円までの投信積立では最高水準の1.1%(5~10万円部分の還元率は下がります)
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。

公式サイトマネックス証券

 

SBI証券 三井住友カードでのクレジットカード積立
SBI証券では三井住友カードで投資信託積立が出来ます。ポイント付与率はスタンダードカードで最大0.5%、ゴールドカードなら最大1.0%(2024.11買付分からはカード利用実績に応じた付与率に変更)
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。

公式サイト SBI証券

 

auカブコム証券のクレジットカード積立 & auじぶん銀行との連携
auカブコム証券はau Payカードで投資信託積立が出来ます。Pontaポイント還元率は1.0%(月10万円まで)。
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。

公式サイトauカブコム証券

 

楽天証券 クレジットカード & 楽天キャシュ積立 
楽天証券では楽天カードで投資信託積立が出来ます。信託報酬(販売会社分)が税込0.4%未満のファンドの還元率は0.5%(ゴールド、プレミアム、ブラックなら還元率アップ)、0.4%以上のファンドの還元率は1.0%(ブラックなら2.0%)
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。

公式サイト楽天証券

公式サイト楽天カード

 

松井証券 投信保有での最高水準のポイント還元
松井証券は、投資信託保有による最高水準のポイント還元率が魅力。
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。

公式サイト松井証券

 

勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。)

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)  

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド 

はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) (本記事)

Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) 

たわらノーロード 全世界株式

つみたて全世界株式

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・VT)

 

他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

 

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