ファンド比較、運用状況、決算

【米国株式インデックスファンドの評価】2020年人気(資金流出入額)ランキング、運用成績の比較。

投稿日:2020年7月5日 更新日:

米国株式(NYダウ、S&P500など)との連動を目指すインデックスファンドについて純資産総額、資金流出入額、運用成績(ベンチマークとの乖離)を調査します。

*原則3カ月毎に更新します。

[最終更新日:2020.7.9]当初、「2020年5月にeMAXIS Slimが乖離を起こしていた可能性がある」と記載していましたが、ベンチマーク値との比較からこれが間違いである事が分かりました。
お詫びして訂正します。
[2020.7.5]2020.6末時点の情報に更新。

*本記事は原則2020年6月末日時点の情報に基づき記載しています。

ベンチマークとの乖離は、月報・運用報告書に記載されていますが、その値を他社のファンドと比較する事は出来ません。各社、同じベンチマークでも、配当込・除く、配当課税有無、円換算レートなどの影響でベンチマーク騰落率がファンドにより異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークとの乖離を評価していきます。

参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

スポンサーリンク

見出し

米国株式インデックスファンドの最近のニュース

NewseMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 2期目決算

 

News楽天・全米株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 純資産総額1,000億円突破

楽天・全米株式インデックス・ファンドが2020.5.27に、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が2020.5.28に、それぞれ純資産総額1,000億円を突破。
そして、2020.5.29には、約9ヶ月遅れで設定されたeMAXIS Slim米国株式(S&P500)楽天・全米株式インデックス・ファンの純資産総額を抜きました。

 

比較した米国株式インデックスファンドの信託報酬・純資産総額

比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、2020年6月末時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)

*信託報酬は税込み。実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して8%から10%に換算した概算値です。

ファンド信託報酬
(実質コスト)
設定日純資産総額
(億円)
NYダウ
NZAM・ベータ・NYダウ0.2310%
(---%)
2020/3/123.9
iFree NYダウ・インデックス0.2475%
(0.279%)
2016/9/8175.4
たわらノーロード NYダウ0.2475%
(0.382%)
2017/3/2135.4
SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン0.5500%
(0.574%)
2013/11/19164.5
eMAXIS NYダウインデックス0.6600%
(0.687%)
2013/8/7177.4
日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式)0.6820%
(0.809%)
2014/3/3122.2
S&P500
SBI・バンガード・S&P500インデックス0.0938%
(決算前)
2019/9/26426.3
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%
(0.141%)
2018/7/31,123.4
つみたて米国株式(S&P500)0.2200%
(---%)
2020/3/60.1
iFree S&P500インデックス0.2475%
(0.299%)
2017/8/31118.5
NZAM・ベータ S&P5000.2640%
(---%)
2020/2/130.1
iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド0.4125%
(0.433%)
2013/9/342.0
SSGA米国株式インデックス・ファンド0.4950%
(0.585%)
2017/9/2940.6
CRSP USトータル・マーケット・インデックス[VTI]   
楽天・全米株式インデックス・ファンド0.1620%
(0.225%)
2017/9/291,076.9
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス[VYM]   
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド0.1920%
(0.339%)
2018/1/1025.2
NASDAQ100
NZAM・ベータ NASDAQ1000.4400%
(---%)
2020/3/126.2
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス0.4950%
(0.564%)
2018/8/3152.0
S&P500配当貴族指数
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族[Funds-i]0.5500%
(0.606%)
2017/1/1091.9
米国配当貴族(年4回決算型)0.5500%
(0.615%)
2018/11/14156.0
SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン0.6050%
(0.721%)
2016/8/3011.6

 

最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。

 

米国株式の各指数について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

 

NYダウ (ダウ・ジョーンズ工業株価平均)

NYダウとの連動を目指すインデックスファンドで信託報酬最安値は、2020.3.12に新規設定されたばかりのNZAM・ベータ・NYダウ

これに続くのがiFree NYダウ インデックスたわらノーロードNYダウの0.2475%。ただし、たわらノーロードの実質コストは前期より下がったとはいえ未だ0.382%と信託報酬以外のコストが大きくなっています。

そして、純資産総額では2020.3に多くの資金を集めたeMAXIS NYダウインデックスがトップです。

 

S&P500

S&P500との連動を目指すインデックスファンドは、設定から2年のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が純資産総額でiFree S&P500インデックスを抜きトップとなっています。

2019.1.18には100億円の大台にのり、2020.1.20に500億円、そして2020.5.28には1,000億円を突破しました。尚、受益者還元型信託報酬により、500億、1000億を超えた部分については上表記載の値より僅かながら低い信託報酬が適用されています。

6月末日時点の純資産総額は1,123億円です。今回比較する米国株式インデックスファンドの中で最も純資産総額の大きいファンドです。

そして、2019年9月26日に超低コストで設定されたSBI・バンガード・S&P500インデックス。僅か9カ月で400億円を超えました。

 

楽天・バンガード・ファンド (楽天VTI/VYM)

それぞれ米国バンガード社のETF VTI、及びVYMに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド

楽天・全米株式インデックス・ファンドは設定から僅か1年4カ月で300億、2019.7.25には500億円、2020.5.27には1,000億円を超え、2020年6月末時点で1,077億円。ただ、2020.5.29に純資産総額でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に抜かれました。

一方、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドは設定から2年半近く、純資産総額25億円とあまり伸びていません。

尚、楽天・全米株式の実質コストは2期目の決算が公表され、初回決算の0.311%から0.221%(消費税8%)/0.225%(消費税10%)まで下がりました。

 

S&P500配当貴族指数

S&P500配当貴族指数との連動を目指すインデックスファンドは野村インデックスファンド・米国配当貴族[Funds-i](野村AM)米国配当貴族(年4回決算型)SMT 米国株配当貴族インデックス・オープンの3本。

信託報酬・実質コストでは野村の2本が低く、純資産総額では設定が最も遅い米国配当貴族(年4回決算型)が大きくなっています。

スポンサーリンク

資金流出入額 【米国株式インデックスファンド・人気ランキング】

2020年4~6月の概算の月次資金流出入額(*)3カ月合計、及び2020年累計(6月までの6カ月間)を見てみます。

2020年4~6月の資金流出入額が大きい順にならべてあります。

どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。

ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。

米国株式インデックスファンド資金流出入額
2020年4~6月2020年累計
順位ファンド(億円)順位(億円)
1eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)302.91675.9
2楽天・全米株式インデックス163.72370.0
3SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド145.03340.2
4iFreeNEXT NASDAQ100インデックス20.0833.0
5iFree NYダウ・インデックス16.7748.8
6米国配当貴族(年4回決算型)11.8675.0
7iFree S&P500インデックス10.1926.5
8野村インデックスファンド・米国株式配当貴族8.21024.2
9eMAXIS NYダウインデックス7.7576.9
10SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン4.8480.0
11楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド2.0157.9
12SSGA米国株式インデックス・ファンド1.71123.3
13NZAM・ベータ NASDAQ1001.7161.8
14たわらノーロード NYダウ1.71217.7
15iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド0.81310.8
16日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式)0.4148.8
17NZAM・ベータ・NYダウ0.1170.1
18SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン0.120-0.1
19つみたて米国株式(S&P500)0.1180.1
20NZAM・ベータ S&P5000.0190.0

2020年4~6月は上記20本の資金流出入額合計で700億、株価が急落した1-3月が1,122億円でしたので、資金流入という点でもちょっと落ち着いてきた感があります。

その中でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)楽天・全米株式インデックス・ファンドSBI・バンガード・S&P500インデックスの3本が突出して多く、この3本だけで612億の資金流入です。

そして、この3本の中でも圧倒的な資金流入額の多さでトップとなったのがeMAXIS Slim米国株式(S&P500)

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) vs. 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド) vs.SBI・バンガード・S&P500

米国株式インデックスファンドで人気の3本、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)楽天・全米株式インデックス・ファンドSBI・バンガード・S&P500インデックスの資金流出入額を比較します。

米国株式(S&P500)インデックスファンド 資金流出入額

 

2020年4~6月期3カ月合計でのランキング順にコメントします。

1位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

1位はS&P500との連動を目指すeMAXIS Slim米国株式(S&P500)

毎月大きな資金流入がありますが、特に株価が急落した2020年3月は201億円と巨額の資金を集め、直近3カ月でも約100億/月の資金流入があります。

2019年12月以降、楽天・全米株式インデックス・ファンドを抜いて1位をキープしています。

 

2位 楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天・バンガード・ファンド)

設定来、人気を集めているのが楽天・バンガード・ファンドの一つである楽天・全米株式インデックス・ファンド、通称、楽天VTI

設定当初からほぼ毎月10~50億円と巨額の資金流入が続いています。

最近はeMAXIS Slimに負けてはいるものの、本ファンド自体の資金流入が減った訳ではありません。

 

3位 SBI・バンガード・S&P500インデックス

設定から未だ1年にも満たないにもかかわらず、早くも大きな人気を集めているのがSBI・バンガード・S&P500インデックス

2位の楽天・全米株式インデックス・ファンドに迫る勢いです。

当初販売会社がSBI証券 1社だけでしたが、2020.4以降、マネックス証券岡三オンライン証券auカブコム証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)と増えてきており、それに伴い資金流入もますます増えてくると予想されます。

 

NYダウ・インデックスの資金流出入額比較

NYダウ連動型の主なインデックスファンドの資金流出入額を比較したのが下図。

米国株式(NYダウ)インデックスファンド 資金流出入額

月毎に資金流出入額が大きく変わる傾向があるNYダウですが、株価が急落した2020年3月は巨額の資金流入がありました。

ただ、その後、資金流入は減り、6月には多くのファンドが資金流出となっています。

資金流入・流出とも多いのが、決して低コストとは言えないSMTeMAXIS

NYダウへの投資はこういった古参ファンドが中心で、低コストのiFree NYダウインデックスたわらノーロード、そして2020.3.12に新規設定され、信託報酬最安値となるNZAM・ベータ・NYダウも未だ大きな資金流入はありません。

 

NASDAQ100インデックス

米国株式(NYダウ)インデックスファンド 資金流出入額

2020年に入り急激に人気を集めているのがNASDAQ100

NASDAQ100との連動を目指すインデックスファンドは本数が少なく、現状はiFree NEXT NASDAQ100インデックスの独占状態。

iFreeより低コストのNZAM・ベータ NASDAQ100が2020.3.12に新規設定されましたが、まだ多くの資金を集めるまでには至っていません。

NASDAQ100との連動を目指すインデックスファンド、ETFの詳細は下記ページをご覧ください。

 

リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか?ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)は?

各米国株式インデックスの騰落率の比較

先ずは2020.6月末日時点の3カ月、年初来(6カ月)、1年騰落率を比較してみます。各ベンチマークで代表的な(運用期間が長い)ファンドで比較します。

3カ月、年初来、直近1年間のリターン
インデックス(ファンド)3カ月騰落率年初来騰落率1年騰落率
NYダウ(iFree)14.0%-11.4%-1.8%
S&P500(iシェアーズ)15.5%-6.5%5.6%
S&P500配当貴族(SMT)13.4%-12.6%-1.5%
CRSP USトータル・マーケット[VTI](楽天・全米)17.1%-6.9%5.0%
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス[VYM](楽天・米国高配当)7.8%-17.1%-7.5%
NASDAQ100(iFree)25.0%11.6%30.0%

2020年に入り新型コロナの影響で米国株は大きく下落、そして、その後急速に回復している過程にありますが、その中で最も好調なのがNASDAQ100、既に年初来でプラスに転じ、ここで評価している全ての期間で最も高いパフォーマンスを示しています。

一方、冴えないのが、S&P500配当貴族やFTSEハイディビデンド・イールド・インデックス。

 

次にNYダウS&P500について直近5年間の年率リターン、リスク、シャープレシオ(無リスク資産のリターン=0)をまとめます。

尚、参考までに先進国株式(MSCI Kokusai)とも比較します。

直近5年間のリターン・リスク 
インデックス(ファンド)年率リターン年率リスクシャープレシオ
NYダウ(SMT)6.9%18.3%0.38
S&P500(iシェアーズ)6.7%17.7%0.38
MSCI kokusai(SMT)4.0%18.0%0.22

直近5年間ではNYダウS&P500をリターンで僅かに上回っていますが、リスクも高く、シャープレシオは同等です。

NYダウS&P500を、先進国株式[MSCI kokusai]と比較すると、リターンは大きく上回り、シャープレシオでも勝っています。ここ数年の米国株式の強さがわかります。勿論、今後もこの成績が続くかどうかはわかりませんが。

尚、各米国株式指数の詳細、長期のパフォーマンス比較は下記記事をご覧ください。
参考記事米国株式(アメリカ株)インデックスファンド、そのベンチマーク(指数)を解説、比較。

スポンサーリンク

ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)

NYダウS&P500に連動を目指す各インデックスファンドのベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)を調べます。

騰落率と実質コストの関係から乖離を評価します。

*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果です。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。
*騰落率は全て分配金再投資時(分配金課税無)の基準価額より計算。

騰落率とコストの関係は、理想的にはインデックス騰落率から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、配当課税を適切に考慮したインデックス騰落率がわかりませんので、管理人の主観で、図中グレーの点線を引いています。

(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。

 

NYダウ連動型インデックスファンドのベンチマークとの乖離

2020.6末日時点の1年騰落率と実質コストの関係を見てみます。

米国株式(NYダウ)インデックスファンド

概ね各ファンド、そのコストに応じた騰落率となっています。

ただ、厳密には実質コストで勝る(低い)iFreeの騰落率がたわらノーロードより低くなっています(2019年は実質コストに応じた騰落率になっていたのですが)

信託報酬が同じ両者ですが、ここ数カ月、信託報酬以外のコストに変化があったか、どちらかが若干の乖離を起こした可能性があります。

 

NZAM・ベータ・NYダウ

信託報酬最安値で2020.3.12に設定されたNZAM・ベータ・NYダウ、この運用結果を2020.6末日時点の3カ月騰落率で見てみます。

米国株式(NYダウ)インデックスファンド

他のファンドに比べて大きくマイナス側に位置しており、大きな乖離、または信託報酬以外のコストの増大が起きていると推測されます。

まだ安定した運用とは言えませんが、これからの結果に注目していきましょう。

 

S&P500連動型インデックスファンドのベンチマークとの乖離

データ数を増やすため農林中金<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500を追加します。

2020.6末日時点の1年騰落率と実質コストの関係を見てみます。

米国株式(S&P500)インデックスファンド

S&P500はコストと騰落率の相関が弱い事が多いのですが、その中でも順当に信託報酬・実質コスト最安値のeMAXIS Slimの騰落率が最も高くなっています。

 

SBI・バンガード・S&P500インデックスの運用状況は?

SBI・バンガード・S&P500インデックスは、設定から未だ1年経っていませんので上図にはプロットしてありません。そこで6カ月騰落率で評価してみます。

SBI・バンガード・S&P500インデックスとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)との比較

各ファンドのコストと騰落率の相関があまり良くありませんが、その中で、SBI・バンガード・S&P500インデックスは、eMAXIS Slimより高い騰落率を示しています。

2020.3までの評価ではeMAXIS Slimの方が騰落率が高く、SBI・バンガード・S&P500インデックスはベンチマークとの乖離、あるいは、信託報酬以外のコスト増大が起きていると推測していましたが、これは解消されたのでしょうか?

下図は各月のSBI・バンガード、及びiFreeの1カ月騰落率をeMAXIS Slimとの差としてプロットしたものです。

SBI・バンガード・S&P500インデックスとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)との比較

多くの月でSBI・バンガードの月次騰落率はeMAXIS Slimより低く、この傾向は直近の2020年6月でも見られます。

ただ注目すべきは2020年5月。SBI・バンガード、さらにiFreeeMAXIS Slimより騰落率が高くなっています。さて、この5月のファンド間の騰落率の違い、どのファンドがベンチマークとより正確に連動しているのでしょうか? 検証してみます。

下図は2020年5月の1カ月騰落率を実質コスト(/12)に対してプロットしたものです。同時にベンチマーク(グロス・ネット)の値も示しています。
*ベンチマーク値はS&P Dow Jonesより、円換算は三菱UFJ銀行のTTM使用。

ベンチマーク値は茶色の点線で示しています。グロスとは配当込みで配当課税を考慮しない指数、ネットは配当込み、配当課税を考慮した指数です。但し、ネットでも日本に対する税率を適切に考慮している訳ではなく、経験的には(日本に対する源泉徴収税率を適切に考慮した)真のインデックスはネットとグロスの中間にあるようです。

そして、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないとすれば、実質コストと騰落率の関係は、真のインデックスから決まる切片、傾きの直線上になければなりません。少なくとも、グロスより上にある事はあり得ません。

しかしながら、上図ではSBI・バンガード、それにiFreeもグロスの上にあります。これは、SBI・バンガードiFreeがベンチマークに対して上方乖離している可能性を示唆します。

一方、eMAXIS Slimはグロス、ネットの中間に位置しています。

これから、2020年5月に見られたeMAXIS SlimSBI・バンガードiFreeの騰落率の大きな差は、SBI・バンガードiFreeの乖離によるもので、eMAXIS Slimがよりベンチマークに近い運用になっていたと考えられます。

即ち、SBI・バンガード・S&P500インデックスの運用(信託報酬以外のコスト増大を含む)は未だ安定しているとは言えないという事になります。

(注意)理屈では前述のようにグロスよりファンド騰落率が上回ってはいけないのですが、先進国株式(MSCI KOKUSAI)ファンドを見ていると、短期間の騰落率では多くのファンドがグロスを上回る月もあるようです。指数とファンドで資産に配当を組み入れる時期が異なるのでしょうか???
よって、あくまで上記解説は管理人の推測という事になります。

 

NZAM・ベータ S&P500、つみたて米国株式(S&P500)の運用状況は?

それぞれ2020.2、2020.3に設定されたNZAM・ベータ S&P500つみたて米国株式(S&P500)の運用状況を3カ月騰落率から見てみます。

米国株式(S&P500)インデックスファンド

つみたて米国株式(S&P500)eMAXIS Slimと同じマザーファンドで運用しますので、騰落率もそれぞれのコストに応じた値となっています。

一方、NZAM・ベータ S&P500は大きくマイナス側に位置しています。これはベンチマークとのマイナス乖離、もしくは信託報酬以外のコストの増大を意味します。尚、同じマザーファンドで運用する農林中金<パートナーズ>米国株式 S&P500インデックスもコスト分の差こそあれ同様の騰落率となっています。いずれもベンチマークとの乖離が生じているのでしょう。

 

おすすめの米国株式インデックスファンドは?

(注)「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。

*SBI・バンガード・S&P500インデックスは、まだ運用実績が十分ではない為、対象外とします。

NYダウ

iFree NYダウ・インデックス

設定から3年超、順調に純資産を伸ばしている事、そして低いコストに応じた高い騰落率となっています。

ただ、最近はたわらノーロード NYダウが騰落率で上回る事が多く、今後の結果に注目です。

 

S&P500

信託報酬最安値の

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 

そのコストの低さに応じた高い騰落率となっており、運用もベンチマークとの乖離がない安定した運用と言えるでしょう。

2期目決算で実質コストもさらに下がりました。

 

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

CRSP USトータル・マーケット・インデックス、そしてVTIに気軽に投資できるファンド。

初回決算では実質コスト0.311%と高めでしたが、2期目決算で十分下がり「信託報酬以外のコスト」という点では問題なくなりました。そして小型株を含めた米国株式に投資できる唯一無二の存在だけに、そのベンチマークに拘りがあり、米国ETF VTIへの直接投資の代わりとして、つみたてNISA等で購入したい方にはお勧め。

ただ、ベンチマークが違うとはいえSBI・バンガード・S&P500インデックスeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と信託報酬の差が大きすぎます。信託報酬引下げを期待!

 

まとめ

以上、米国株式に投資するインデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、及びベンチマークとの乖離を調査しました。

圧倒的な人気を誇るのがeMAXIS Slim米国株式(S&P500)楽天・全米株式インデックス・ファンド、そして設定から1年にも満たないSBI・バンガード・S&P500インデックスを加えた3本。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は運用も安定しており、資金流入額でも圧倒的な強さを見せています。純資産総額も1,000億円を超え、(ここで評価対象にしたファンドの中で)最も大きな米国株式インデックスファンドです。さらに、2019.11.12からの信託報酬引下げでコスト的にもSBI・バンガードと並び最安値(税抜き)をキープしています。

楽天・全米株式インデックス・ファンド、依然、大きな資金流入額で純資産総額も1,000億を超えました。

そして早くも人気を集めているSBI・バンガード・S&P500インデックスにも注目です。運用の安定性(もしくは信託報酬以外のコストの低減)が確認出来たら、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の良きライバルファンドとなる事でしょう。

NYダウではiFree NYダウ・インデックス。低い信託報酬と、それに応じた高い騰落率で、純資産総額も古参のSMTeMAXISと同等レベルに達しています。

 

販売会社

ここで取り上げた米国株式インデックスファンドは主に下記ネット証券を中心に販売されています。

SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券

楽天証券
投資信託保有で毎月楽天スーパーポイントがもらえます。さらに楽天スーパーポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
*SBI・バンガードは取扱い無
公式サイト楽天証券楽天カード

SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一eMAXIS Slimシリーズ、SBI・バンガード、楽天・バンガードを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券

松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券

その他のネット証券
マネックス証券auカブコム証券岡三オンライン証券等。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)では、

楽天・全米株式インデックスファンド楽天証券 iDeCo

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、マネックス証券 iDeCoSBI証券 iDeCo(セレクトプラン)で取扱っています。

 

 

米国株式の各種インデックスについての解説は下記記事を参照して下さい。

 

他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。

先進国株式インデックスファンド

新興国株式インデックスファンド

米国株式インデックスファンド(本記事)

全世界株式インデックスファンド

国内株式(TOPIX)インデックスファンド

国内株式(日経平均株価)インデックスファンド

国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド

国内株式(JPX日経中小型株指数)インデックスファンド

先進国債券インデックスファンド

新興国債券インデックスファンド

国内債券インデックスファンド

先進国REITインデックスファンド 

国内REITインデックスファンド

 

スポンサーリンク

応援お願いします。
にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へにほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 その他生活ブログ 家計管理・貯蓄へ

-ファンド比較、運用状況、決算

Copyright© しんたろうのお金のはなし , 2020 All Rights Reserved.