S&P先進国REIT指数との連動を目指す先進国リートインデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドも同時に評価しますが、本ファンドだけはベンチマークが新興国を含むS&Pグローバルリートインデックスです。
*原則6カ月毎に更新します。
[最終更新日:2023.1.12]2022年12月末日時点の情報に更新
S&P先進国REIT指数って何? 先進国ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。
参考記事【外国REITインデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
*本記事は2022年12月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
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見出し
比較した先進国リート(REIT)インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2022年12月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*信託報酬、実質コストは税込表記。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額(億円) |
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス | 0.2200% (0.292%) | 2019/10/31 | 191.2 |
Smart-i 先進国リートインデックス | 0.2200% (0.364%) | 2017/8/29 | 34.3 |
たわらノーロード先進国リート | 0.2970% (0.548%) | 2015/12/18 | 230.2 |
三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.2970% (0.485%) | 2016/9/23 | 196.7 |
My SMT グローバルREITインデックス | 0.2970% (決算前) | 2022/3/29 | 1.9 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | 0.2970% (0.429%) | 2013/12/10 | 109.2 |
iFree 外国REITインデックス | 0.3410% (0.410%) | 2016/9/8 | 22.3 |
野村インデックスファンド・外国REIT[Funds-i] | 0.6050% (0.656%) | 2010/11/26 | 48.8 |
SMT グローバルREITインデックス・オープン | 0.6050% (0.659%) | 2008/1/9 | 286.4 |
eMAXIS 先進国リートインデックス | 0.6600% (0.720%) | 2009/10/28 | 140.7 |
*My SMT グローバルREITは現時点(2023.1.12)で三井住友信託銀行のみでの販売です。
信託報酬最安値はSmart-i 先進国リートインデックス、そして2019年10月30日に設定されたeMAXIS Slim 先進国リートインデックス、3位以下を大きく引き離しての同率トップです。
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス、実質コスト0.292%、これは単独最安値です。また、純資産総額も191億とSmart-iを大きく上回っています。
Smart-i 先進国リートインデックスの実質コスト、年々下がってきてはいますが、まだ0.364%と信託報酬以外のコストが若干高くなっています。純資産総額も34億円と大きくありません。
純資産総額トップはSMT グローバルREITインデックス・オープン。設定から10年を超える歴史のあるファンドです。
尚、ベンチマークが異なり新興国も含みますが<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートは信託報酬も低く、純資産も比較的大きくなっています。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
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資金流出入額 [先進国リート(REIT)インデックスファンド 人気ランキング]
2022年下半期(7~12月)の概算の月次資金流出入額(*)6カ月合計、及び2022年1年間合計を見てみます。
2022年下半期の半期の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2022年7~12月 | 2022年合計 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | eMAXIS Slim先進国リートインデックス | 26.7 | 2 | 67.1 |
2 | たわらノーロード先進国リート | 25.0 | 1 | 70.8 |
3 | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 17.8 | 3 | 57.5 |
4 | eMAXIS 先進国リートインデックス | 5.5 | 4 | 17.0 |
5 | Smart-i 先進国リートインデックス | 3.6 | 6 | 8.3 |
6 | <購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | 2.8 | 7 | 5.2 |
7 | My SMT グローバルREITインデックス | 2.0 | 9 | 2.0 |
8 | SMT グローバルREITインデックス・オープン | 1.1 | 5 | 15.5 |
9 | 野村インデックスファンド・外国REIT[Funds-i] | 0.9 | 10 | 1.5 |
10 | iFree 外国REITインデックス | 0.6 | 8 | 3.3 |
2022年下半期の資金流入額トップは信託報酬・実質コスト最安値のeMAXIS Slim 先進国リートインデックス。
2位がたわらノーロード先進国リート。
2022年年間では1,2位が入れ替わります。
下半期、年間とも1位、2位の差は僅差です。
尚、同率信託報酬最安値のSmart-i 先進国リートインデックスは、あまり人気がありません。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
2022年12月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値もプロット。米国S&P Dow Jones Indices社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国リートの場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引いています。
*S&P社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイもプロットしていますが、ベンチマークが異なりますので参考値です。また、この短期間のデータだけでベンチマークの優劣をつけられるものでもありません。
6カ月騰落率
実質コスト(/2)に対して2022.12末時点の6カ月騰落率をプロットします。
先進国リートの場合、コストと騰落率の相関が悪い事が多いのですが、今期の評価では、各ファンド、概ねそれぞれのコストに応じた騰落率を示しています。
1年騰落率
実質コストに対して2022.12末時点の1年騰落率をプロットします。
ファンドによってはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離が生じているようです。
プラス側に乖離していると思われるのが三井住友・DCとSmart-i、iFreeはマイナス側に乖離している可能性があります。
そして、騰落率トップは、(プラス乖離と思われるファンドを除いて)信託報酬最安値のeMAXIS Slim。
*あくまで管理人の主観で判断していますので、逆にSmart-iが乖離がない状態、eMAXIS Slimがマイナス乖離という可能性も否定は出来ません。
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まとめ & 先進国リートのおすすめファンド(投資信託)は?
以上、先進国REIT(リート)インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。
信託報酬最安値はSmart-i、eMAXIS Slim、実質コスト最安値はeMAXIS Slim、
そして、2022年下半期最も売れたのはeMAXIS Slim、たわらノーロード。
総じて先進国リートではコストと騰落率の相関があまり良くなく、一部のファンドはコスト要因以外でベンチマークとの乖離が生じています。
先進国リート(REIT)インデックスのおすすめファンド
本サイトが選ぶ現時点でのおすすめファンドは、少なくとも大きな乖離は起こしていないと推測され、信託報酬・実質コスト最安値、そして最も売れている、
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
販売会社
eMAXIS Slim 先進国リートインデックスは主にネット証券で取り扱っています。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
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Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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尚、先進国リート・インデックスファンドはつみたてNISAでは購入できません。つみたてNISAで先進国リートに投資したい場合はバランスファンドを購入する事になります。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)では松井証券が取り扱っています。
公式サイト松井証券 iDeCo
他社の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではSBI証券(セレクトプラン・オリジナルプラン)、楽天証券、マネックス証券が三井住友・DC、松井証券がたわらノーロードを取扱っています。
*松井証券iDeCoはeMAXIS Slim、たわらノーロード両方を取扱い。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は↓の記事を参照して下さい。
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先進国REITインデックスファンド (本記事)