インデックス投資全般

国内インデックスファンド vs. 海外ETF(米国籍ETF) お得なのはどちら?

投稿日:2019年7月29日 更新日:

前回の記事で、低コストが魅力の海外ETF(ここでは米国籍ETF)3重課税分配金などの問題から必ずしもお得とは言えない、特に課税口座では国内インデックスファンドの場合が有利になる事もあるという指摘をしました。

参考記事インデックスファンドの信託報酬が低コスト化した今でも海外ETFへのリレー投資は有効か?[海外株式]

ただ、前回は、先ずは海外ETFの3重課税、分配金の影響を大まかに見る為、全世界の株式に投資するバンガード・トータル・ワールド・ストックETF[VT]と、MSCIコクサイとの連動を目指すたわらノーロード先進国株式の比較という、ちょっとアンフェアな比較でした。

そこで、今回はもう少し踏み込んで、より具体的に海外ETFでも、全世界に投資するETF米国だけに投資するETF新興国に投資するETFと3種類に分け、それぞれに対応する国内インデックスファンド(ファンド・オブ・ファンズを含む)と比較してみます。

[最終更新日:2019.7.29] 最新の信託報酬・実質コスト・経費率で再計算。
全世界株式に投資するインデックスファンドとして以前はeMAXIS Slim単体ファンドの組合せを用いていたが、これをeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に変更。
[2018.9.25] 楽天・バンガード・ファンドを実質コストで計算。EXE-iつみたての名称変更。
[2018.7.31] eMAXIS Slimなど各種データを最新情報に更新するとともに一部加筆。
[2018.2.16] VTとの比較において、国内インデックスファンドの組合せの場合、国内株式に投資する分は配当が出てもファンド段階では課税されてない点を新たに考慮しました。

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見出し

国内インデックスファンド、海外ETF(米国籍ETF)の配当金課税の違い

先ずは、前回のおさらいとして(海外に投資する)国内インデックスファンド米国ETFの課税関係をまとめておきます。

さらに、国内インデックスファンドでも、楽天・バンガード・ファンドSBI・雪だるまシリーズなどのファンド・オブ・ファンズとも比較します。
*楽天・バンガード・ファンドやSBI・雪だるまは、目論見書ではファミリーファンドとなっていますが、そのマザーファンドがETFに投資しており、事実上、ファンド・オブ・ファンズと考えて問題ないでしょう。

 

国内インデックスファンド (海外ETFに投資するFOFを除く)

先進国株式インデックスファンド新興国株式インデックスファンドのように海外の株式に投資するファンドでは、その配当に対して各投資国(以下、現地国と言います)で源泉徴収され、その課税された後の配当金がファンドに入ります。この現地国の税金は取り戻すことが出来ません。

そして分配金を出さないファンドの場合、最終的に売却する時まで国内の課税は繰延べされ、売却時の譲渡益に対して20.315%が課税されます。

即ち、国内ファンドの場合は現地国課税 + 国内課税の2重課税となります。

尚、国内ファンドで国内株式に投資する場合は、その配当は課税される事無くファンドの資産(基準価額の上昇)となります。分配金を出した場合、あるいは売却時に課税される事になります。

 

米国ETF

米国ETFでは、米国以外の国(日本を含む)に投資した場合、その配当に対して現地国が源泉徴収し、これを分配金として出した際に米国10%、さらに国内20.315%が課税されます。

即ち、現地国課税 + 米国課税 + 国内課税の3重課税となってしまう訳です。

勿論、米国ETFでも米国だけに投資する場合は現地国課税=米国課税となり、2重課税ですみます。

売却時は国内のみ20.315%が課税されます。

尚、米国課税10%分は確定申告の外国税額控除によって一部を取り戻せる場合もあります。

 

国内インデックスファンドで米国ETFに投資するファンド・オブ・ファンズ(FOF)

ここではファンドそのものは分配金を出さないという前提で考えます。

先ず、そのETFが米国だけに投資する場合、そのETFの分配金に対して米国課税後、ファンド内で再投資されます。分配金に対する国内課税はありません(税の繰延べ)。そして売却時に譲渡益として国内のみ20.315%が課税されます。結果的に通常の国内ファンドと同じです。

次に、米国以外に投資するETFの場合配当に現地国で課税され、さらにETFが分配金を出す時、米国でも源泉徴収されます。その課税された後の配当金がファンドに入りますそして、売却時は国内のみ20.315%が課税されます。 直接現地国に投資する国内ファンドに対し、ファンド・オブ・ファンドは米国課税分だけ不利になります。

さらに、いずれの場合も現地国・米国課税を取り戻すことは出来ません。

*以下、フォンド・オブ・ファンズをFOFと略して表記する場合があります。

*以上のように理解していますが、直接、運用会社等に確認した訳ではありません。もし、私の理解に間違いがあるようでしたら、ページ下部のコメント欄でご指摘下さい。
以下の計算は、上記の課税制度として進めます

 

現地国課税 源泉徴収税率

各国によって源泉徴収税率は異なります。

今回の計算では、国内インデックスファンド米国ETFとも10%で統一します。(先進国、新興国とも)

国内インデックスファンドについては下記の記事で概算10%との記載がありますのでこれを信じ、米国ETFの場合も特に根拠はないですが、これと同じ10%と仮定します。

引用K-ZONE money : 投信フォーカス 取り戻せない「海外源泉徴収税」の実態を知る - 注目の投信 - 投資信託

 

国内インデックスファンド vs. 海外ETFの比較。計算の前提条件など。 

前回と同じですので、具体的な計算方法などは下記記事を参考にして下さい。

参考記事インデックスファンドの信託報酬が低コスト化した今でも海外ETFへのリレー投資は有効か?[海外株式]

全てトータルリターン年率5%、配当利回り2%で計算。

国内インデックスファンドは分配金なし、米国ETFは年に1回分配金(計算の簡略化の為年1回)、そして課税後の分配金は全額再投資する(実際には不可能ですが)という前提です。

外国税額控除を行う場合、米国課税の半分が還付されるとし計算上は米国課税を5%とします。

それぞれ100万円を一括投資し10年後に売却するとして、それまでの年率換算利回りで比較します。(売却時の譲渡益課税後の金額から利回りを換算)

*米国ETFの購入時・売却時の手数料は考慮(NISAの場合は売却時手数料のみ)、分配金再投資時の購入手数料、及び、ドル購入時の為替手数料は考慮していません。

 

全世界株式に投資する場合。[VT]

米国ETF  ~バンガード・トータル・ワールド・ストックETF[VT]~

米国ETFとしてバンガード・トータル・ワールド・ストックETF[VT]を用います。

経費率は0.09%

VTの投資国 米国・米国以外の比率(2019.6.30時点)から配当に対する外国課税を計算すると下表のように14.05%となります。これに国内課税の20.315%が加わります。

VTの配当金に対する税率
 米国米国以外
投資比率55%45%
現地国課税10%10%
米国課税10%
配当課税14.05%

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)~

国内インデックスファンドの代表として、MSCI ACWIとの連動を目指し日本を含む全世界の株式に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コストを使用します。

*以前はeMAXIS Slim先進国株式、新興国株式、TOPIXの3本を組合わせて全世界株式としていましたが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との信託報酬差が殆ど無くなった事から2019.7の改定記事よりeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を使用して計算します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
ファンド信託報酬実質コスト
eMAXIS Slim 全世界株式
オール・カントリー
0.1296%0.230%

*信託報酬は2019.8.9改定の値。実質コストも信託報酬引下げ分を差し引いた値。

国内インデックスファンドの実質コストは下記記事より。
参考記事インデックスファンド・コスト比較

尚、配当に対する課税は、国内投資分(約8%)はファンド段階では非課税、外国投資分は現地国で10%源泉徴収されますので、その比率から計算すると9.2%となります。

 

ファンド・オブ・ファンズ ~楽天・バンガード・ファンド(全世界株式) & SBI・全世界株式インデックス・ファンド~

FOF国内インデックスファンドとして、VTに投資する楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天バンガード)SCHBSPDWSPEMに投資するSBI・全世界株式インデックス・ファンドも比較します。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドは信託報酬0.2196%に対し実質コストは0.492%(1期目決算)ですが、2期目の途中結果が公表されており信託報酬以外のコストが大幅に下がっていることが分かっていますので、ここではそれを年率に換算した0.311%を使用します。

SBI・全世界株式インデックス・ファンドは信託報酬0.150%に対し実質コストは0.342%(1期目決算)です。

(注意)VTと国内インデックスファンドのベンチマークは異なります。特に小型株の有無などに違いがありますが、ここではコストの観点のみから比較します。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホでは横にスクロールして表をご覧下さい。

  国内インデックスファンドVT
eMAXIS Slim
オールカントリー
FOF
(楽天全世界)
FOF
(SBI全世界)
 実質コスト 0.230%0.311%
0.342%
 0.09%
外国税額控除---------非適用半分還付
課税口座
10年利回り
(年率)
3.79%3.64%3.61%3.74%3.82%
非課税口座(NISA)
10年利回り
(年率)
 4.59%4.41%4.38%4.61% ---

国内インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))と、VTの差は殆ど無いといって良いでしょう。

課税口座で外国税額控除を使用しないと、国内インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の方が寧ろ有利になります。

 

国内インデックスファンド eMAXIS Slim vs. FOF(楽天バンガード、SBI・全世界株式)

直接各投資国に投資する国内ファンドに対し、一度米国を介して全世界に投資するFOFは税制上不利になります。

上記計算結果でも、楽天・全世界株式インデックス・ファンドSBI・全世界株式インデックス・ファンドは、そもそも信託報酬・実質コストが高く、これに3重課税が加わることでeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)VTに負けています。

eMAXIS Slimなどの直接各国に投資するファンドと同じリターンになるには、FOFでは信託報酬・実質コストにして約0.10%低くなければなりません。言い換えれば、FOFでは信託報酬・実質コストに課税コストとして0.10%が上乗せされるという事です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コストが0.230%なので、FOFでは実質コストが0.130%で漸く同じリターンになります。

税制上不利なFOFが国内から直接投資するファンドにコストで勝つのは極めて難しいでしょう。

*これは配当利回りが2%の場合で、配当利回りが大きくなる程この課税コストは大きくなります。単純には、eMAXIS Slimの配当源泉徴収税率が9.2%、FOFでは14.05%、その差5%、配当利回り2%で源泉徴収税率5%の違いは2% x 5% = 0.1%。

 

まとめ

以上まとめると、

(米国以外を含む)全世界の株式に投資する場合、

  • eMAXIS Slimに代表される低コスト化が進んだ国内インデックスファンドは、もはやコスト的にはVTなどの米国ETFと同等レベル。
  • 国内インデックスファンドでも、海外ETFに投資するFOFは最も不利となり、直接各国に投資するファンド(eMAXIS Slimなど)に対して0.10%信託報酬・実質コストが低くなって初めて同等となる。(配当利回り2%と仮定)

尚、SBI証券楽天証券では国内ファンドに対して保有額に応じたポイント還元がありますので、これを考慮すると米国ETFよりも有利になる事もあります。

 

勿論、投資対象も異なり、コストだけで優劣をつけられるものではありませんので、

小型株を含むより広い銘柄に1本で投資でき、純資産総額は国内ファンドの比ではないVTに魅力を感じる方、さらに定期的に分配金が欲しい方等は、多少の手間はかかりますが直接VTを購入するも良いでしょうし、

もっと気軽に米国ETFを購入したいという方にはコスト的には不利になるものの、楽天・全世界株式インデックス・ファンドSBI・全世界株式インデックス・ファンドも一つの選択でしょう。

ただ、小型株を含める必要がない、分配金も要らない(分配金が無いからと言って不利になる事はなく寧ろ分配金が無い方がトータルリターンでは効率的です)という方にはeMAXIS Slim等の超低コスト・国内インデックスファンドで十分、コスト的には何ら遜色ありません。

 

 

米国株式のみに投資する場合。

米国ETF  ~VOO/VTI~

米国ETFとしてS&P500との連動を目指すバンガード・S&P500ETF[VOO]や米国株式全体に投資するバンガード・トータル・ストック・マーケットETF[VTI]を用います。 

経費率はいずれも0.03%と超々低コストです。

配当に対する課税は米国の10%と国内の20.315%です。

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim米国株式(S&P500)、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)~

対する国内インデックスファンドは、

S&P500との連動を目指すeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)  信託報酬 0.162% 実質コスト 0.243%

またFOFとしてVTIに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド  信託報酬 0.1596% 実質コスト 0.224% (初回決算では0.301%でしたが全世界株式同様2期目の途中結果0.224%を使用します)

を用います。

配当に対する課税は米国の10%のみで、米国の各銘柄に直接投資するファンド(eMAXIS Slim)とFOF(楽天バンガード)で課税関係に差はありません。ここが米国以外に投資する場合との大きな違いです。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホでは横にスクロールして表をご覧下さい。

  国内インデックスファンドVOO/VTI
eMAXIS Slim
S&P500
FOF
(楽天全米)
実質コスト 0.243%
0.224%
 0.03%
外国税額控除------非適用半分還付
課税口座
10年利回り
(年率)
3.77%3.78%3.86%3.94%
非課税口座(NISA)
 10年利回り
(年率)
 4.56%4.58%4.75%---

米国ETFで米国だけに投資する場合、米国課税と国内課税の2重課税だけですので、国内インデックスファンドとの差は分配金を出すかどうか、即ち、分配金の国内課税相当分の複利効果だけの違いとなります。

そして、年利回りで見ると米国ETFが有利となります。

米国ETFと全く同じ年利回りになるには、(FOFを含む)国内インデックスファンド実質コストが、

課税口座(外国税額控除非適用)  0.14%

課税口座(外国税額控除で米国課税50%還付)  0.04% ==>非現実的!

NISA   0.05% ==>非現実的!

になる必要があり、まだまだ超低コストの米国ETFにはかないません。

*非課税口座では米国ETFと国内インデックスファンドの差はそのままコスト差になる筈ですが、上記結果では若干差が縮まっています。これは米国ETFでは売却手数料を入れているためです。

 

尚、国内インデックスファンドでのFOFとの違いですが、前述のように米国内だけに投資する場合、直接投資する国内ファンドとFOFの課税関係に差はありません。よって、実質コストの差のみで決まります。

楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コストが2期目途中結果通りであれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とコスト差は殆どありませんので、後はベンチマークの好みで選択すれば良いでしょう。

 

まとめ

以上、米国内だけに投資する場合は、楽天・全米株式インデックス・ファンドやeMAXIS Slim米国株式の登場により、その差は縮まったとはいえ、依然、米国ETFが有利です。

言い換えると、米国籍ETFに投資するなら、

米国内に投資するETFを選択する方が、その低いコストの恩恵を最大限に享受できる

とも言えます。

尚、国内インデックスファンドのポイント還元(*)を考慮すると米国ETFとの差は縮まりますが、米国ETFが有利なのは変わりません。

*eMAXIS Slim米国株式、楽天全米のSBI証券ポイント還元はそれぞれ0.05%、0.03%、楽天証券なら両者とも0.048%

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新興国株式に投資する場合。[VWO]

新興国株式、即ち全て米国外に投資する場合です。

米国ETF  ~VWO~

米国ETFとしてバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF[VWO]を用います。 

経費率は0.12%

配当に対する外国課税は、現地国、米国ともに10%で合計19%。それに国内課税の20.315%が加わる事になります。

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim新興国株式、楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)、SBI・新興国株式インデックス・ファンド~

対する国内インデックスファンドeMAXIS Slim新興国株式インデックスで計算します。

信託報酬 0.20412%で実質コストは0.381%

配当に対して現地国で10%が源泉徴収されます。

 

さらに、FOFVWOに投資する楽天・新興国株式インデックス・ファンド(楽天バンガード)、SCHEに投資するSBI・新興国株式インデックス・ファンドとも比較します。

参考記事「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」楽天バンガード・ファンドに新興国株式が追加。VWOに投資。

参考記事超低コストファンド「EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」「EXE-i つみたて新興国株式ファンド」登場。

楽天・新興国株式インデックス・ファンドは信託報酬 0.2496%で実質コストは0.581%
*全世界株式や米国株式のように2期目途中結果が公表されていませんので、初回決算の値をそのまま使用します。

SBI・新興国株式インデックス・ファンドは信託報酬 0.2696%で実質コストは0.368%

配当に対する課税は、米国ETFと同様、現地国・米国で19%、但し、国内での課税はありません。

(注)同じ新興国株式でもVWO、SCHE、eMAXIS Slimのベンチマークは異なります。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホでは横にスクロールして表をご覧下さい。

  国内インデックスファンドVWO
eMAXIS
Slim
FOF
(楽天
新興国)
FOF
(SBI
新興国)
 実質コスト0.381%0.581% 0.368%
 0.12%
外国税額控除------ ---非適用半分還付
課税口座
10年利回り
(年率)
3.65%3.33%3.51%3.64%3.71%
非課税口座(NISA)
 10年利回り
(年率)
4.42%4.04%4.25%4.48% ---

米国ETF VWOは米国から第3国へ100%投資しますので、全ての配当・分配金には現地国10%(と仮定)、米国10%の計19%の源泉徴収、さらに国内20.315%が課税されます。

それでも、課税口座で外国税額控除を用いるか、あるいはNISAなら最も年利回りが高いのが米国ETF VWO

但し、大幅に信託報酬を下げたeMAXIS Slimとの差は僅か。課税口座で外国税額控除を使用しないと、eMAXIS Slimが寧ろ有利になります。

尚、eMAXIS Slim新興国株式インデックスにはSBI証券0.05%、楽天証券0.048%のポイント還元がありますので、これを考慮すると外国税額控除やNISAの場合でもeMAXIS Slim米国ETFはほぼ同等の利回りとなります。

 

国内インデックスファンド eMAXIS Slim vs. FOF(楽天バンガード、SBI・新興国株式)

eMAXIS Slimのように直接現地国に投資するファンドに比較し税制上不利になるFOF

楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、その実質コストの高さに加え不利な税制でeMAXIS Slim新興国株式インデックスに大きく負けています。

実質コストでeMAXIS Slim新興国株式インデックスよりも低いSBI・新興国株式インデックス・ファンドですら負けています。

eMAXIS Slimなどの直接現地国に投資するファンドに対し、一度米国を介して全世界に投資するFOFでは、実質コストにして約0.18%低くなければなりません。言い換えれば、FOFでは信託報酬・実質コストに課税コストとして0.18%が上乗せされるという事です。

eMAXIS Slimの実質コストが0.381%なので、FOFでは実質コストが0.201%で漸く同じリターンになります。全世界株式同様、税制上不利なFOFが国内から直接投資するファンドにコストで勝つのは極めて難しいでしょう。

*これは配当利回りが2%の場合で、配当利回りが大きくなる程、この課税コストは大きくなります。単純には、eMAXIS Slimの配当源泉徴収税率が10%、FOFでは19%、その差9%、配当利回り2%で源泉徴収税率9%の違いは2% x 9% = 0.18%。

 

まとめ

米国ETFにとって、全てを米国以外の第3国に投資する新興国株式は税制上最も不利になりますが、それでも、依然米国ETFの方が有利です。

ただ、新興国株式でも信託報酬が大幅に引き下げられた国内インデックスファンドとの差は小さくなり条件によっては逆転する事もあります。

尚、国内インデックスファンドでも、その投資対象が米国ETFのFOFでは、課税コストとして信託報酬・実質コストが0.18%上乗せされる事になります。(配当利回り2%の時)

 

最後に

以上、コストの観点から見た国内インデックスファンドと米国ETF、そして国内インデックスファンドでも日本から直接現地国に投資するファンドと米国ETFを介して投資するFOFの比較でした。

信託報酬・経費率で圧倒的に優位に立つ米国ETFですが、課税コストまでを考えると、米国以外に投資する場合、国内インデックスファンドの方が低コストになる場合があります。

米国ETFに投資するなら、外国税額控除非課税口座[NISA]を使う事、さらに米国内だけに投資するETFがコスト的にはお得です。

尚、楽天・バンガード・ファンドSBI・全世界株式/新興国株式などのFOFですが、税制上不利な事もあり、直接各国に投資する国内ファンド(eMAXIS Slimなど)に対して課税コストとして全世界株式(時価総額比率)なら0.1%、新興国株式なら0.18%が上乗せされる事になります(配当利回り2%の場合)

 

勿論、それぞれ投資対象(ベンチマーク)も異なりますしコストだけで優劣をつけられるものではありません。また、コストに対する考え方も人それぞれでしょう。

外国株式取引や外国税額控除を面倒と思わない方、その投資対象に拘りのある方、または配当金が欲しい方は米国ETF、そんな面倒な事は嫌だという方は国内インデックスファンドを選べば良いでしょう。

そして、国内インデックスファンドを選んだとしても、コスト的には十分互角の勝負が出来る時代になったという事です。(米国内だけに投資する場合は除く)

 

尚、以上の計算はトータルリターン年率5%(内、配当利回り2%)一定で計算、比較してありますが、実際はこのように株価・基準価額が単調に上昇していくわけではありません。株価・基準価額の変動により今回の結果よりさらにETFが不利になる可能性があります。詳細は下記記事を参照して下さい。下記記事は基本的に国内株式を対象とした検証結果ですが、分配金再投資という点では同様に考えられます。


 

国内インデックスファンドを購入するなら超低コストのファンドでポイント還元が有利になる事がある楽天証券がお勧め、一方、米国ETFなら住信SBIネット銀行との組合せで為替手数料が安いSBI証券がお勧めです。
公式サイト楽天証券SBI証券

 

国内株式(TOPIX)に投資するETFとインデックスファンドの比較は下記記事を参照して下さい。

 

[注意] インデックスファンド、海外ETFとも多くの国に投資しており、その配当に対する課税は複雑です。あくまで概算の見積もりである事をご承知おきください。
また、私の認識違いなどありましたら、是非、ページ下部のコメント欄でご指摘ください。

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