ファンド評価・解説・比較

【新興国株式インデックスファンドの評価】2018年人気(資金流出入額)ランキング、運用成績の比較。

投稿日:2018年8月8日 更新日:

主にMSCIエマージング・マーケット・インデックス(以下、MSCI EMと略して表記する場合があります)との連動を目指す新興国株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。(MSCI EMではありませんが、iFree楽天・バンガード新興国株式EXE-iつみたて、EXE-iも含みます)

[最終更新日:2018.8.8]2018年7月末日時点の情報に更新

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MSCIエマージング・マーケット・インデックスって何? 新興国ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? GDPとの関係も。

*本記事は2018年7月末日時点の情報に基づき記載しています。

先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。

さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)を確認します。

尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じMSCI EMといっても、各社のベンチマーク騰落率は異なるからです。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

 

比較した新興国株式インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額

比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2018年7月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)

*DC専用ファンドは参考値扱い。(表中グレーの行のファンド)
*(三菱UFJ)つみたて、i-SMTの実質コストは、信託報酬以外のコストが、それぞれeMAXIS、SMTと同じと仮定して算出。

ベンチマークがMSCIエマージング・マーケット・インデックス以外のファンド
ファンド 信託報酬
(実質コスト)
設定日 純資産総額(億円)
eMAXIS Slim新興国株式 0.20412%
(0.389%)
2017/7/31 76.9
<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド 0.20412%
(---)
2017/10/13 4.8
i-SMT新興国株式インデックス 0.3546%
(0.547%)
2018/1/12 0.3
(三菱UFJ)つみたて新興国株式 0.3672%
(0.535%)
2017/8/16 7.0
たわらノーロード新興国株式 0.3672%
(0.593%)
2016/3/14 46.6
Smart-i 新興国株式 0.3672%
(---)
2017/8/29 0.9
三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド 0.594%
(0.762%)
2009/12/11 179.1
[日興]インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 0.594%
(0.911%)
2008/4/1 138.7
三井住友・DC新興国株式インデックスファンド 0.6048%
(0.768%)
2011/4/18 15.7
eMAXIS 新興国株式インデックス 0.648%
(0.816%)
2009/10/28 336.0
野村インデックスファンド・新興国株式[Funds-i] 0.648%
(0.839%)
2010/11/26 45.5
SMT新興国株式インデックス・オープン 0.648%
(0.840%)
2008/12/15 195.3
iFree 新興国株式インデックス 0.3672%
(1.338%)
2016/9/8 17.9
EXE-i つみたて新興国株式ファンド 0.1948%
(---)
2017/12/6 6.5
楽天・新興国株式インデックス 0.2696%
(---)
2017/11/17 8.3
EXE-i 新興国株式ファンド(*1) 0.3794%
(0.409%)
2013/5/13 85.7

(*1)EXE-i新興国株式ファンドは厳密にはインデックスファンドではありません。

圧倒的な信託報酬の低さで他社を凌駕するeMAXIS Slimが、設定から1年で純資産総額70億円を突破。既にたわらノーロードFunds-iをも抜いています。

最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。

資金流出入額 [新興国株式インデックスファンド 人気ランキング]

2018年7月の概算の月次資金流出入額(*)、及び2018年の累計(1~7月の7カ月間の合計)を見てみます。

7月の資金流出入額の大きい順にならべてあります。

どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。

ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。

新興国株式インデックスファンド 資金流出入額
2018年7月 2018年累計
順位 ファンド (億円) 順位 (億円)
1 eMAXIS Slim新興国株式 7.98 1 56.73
2 SMT新興国株式インデックス・オープン 2.86 5 7.25
3 インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 2.55 2 22.23
4 EXE-i 新興国株式ファンド 1.72 3 10.69
5 楽天・新興国株式インデックス 1.28 7 6.34
6 つみたて新興国株式 1.11 6 7.05
7 EXE-i つみたて新興国株式ファンド 0.73 8 6.03
8 <購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド 0.68 12 2.54
9 iFree 新興国株式インデックス 0.56 9 4.59
10 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド 0.50 10 3.49
11 野村インデックスファンド・新興国株式[Funds-i] 0.25 11 3.11
12 Smart-i 新興国株式 0.22 13 0.87
13 たわらノーロード新興国株式 0.18 4 9.88
14 i-SMT新興国株式インデックス 0.00 14 0.27
15 eMAXIS 新興国株式インデックス -0.86 15 -2.19
参考 三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド 2.19 参考 26.31

2018年7月の1位はeMAXIS Slim新興国株式。2018年累計でも1位です。2017年7月31日に設定されて以来、月次資金流入額1位を維持しています。因みに、eMAXIS Slim先進国株式の7月資金流入額が19億円ですので、新興国株式は約40%。先進国と新興国の時価総額比率を考慮すると大きな資金流入である事がわかります。

現時点でMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの連動を目指す新興国株式インデックスファンドとしては敵なし、eMAXIS Slimの独壇場です。

尚、eMAXIS Slim、さらにつみたて新興国株式も好調な三菱UFJ国際投信ですが、これらファンドの親分的存在であるeMAXISは唯一資金流出となっています。

2位はSMT 新興国株式インデックス、3位が日興AMのインデックスファンド海外新興国(エマージング株式)楽天証券iDeCoに採用されているファンドです。

ふるわないのがSmart-ii-SMT<購入・換金手数料なし>ニッセイ

<購入・換金手数料なし>ニッセイ、2018.7月以降、eMAXIS Slimと同一信託報酬になりましたが、今後、どれだけ資金流入を増やす事が出来るかに注目です。

i-SMT、信託報酬は十分低い部類ですが、その販売会社の少なさ等から同じマザーファンドで運用するSMTにも負けています。

ベンチマークは異なりますが、楽天・バンガード・ファンドの一つである楽天・新興国株式(VWO)も1.28億円とあまり人気がありません。ただ、先月(2018/6)の0.7億に比べると大きく伸びています。

同じくFOFで超低コストのEXE-iつみたて 新興国株式ファンドも不振です。信託報酬の高いEXE-i 新興国株式ファンド(「つみたて」が付かない)の方が売れています。

 

リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)は?

2018年7月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。

*騰落率は各ファンドの基準価額から「しんたろう」が独自に計算した結果です。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。

騰落率とコストの関係は、理想的にはインデックス騰落率から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、配当課税を適切に考慮したインデックス騰落率がわかりませんので、管理人の主観で、図中グレーの点線を引いています。

(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。(同じマザーファンドで運用する三菱UFJのファンドが4本も含まれており、若干、評価の公平性に欠ける点をご承知おきください)

 

全ファンドの騰落率

先ずは、ベンチマークの違いを無視し、ここで比較の対象とした全ファンドの2018年7月末日時点の6カ月騰落率と実質コストの関係を見てみます。

○印がMSCI EM、◇がMSCI EM以外をベンチマークとするファンドです。

新興国株式インデックスファンド

直近6カ月で見ると、MSCI-EMをベンチマークとするファンドより、EXE-iつみたてEXE-i、そして実質コストは高いもののiFreeの騰落率が高くなっています。

楽天・バンガードは概ねMSCI-EMと同等です。

尚、僅か6カ月だけの結果ですので、これをもって各ベンチマークの優劣をつけられるものではありません。あくまで参考データとしてみて下さい。

 

MSCIエマージング・マーケット・インデックスとの連動を目指す新興国株式インデックスファンドの騰落率

次にMSCI EMとの連動を目指すインデックスファンドのみで、その騰落率と実質コストの関係から、ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)を見ていきます。

 

1カ月騰落率

2018年7月末日時点の1カ月騰落率です。

実質コスト(/12)に対して1カ月騰落率をプロットします。(ニッセイ、Smart-iは信託報酬でプロット)

新興国株式インデックスファンド

<購入・換金手数料なし>ニッセイSmart-iは明らかにマイナス側への乖離が生じています。

毎回乖離を起こしている三井住友・DC、この1カ月騰落率では問題ないように見えますが、詳細は後述する日次騰落率で。

これらを除いたファンドで見ると、eMAXISeMAXIS Slimつみたて三菱UFJ DCの三菱系ファンドと、i-SMTSMTのSMTAMグループで騰落率が明らかに異なります。この傾向は2018年4月頃より発生しており、i-SMT/SMTの騰落率が高くなっています。

そしてFund-i日興インデックスはこれらの中間、たわらノーロードは三菱系に近い値を示すことが多いようです。

このデータだけでは、どのファンドが、よりベンチマークにそった運用がなされているか(トラッキングエラーが小さいか)は分かりません。

 

6カ月騰落率・1年騰落率

次に2018年7月末日時点の6カ月・1年騰落率を見てみます。

新興国株式インデックスファンド

新興国株式インデックスファンド

1カ月騰落率で見られたように<購入・換金手数料なし>ニッセイSmart-iの乖離、そして三井住友・DCも大きな乖離が見えます。

その他のファンドは概ねコストに応じた騰落率を示していますが、先進国株式のように騰落率と実質コストの依存が明確ではありません。ファンドにより、コスト要因以外に年間騰落率±0.2%程度の差が生じているのが現状です。

そして1カ月騰落率同様、i-SMT/SMTが高く、eMAXIS Slimなどの三菱系が低いという傾向がみられます。また、たわらノーロードは今年初頭に不安定な時期があり、その影響か、若干マイナス側に乖離しているようです。

 

日次騰落率 ~<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式、Smart-i、三井住友・DCの乖離~

2018年1月からの日次騰落率を確認しておきます。

eMAXIS Slimを基準とし、eMAXIS Slimとの日次騰落率の差をプロットします。

先ずは、たわらノーロードi-SMTFunds-iの3本をプロット。

新興国株式インデックスファンド

たわらノーロードは一時期不安定な時期がありましたが、それを除くと、3本とも概ね±0.05%以内に収まっています。

 

次に、三井住友・DC<購入・換金手数料なし>ニッセイSmart-iを見てみます。

新興国株式インデックスファンド

日次乖離が大きいのが三井住友・DC。上記1カ月騰落率では乖離が無いように見えましたが、これはたまたま一致しただけ。依然、大きな乖離が発生しています。

<購入・換金手数料なし>ニッセイSmart-iも多少収束傾向にあるとはいえ、まだ0.05%以上乖離している日が多くあります。

 

まとめ & おすすめファンド

以上、主にMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの連動を目指す新興国株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。

圧倒的に人気を集めている=資金流入額が大きいのがeMAXIS Slim新興国株式インデックス

新興国株式インデックスファンドではコストと騰落率の相関性が悪く、必ずしも低コスト=高い騰落率となっているわけではありませんが、それでもコストは確実にリターンをむしばみます。

信託報酬で他社を圧倒し、資金流入額も大きいeMAXIS Slim新興国株式インデックスが最も期待できるファンドと言って良いでしょう。

本サイトが現時点で選ぶ新興国株式クラスのおすすめファンドは、

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。

そして、2018年7月より信託報酬でeMAXIS Slimに並んだ<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド、未だ、その運用の安定性に懸念があります。純資産総額の増加とともに、徐々に解消されていくとは思いますが・・・。

 

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券

現時点(2018.8)で、上記金融機関以外では購入出来ません。低い信託報酬(販売会社の利益が少ない)、かつ機動的な信託報酬の引下げに合意できる金融機関のみが取扱うという事でしょう。

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは、マネックス証券 iDeCo松井証券 iDeCoのみとなります。

 

 

他のアセットクラスの最新情報・結果は↓の記事を参照して下さい。

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