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ファンド紹介・解説

つみたて全世界株式の評価・評判・人気。(三菱UFJアセットマネジメント つみたてんとうシリーズ)

投稿日:

つみたて全世界株式

*上地図は投資国を概ね表していますが、現在ロシアは除外されています。

1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するインデックスファンドつみたて全世界株式について解説します。

[最終更新日:2024.6.14]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.5末日時点の情報に基づき記載しています。

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つみたて全世界株式の基本情報

つみたて全世界株式は三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド「つみたてんとうシリーズ」の一つです。eMAXISやeMAXIS Slimシリーズとは、基本的に同じマザーファンドで運用する姉妹ファンド。eMAXIS Slimが原則ネット証券・銀行専用商品なのに対し、つみたてんとうシリーズは、「つみたてNISA(現:NISA[つみたて投資枠])」を主なターゲットとし、最寄りの金融機関で相談できるファンドとして2017年8月に設定されました。現在9本のファンドから構成されています。コスト(信託報酬)はeMAXISよりは低く、eMAXIS Slimよりは高くなっています。

本記事で解説するのは1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するつみたて全世界株式

先ず、つみたて全世界株式の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJアセットマネジメント
設定日2020年3月6日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークMSCI All Country World Index(配当込み・ネット)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.1980%
実質コスト0.254%(*1)
純資産総額 251.3億円(2024.5.31時点)
(マザーファンド) 純資産総額 [先進国株式]24,218億円(2023.5.12時点)
[新興国株式]4,196億円(2023.5.12時点)
[日本株式] 575億円(2023.4.25時点)
分配金実績
NISA(つみたて投資枠)対象商品
NISA(成長投資枠)対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.05%
楽天証券ポイント還元年率---%(*2)
マネックス証券ポイント還元年率0.03%
松井証券ポイント還元年率0.08%

(*1)実質コストは2023.6決算結果に2023.9.26の信託報酬引下げ分を差し引いた値。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)

 

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投資対象

ベンチマークMSCI All Country World Index [ACWI][配当込み・ネット]で日本を含む先進国、新興国の株式に投資します。

MSCI ACWIは全世界47カ国(先進国23カ国+新興国24カ国)の大型株、中型株、約2,800の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数です。

ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切に考慮されているかは定かではありません。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。

 

マザーファンド

つみたて全世界株式は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。

つみたて全世界株式

画像引用:つみたて全世界株式 交付目論見書

外国株式インデックスマザーファンド、新興国株式インデックスマザーファンドは、それぞれつみたて先進国株式つみたて新興国株式、さらにeMAXIS、eMAXIS Slimシリーズとも同じマザーファンドで、既に巨額の純資産を有します。

一方、日本株式インデックスマザーファンドは、本ファンドの姉妹ファンドでもあるeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)設定と同時に新規設定されたもので、2023年4月には純資産総額約575億になっています。

 

投資地域別比率

国内株式、先進国株式、新興国株式の比率は2024.5末時点で下表のようになります。

地域比率
国内株式5.4%
先進国株式84.0%
新興国株式10.1%

ベンチマーク MSCI ACWIは時価総額加重平均型指数ですので、その時点の時価総額で国内、先進国、新興国比率が変化します。例えば、他の先進国株式に対し国内の株価が低迷すれば国内株式の比率が小さくなります。

 

投資国比率

組入上位10カ国は下表のようになります(2024.5末時点)

つみたて全世界株式

*画像引用:つみたて全世界株式 月次レポート(2024/5)

トップはアメリカで61%、全体の半分以上を占めます。2位が日本で5%。

新興国ではインドが8位、台湾が9位に入っています。(中国企業はケイマン諸島、中国と二つに分類されているためトップ10には入っていませんが、事実上、中国が新興国でトップと思われます。)

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

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手数料(信託報酬、実質コストなど)

つみたて全世界株式信託報酬0.1980%(税込)です。

2023.9.26に0.220%から0.198%に引き下げられました。

実質コストは4期目決算で0.254%(上記信託報酬引下げ分を差し引いた値)

信託報酬以外のコストが0.056%、姉妹ファンドのeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬以外のコストが0.053%ですので概ね同じ、実質コストも十分低く抑えられています。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

MSCI ACWIをベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが(日本を含む)全世界の株式に投資するインデックスファンドと比較してみます。

さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(TOPIX、先進国株式、新興国株式)を6%:83%:11%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。

(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。

*ファンド名下の[]内はベンチマーク。[FTSE]はFTSE Global All Cap Index、[MSCI]はMSCI All Country World Indexの略。

 ファンド信託報酬実質コスト
1楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
[MSCI]
0.05610%0.196%
2eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
[MSCI]
0.05775%0.113%
2はじめてのNISA・全世界株式インデックス
[MSCI]
0.05775%0.082%
2'Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)
[MSCI]
0.05775%
(上限0.08775%)
0.139%
5ステート・ストリート全世界株式インデックス・オープン
[MSCI]
0.0748%---
6PayPay投資信託インデックス世界株式
[FTSE]
0.0910%1.422%
7SBI・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.1022%0.112%
個別ファンドの組合せ0.1074%
8たわらノーロード 全世界株式
[MSCI]
0.1133%0.187%
9Smart-i Select 全世界株式
[MSCI]
0.1144%0.181%
10SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.1338%0.151%
11楽天・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.192%0.214%
12つみたて全世界株式
[MSCI]
0.1980%0.261%
13ステート・ストリート
全世界株式インデックス
[MSCI]
0.5280%0.597%

全世界株式インデックスファンド、特にMSCI ACWIをベンチマークとするファンドは価格(信託報酬)競争が激しく、超低コストファンドの新規設定やeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)などの信託報酬引下げで、つみたて全世界株式の信託報酬は相対的に高くなっています(それでも十分低いのいですが)

姉妹ファンドのeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とは0.14%ポイントの差があります。

 

個別のインデックスファンドとの組合せと、どちらがお得か?

つみたて全世界株式信託報酬0.198%(税込)

一方、eMAXIS Slim先進国株式[0.09889%]eMAXIS Slim新興国株式[0.1518%]eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)[0.1430%]を83%:11%:6%の比率で組み合わせた場合の信託報酬は上表にも示したように0.1074%つみたて全世界株式の方が0.09%ポイント高くなります。

尚、各インデックスファンドを全て「つみたてんとうシリーズ」で揃えた場合、つみたて先進国株式[0.2200%]つみたて新興国株式[0.3740%]つみたて日本株式(TOPIX)[0.1980%]を上記比率で組み合わせた信託報酬は0.236%、

各地域に時価総額比率で投資する方は、「つみたてんとうシリーズ」を組合わせるより、つみたて全世界株式1本を購入するだけの方がコスト的にも優位になるという事です。

勿論、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ならさらに低コストになります。

(注)つみたて全世界株式の国内株式部分のベンチマークはMSCIジャパンで、つみたて日本株式(TOPIX)、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)とは異なります。

 

信託報酬の変更履歴

つみたて全世界株式は1回信託報酬引下げの実績があります。

つみたて全世界株式の信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2020/3/6
 0.2200%新規設定
2023/9/260.1980% 

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つみたて全世界株式の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)

月次資金流出入額純資産総額からつみたて全世界株式の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。

つみたて全世界株式の人気・評判

設定当初は販売会社が少なかった事もあり殆ど売れていませんでしたが、販売会社の増加に伴い資金流入は徐々に増えてきています。そして新NISAが始まった2024年1月以降は月30億以上の資金流入があります。

それに伴い純資産総額も急激に増加し、設定から4年強で251億(2024.5末時点)と十分大きくなりました。

勿論、大きな人気を集めているeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)には到底敵いませんが。

 

運用状況は?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

下図は2024年5月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を、ベンチマークが同じ複数のファンドでプロットしたものです。

*図中グレーの線は多くのファンドがコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないであろうとの前提の元、管理人の主観で引いたものです。

つみたて全世界株式の評価

つみたて全世界株式の騰落率は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)たわらノーロード全世界株式等の騰落率を結んだ直線(図中グレーの点線)より若干下方に位置しています。

これは、(コスト要因以外に)ベンチマークに対してマイナス側に乖離している事を意味します(もしくは実質コストがさらに増大)

さらにコストの差も加わりeMAXIS Slimより低い騰落率になっています。

 

[PR]なぜ時価総額比率なのか?
つみたて全世界株式は全世界の株式に時価総額比率で投資しますが、現代ポートフォリオ理論では、市場ポートフォリオ=時価総額比率が最も効率的とされています。詳しくは下記書籍などを参照して下さい。

 

SBI新生銀行 & 東京スター銀行 新規口座開設者限定円定期預金
SBI新生銀行 スタートアップ円定期預金

新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.65%(税引前)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。

公式サイトSBI新生銀行

東京スター銀行 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金

インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.60%(税引前)と好金利。

公式サイト東京スター銀行

まとめ

つみたて全世界株式は、MSCI ACWIをベンチマークとし、比較的低コストで全世界の株式に投資出来るインデックスファンドです。

地域別比率を時価総額比で投資したい方にとっては非常に便利なファンドでもあります。

ただ、1本のファンド、かつ時価総額比率で全世界株式に投資したい方にとってつみたて全世界株式も悪い選択ではありませんが、姉妹ファンドで、大きな人気を集めているeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を選択すれば、さらに低いコストで、より大きなリターンを得る事が出来ます。(または損失を小さくできます)

つみたて全世界株式などの「つみたてんとうシリーズ」のみしか取り扱っていない金融機関を利用しているのであれば、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を取り扱っているネット証券などに変更される事をお勧めします。

NISAの口座も毎年変更する事が出来ます。

 

販売会社

つみたて全世界株式は下記の金融機関で購入出来ます。

下記金融機関であれば、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)も取り扱っています。

マネックス証券 クレジットカード積立 最高水準のポイント還元率1.1%
マネックス証券ではdカードやマネックスカード(クレジットカード)で投資信託が積立出来ます。ポイント還元率は月5万円までの投信積立では最高水準の1.1%(5~10万円部分の還元率は下がります)
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。

公式サイトマネックス証券

 

SBI証券 三井住友カードでのクレジットカード積立
SBI証券では三井住友カードで投資信託積立が出来ます。ポイント付与率はカード利用実績に応じてスタンダードカードで最大0.5%、ゴールドカードなら最大1.0%
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。

公式サイト SBI証券

 

auカブコム証券のクレジットカード積立 & auじぶん銀行との連携
auカブコム証券はau Payカードで投資信託積立が出来ます。Pontaポイント還元率は0.5%(ゴールドカードは1.0%)
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。

公式サイトauカブコム証券

 

楽天証券 クレジットカード & 楽天キャシュ積立 
楽天証券では楽天カードで投資信託積立が出来ます。信託報酬(販売会社分)が税込0.4%未満のファンドの還元率は0.5%(ゴールド、プレミアム、ブラックなら還元率アップ)、0.4%以上のファンドの還元率は1.0%(ブラックなら2.0%)
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。

公式サイト楽天証券

公式サイト楽天カード

 

松井証券 投信保有での最高水準のポイント還元
松井証券は、投資信託保有による最高水準のポイント還元率が魅力。
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。

公式サイト松井証券

 

勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)

上記ネット証券以外に、多くの銀行等で取り扱っています。

 

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド 

Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス全世界株式

たわらノーロード 全世界株式

つみたて全世界株式 (本記事)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)

 

他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

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