S&P先進国REIT指数との連動を目指す先進国リートインデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドも同時に評価しますが、本ファンドだけはベンチマークが新興国を含むS&Pグローバルリートインデックスです。
*原則6カ月毎に更新します。
[最終更新日:2024.7.17]全て最新の情報に更新。
*本記事は原則2024年6月末日時点の情報に基づき記載しています。
S&P先進国REIT指数って何? 先進国ってどこの国?っていう方は下記の記事をご覧ください。
参考記事【外国REITインデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
先ず、各ファンドの純資産総額、及び月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
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見出し
比較した先進国リート(REIT)インデックスファンド、その信託報酬・実質コスト・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、設定日、2024年6月末日時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*信託報酬、実質コストは税込表記。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額(億円) |
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス | 0.2200% (0.273%) | 2019/10/31 | 299.3 |
Smart-i 先進国リートインデックス | 0.2200% (0.397%) | 2017/8/29 | 58.3 |
NZAM・ベータ先進国REIT | 0.2750% (1.633%) | 2023/3/28 | 6.9 |
たわらノーロード先進国リート | 0.2970% (0.398%) | 2015/12/18 | 320.2 |
三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.2970% (0.376%) | 2016/9/23 | 305.3 |
My SMT グローバルREITインデックス | 0.2970% (0.360%) | 2022/3/29 | 8.9 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | 0.2970% (0.367%) | 2013/12/10 | 140.3 |
iFree 外国REITインデックス | 0.3410% (0.415%) | 2016/9/8 | 25.3 |
野村インデックスファンド・外国REIT[Funds-i] | 0.6050% (0.649%) | 2010/11/26 | 56.5 |
SMT グローバルREITインデックス・オープン | 0.6050% (0.660%) | 2008/1/9 | 339.0 |
eMAXIS 先進国リートインデックス | 0.6600% (0.736%) | 2009/10/28 | 164.9 |
信託報酬最安値はSmart-i 先進国リートインデックス、そして2019年10月30日に設定されたeMAXIS Slim 先進国リートインデックス、3位以下を大きく引き離しての同率トップです。
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス、実質コスト0.273%、これは単独最安値です。また、純資産総額も299億とSmart-iを大きく上回っています。
Smart-i 先進国リートインデックスの実質コスト、設定当初より下がってきてはいますが、まだ0.397%と信託報酬以外のコストが若干高くなっています。純資産総額も58億円と大きくありません。
NZAM・ベータ先進国REIT、初回決算の結果が出ましたが、実質コスト1.633%と非常に高くなっています。
純資産総額トップはSMT グローバルREITインデックス・オープン。設定から16年半と歴史のあるファンドです。
尚、ベンチマークが異なり新興国も含みますが<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートは信託報酬も低く、純資産も比較的大きくなっています。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
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資金流出入額 [先進国リート(REIT)インデックスファンド 人気ランキング]
2024年上半期(1~6月)の概算の月次資金流出入額(*)6カ月合計、及び2023年合計を見てみます。
2024年上半期の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2024年上半期(1~6月) | 2023年 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | eMAXIS Slim先進国リートインデックス | 15.7 | 2 | 22.8 |
2 | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 14.1 | 1 | 24.4 |
3 | たわらノーロード先進国リート | 6.7 | 3 | 6.2 |
4 | Smart-i 先進国リートインデックス | 5.0 | 4 | 6.0 |
5 | My SMT グローバルREITインデックス | 3.2 | 5 | 2.3 |
6 | NZAM・ベータ先進国リート | 0.0 | 6 | 0.1 |
7 | iFree 外国REITインデックス | -1.8 | 8 | -1.9 |
8 | <購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | -2.5 | 7 | -1.4 |
9 | 野村インデックスファンド・外国REIT[Funds-i] | -2.9 | 9 | -4.1 |
10 | eMAXIS 先進国リートインデックス | -4.0 | 10 | -13.9 |
11 | SMT グローバルREITインデックス・オープン | -11.0 | 11 | -23.4 |
2024年上半期の資金流入額トップは信託報酬・実質コスト最安値のeMAXIS Slim 先進国リートインデックス。
2位が、2023年トップだった三井住友・DC外国リートインデックスファンド。
3位 たわらノーロード先進国リート、
と続きます。
これら以外は殆ど売れておらず、資金流出のファンドも多くあります。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
2024年6月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値もプロット。米国S&P Dow Jones Indices社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国リートの場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引いています。
*S&P社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイもプロットしていますが、ベンチマークが異なりますので参考値です。また、この短期間のデータだけでベンチマークの優劣をつけられるものでもありません。
6カ月騰落率
実質コスト(/2)に対して2024.6末時点の6カ月騰落率をプロットします。
先進国リートの場合、コストと騰落率の相関が悪い事が多いのですが、今期の評価では、各ファンド、概ねそれぞれのコストに応じた騰落率を示しています。
ただ、iFreeが大きく、eMAXIS Slimも若干マイナス側に乖離しているように思えます。
1年騰落率
実質コストに対して2024.6末時点の1年騰落率をプロットします。
各ファンド、概ねグレーの点線上にあり、これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない運用になっている事を意味します。
ただ、6ケ月同様、eMAXIS Slimが若干マイナス側に乖離しているように見えます。
騰落率が高いのがSmart-i、My SMT。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイは前述のようにベンチマークが異なります。
*NZAMは実質コスト1.633%と上図の枠外でプロットされていませんが、騰落率17.01%と点線上にあります。
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まとめ & 先進国リートのおすすめファンド(投資信託)は?
以上、先進国REIT(リート)インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、さらにベンチマークとの乖離を評価しました。
信託報酬最安値はSmart-i、eMAXIS Slim、実質コスト最安値はeMAXIS Slim、
そして、2024年上半期最も売れたのはeMAXIS Slim。
先進国リート(REIT)インデックスのおすすめファンド
本サイトが選ぶ現時点でのおすすめファンドは、信託報酬・実質コスト最安値、そして今期最も売れている、
今回の評価では若干マイナス側に乖離しているもの、それでも依然高い騰落率、そして過去の実績から本ファンドを選択しました。
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
販売会社
eMAXIS Slim 先進国リートインデックスは主にネット証券で取り扱っています。
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*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
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尚、先進国リート・インデックスファンドはNISA(つみたて投資枠)では購入できません。成長投資枠か、あるいはつみたて投資枠で先進国リートに投資したい場合はバランスファンドを購入する事になります。
また、eMAXIS Slim 先進国リートインデックスは個人型確定拠出年金(iDeCo)では松井証券が取り扱っています。
公式サイト松井証券 iDeCo
他社の個人型確定拠出年金(iDeCo)ではSBI証券(セレクトプラン・オリジナルプラン)、楽天証券、マネックス証券が三井住友・DC、松井証券がたわらノーロードを取扱っています。
*松井証券iDeCoはeMAXIS Slim、たわらノーロード両方を取扱い。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は↓の記事を参照して下さい。
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先進国REITインデックスファンド (本記事)