日経平均株価(日経225)との連動を目指す国内株式インデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(騰落率、ベンチマークとの乖離)を調査します。
*原則6カ月毎に更新します。
[最終更新日:2024.1.13]全て最新の情報に更新。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
*本記事は原則2023年12月末日時点の情報に基づき記載しています。
先ず、各ファンドの純資産総額、及び、月次資金流出入額から人気のファンドを調べます。
さらに、各ファンドにより実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それがちゃんとファンド騰落率に反映されているか、そしてベンチマークとの乖離を確認します。
尚、ベンチマークとの乖離、各社、決算時の運用報告書や月報に記載されていますが、これを信じてはいけません。同じ日経平均株価といっても各社のベンチマークは配当込・除くと2種類有り、そのベンチマーク騰落率が異なるからです。
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見出し
日経平均株価インデックスファンドのNISAつみたて投資枠対象状況
日経平均株価(日経225)はNISA(つみたて投資枠)の指定インデックスですので、これとの連動を目指すインデックスファンドはNISAつみたて投資枠で投資・購入出来ます。
*上記ベンチマーク連動型インデックスファンドでも必ずしもNISA(つみたて投資枠)で購入出来るとは限りません。
次章で本記事で比較・対象とするファンドの一覧表を示しますが、ここにNISAつみたて投資枠対象ファンドにはつみたて投資枠とマークをつけてあります。
*つみたて投資枠の対象商品は、成長投資枠でも購入する事が出来ます。
(一部ファンドを除く。また金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
*下表はつみたて投資枠対象の日経平均株価インデックスファンド全てを含んではいません。
比較した国内株式(日経平均株価)インデックスファンド
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、及び2023年12月末時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*信託報酬・実質コストは税込表記。
*つみたて投資枠はNISAつみたて投資枠対象ファンド(2023.12末時点)。
*DC専用ファンドは参考値扱い
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額 (億円) |
つみたて投資枠 SBI・iシェアーズ・日経225インデックス | 0.1133% (---%) | 2023/7/12 | 8.8 |
つみたて投資枠 楽天・日経225インデックス | 0.1320% (---%) | 2023/12/12 | 3.6 |
つみたて投資枠 eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | 0.1430% (0.148%) | 2018/2/2 | 461.7 |
つみたて投資枠 <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1430% (0.146%) | 2016/11/21 | 644.2 |
つみたて投資枠 たわらノーロード日経225 | 0.1430% (0.146%) | 2015/12/7 | 1,152 |
つみたて投資枠 はじめてのNISA日本株式(日経225) | 0.1430% (---%) | 2023/7/10 | 1.3 |
つみたて投資枠 PayPay投信 日経225インデックス | 0.1430% (0.262%) | 2021/3/8 | 11.9 |
つみたて投資枠 iFree 日経225インデックス | 0.1540% (0.161%) | 2016/9/8 | 562.7 |
つみたて投資枠 My SMT 日経225インデックス | 0.1540% (0.163%) | 2017/11/24 | 83.5 |
つみたて投資枠 SMBC・DCインデックスファンド(日経225) | 0.1540% (0.164%) | 2020/7/22 | 62.2 |
つみたて投資枠 NZAM・ベータ・日経225 | 0.1760% (0.185%) | 2020/2/13 | 6.2 |
DCニッセイ日経225インデックスファンドA | 0.1859% (0.192%) | 2016/10/21 | 162.6 |
つみたて投資枠 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% (0.193%) | 2017/10/2 | 170.0 |
つみたて投資枠 Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% (0.210%) | 2017/8/29 | 82.2 |
つみたて投資枠 (三菱)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% (0.203%) | 2017/8/16 | 794.9 |
日経225インデックスe | 0.2090% (0.216%) | 2016/1/8 | 16.7 |
つみたて投資枠 東京海上日経225インデックスファンド | 0.2475% (0.263%) | 2016/1/8 | 107.5 |
[日興]インデックスファンド225(日本株式) | 0.2530% (0.257%) | 2001/10/31 | 215.7 |
つみたて投資枠 ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% (0.279%) | 2004/1/28 | 2,474 |
つみたて投資枠 SMT 日経225インデックス・オープン | 0.4070% (0.413%) | 2010/7/30 | 359.6 |
つみたて投資枠 eMAXIS 日経225インデックス | 0.4400% (0.445%) | 2009/10/28 | 480.0 |
つみたて投資枠 野村インデックスファンド・日経225[Funds-i] | 0.4400% (0.446%) | 2010/11/26 | 667.9 |
たわらノーロード日経225が0.143%に引下げを行うと、すぐにeMAXIS Slim国内株式(日経平均)も対抗した引下げを行い、さらに<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドも対抗した引下げで、現在、この3本に2021年3月8日に設定されたPayPay投信 日経225インデックス、2023年7月10日に設定されたはじめてのNISA・日本株式インデックス(日経225)を加えた5本が信託報酬0.143%の同率で並んでいます。
ただ、PayPay投信 日経225インデックスは2期目決算で実質コスト0.262%と、初回決算の0.426%からは下がりましたが、依然、信託報酬以外のコストが非常に高くなっています。
さらに2023.7.12にSBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンドが信託報酬0.1133%で新規設定され、信託報酬としては単独最安値となりますが、本ファンドの場合、投資先ETFの信託報酬以外のコストを別途負担する事になると思われますので、実際のコストは運用結果を見ないと判断出来ません。
そして、2023.12.22には楽天・日経225インデックスが信託報酬0.1320%で設定されました。
純資産総額では、信託報酬はそう低くないものの、ニッセイ日経225インデックスファンドが圧倒的に大きくなっています。設定が古く運用実績の長いファンドですが、数年遅れで設定されたFunds-i、eMAXIS、SMTに大きな差をつけています。
比較的設定が新しい低コストファンドの中ではたわらノーロードが1,152億と健闘しています。
*インデックスファンドの信託報酬・実質コスト・純資産総額は下記ページにまとめてあります。
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資金流出入額 [国内株式(日経平均株価)インデックスファンド・人気ランキング]
2023年下半期(7~12月)の概算の月次資金流出入額(*)6カ月合計、及び2023年合計を見てみます。
2023年下半期の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2023年下半期(7~12月) | 2023年 | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | たわらノーロード日経225 | 139.0 | 1 | 160.3 |
2 | eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | 113.7 | 3 | 105.3 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 89.5 | 4 | 91.0 |
4 | (三菱)つみたて日本株式(日経平均) | 81.8 | 2 | 148.2 |
5 | iFree 日経225インデックス | 56.3 | 5 | 45.9 |
6 | eMAXIS 日経225インデックス | 31.3 | 20 | -143.9 |
7 | My SMT 日経225インデックス | 23.3 | 17 | -11.9 |
8 | SMBC・DCインデックスファンド(日経225) | 17.1 | 6 | 27.7 |
9 | 野村インデックスファンド・日経225[Funds-i] | 16.7 | 21 | -148.7 |
10 | 野村つみたて日本株投信 | 11.2 | 7 | 22.1 |
11 | Smart-i 日経225インデックス | 9.0 | 9 | 10.4 |
12 | 東京海上・日経225インデックスファンド | 7.9 | 8 | 13.7 |
13 | SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド(*1) | 7.8 | 10 | 7.8 |
14 | インデックスファンド225(日本株式) | 7.2 | 16 | -4.5 |
15 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 6.8 | 19 | -128.4 |
16 | 楽天・日経225インデックス・ファンド(*1) | 3.4 | 12 | 3.4 |
17 | PayPay投信 日経225インデックス | 1.6 | 14 | 1.2 |
18 | はじめてのNISA・日本株式インデックス(日経225)(*1) | 1.2 | 13 | 1.2 |
19 | NZAM・ベータ 日経225 | 0.5 | 11 | 3.7 |
20 | 日経225インデックスe | -0.6 | 15 | -1.9 |
21 | SMT 日経225インデックス・オープン | -2.2 | 18 | -120.3 |
参考 | DCニッセイ日経225インデックスファンドA | 12.4 | 参考 | 19.2 |
(*1)2023.7.1以降に設定されたファンド
2023年下半期の上位3ファンドは、
2023年合計だと、
過去の結果だと、日経平均株価インデックスファンドの場合、ただ低コストというだけでなく、販売会社の多さが売れ行きに大きく影響しているように見えましたが、今回の評価期間に限れば、比較的低コストのファンドが上位を占めています。
また、短期的な売買が多いのか資金流出入は安定せず、大きな額の資金流入・流出を繰り返しているというのも日経平均株価インデックスファンドの特徴です。
(以下、管理人の勝手な推測ですが、)
銀行、店頭証券などで投資信託を購入される方は日経平均を好む、
一方、コストに厳しくネット証券を主に使用している層は、日経平均よりTOPIX、あるいは海外株式を好む
といった傾向があるのではと推測します。
たわらノーロード、iFree、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、つみたて、eMAXIS Slimの月次資金流出入額の比較
主な低コストファンドのたわらノーロード、iFree、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、(三菱)つみたて、eMAXIS Slim、この5本の月次資金流出入額の推移を見てみます。
日経平均株価インデックスファンドは資金の出入が激しく、低コストのeMAXIS Slim国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスファンド、たわらノーロード、iFree 日経225インデックスですら資金流出の月があります。
その中で、前述のようにたわらノーロードが多くの資金を集めています。
また流入額が比較的安定しているのは(三菱)つみたて日本株式(つみたてNISA/NISAつみたて投資枠専用として扱っている金融機関が多いからでしょう)。
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リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか?ベンチマークとの乖離は?
2023年12月末時点の各ファンドの騰落率を見てみます。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果です。
*騰落率は全て分配金再投資時(分配金課税無)の基準価額より計算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。
騰落率とコストの関係は、理想的には(配当課税を適切に考慮した)インデックス騰落率から決まる傾き、切片の直線になります。国内株式の場合、配当が出ると、それに課税される事無くファンド内に入りますので、配当込指数がインデックス騰落率となります。
ここではインデックス騰落率として日経平均トータルリターン・インデックスを用います。
*日経平均トータルリターン・インデックスに関する著作権ならびに「日経」および「指数」の表示に対する知的財産権、その他一切の権利はすべて日本経済新聞社に帰属しています。データは日経平均プロフィルより引用。
*図中、ニッセイ日経225インデックスファンドを「ニッセイ日経」、DCニッセイ日経225インデックスファンドAを「DCニッセイ」と表記します。
6カ月騰落率
先ずは2023年12月末日時点の6カ月騰落率を見てみます。各ファンドの実質コスト(/2)に対してファンド騰落率をプロットしています。
*この評価の精度は概ね0.01%です。
図中、茶色の横線は配当込指数の値、配当込指数から決まる騰落率とコストの関係をグレーの点線で示しています。
日経平均株価インデックスファンドの場合、このグレーの点線よりマイナス側に位置するファンドが多いのですが、今期の評価でもいくつかのファンドにそういう傾向が見られます。
1年騰落率
次に2023年12月末日時点の1年騰落率です。
多くのファンドがグレーの点線上にあり、これは、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない運用になっている事を意味します。
ただし、Smart-i、東京海上がマイナス側に、SMBC・DCがプラス側に乖離しています。
これらの乖離しているファンドを除くと、eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロード、iFree、My SMTなど低コストのファンドが順当に騰落率も高くなっています。
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まとめ & おすすめの日経平均株価インデックスファンド
設定から6年弱で純資産も500億近く、運用の安定性(ベンチマークとの乖離が小さい)、(運用実績が長いファンドの中では)信託報酬最安値、そして、その低いコストに応じた高い騰落率を示している、
さらに、信託報酬で同率の、
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
この3本なら大きな差はないでしょう。
*「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
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*通常ショッピング時は1.0%。
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勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。
頻繁に売買したい方、(非上場)投資信託よりETFを検討されては如何ですか? 日経平均株価との連動を目指すETFの詳細は下記ページをご覧ください。
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