純資産総額 5兆円突破(2024.12)
1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するインデックスファンド、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について解説します。
[最終更新日:2024.12.31]純資産総額、「最新の騰落率」を2024.12末時点の情報に更新。
実質コスト、マザーファンド純資産総額を最新の情報に更新。
[2024.6.12]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.5末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本情報
eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、概ね最低水準の座を維持しています。
本記事で解説するのは1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
先ず、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2018年10月31日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | MSCI All Country World Index(配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.05775%以内 |
実質コスト | 0.113%(*1) |
純資産総額 | 50,995億円(2024.12.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | [先進国株式]24,218億円(2023.5.12時点) [新興国株式]4,196億円(2023.5.12時点) [日本株式] 1,707億円(2024.4.25時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.0175% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.0175% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.0175% |
(*1)実質コストは2024.4.25決算の値に2023.5/9月の信託報酬引下げ分を考慮した値。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはMSCI All Country World Index [ACWI][配当込み・ネット]で日本を含む先進国、新興国の株式に投資します。
MSCI ACWIは全世界47カ国・地域(先進国23カ国+新興国24カ国)の大型株、中型株、約2,800の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数です。これだけで全世界株式の時価総額の約85%をカバーします。
尚、ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切に考慮されているかは定かではありません。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
マザーファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。
外国株式インデックスマザーファンド、新興国株式インデックスマザーファンドは、それぞれeMAXIS Slim先進国株式インデックス、eMAXIS Slim新興国株式インデックスと同じマザーファンドで既に大きな純資産総額を有します。
一方、日本株式インデックスマザーファンドは、本ファンドと同時に新規設定されたもので自己設定額3億円でのスタート、2023年4月には575億になっています。
投資地域別比率
国内株式、先進国株式、新興国株式の比率は現時点(2024.5末)で下表のようになります。
地域 | 比率 |
国内株式 | 5.4% |
先進国株式 | 84.4% |
新興国株式 | 10.2% |
尚、ベンチマーク MSCI ACWIは時価総額加重平均型指数ですので、その時点の時価総額で国内、先進国、新興国比率が変化します。例えば、他の先進国株式に対し国内の株価が低迷すれば国内株式の比率が小さくなります。
投資国比率
(ベンチマークの)投資国比率は下図のようになります(2024.1末時点)。
トップはアメリカで63%、全体の半分以上を占めます。そして日本 6%、イギリス 4%と続きます。
詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
投資銘柄
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は2,757銘柄に投資しています。
ベンチマークを構成する殆どの銘柄を保有している事になります。
画像引用:eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー) マンスリーレポート(2024/5)
組入上位10銘柄中9銘柄を米国企業が占めています。
ただ組入比率トップのマイクロソフトでさえ3.9%ですので広く分散されている事が分かります。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
全世界株式インデックスファンドとしては(概ね)最低水準の0.05775%。
実質コストは5期目決算で0.113%(2024.4決算値に2023.5/9の信託報酬引下げ分を考慮した値)、(配分比率の小さい)国内株式以外はマザーファンドが既存のもので巨額の純資産を有するだけに信託報酬以外のコストも問題のないレベルです。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
受益者還元型信託報酬
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。
純資産総額 | 信託報酬(税込) |
5,000億円未満の部分 | 0.05775% |
5,000億円以上1兆円未満の部分 | 0.05764% |
1兆円以上の部分 | 0.05753% |
5,000億円以上、1兆円以上の部分に対する信託報酬がさらに低くなります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産総額は2022年4月5日には5,000億円、2023年4月14日には1兆円を突破、既に受益者還元型信託報酬が適用されており、僅かですが信託報酬が低くなっています。
純資産総額に対する信託報酬率を下図に示します。
2024年5月末日時点の純資産総額は3.4兆円ですので、受益者還元型信託報酬適用後の信託報酬は0.05758%となります。
他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
MSCI ACWIをベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが(日本を含む)全世界の株式に投資するインデックスファンドと比較してみます。
さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(TOPIX、先進国株式、新興国株式)を6%:83%:11%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
*ファンド名下の[]内はベンチマーク。[FTSE]はFTSE Global All Cap Index、[MSCI]はMSCI All Country World Indexの略。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド [MSCI] | 0.05610% | 0.196% |
2 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) [MSCI] | 0.05775% | 0.113% |
2 | はじめてのNISA・全世界株式インデックス [MSCI] | 0.05775% | 0.082% |
2' | Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) [MSCI] | 0.05775% (上限0.08775%) | 0.139% |
5 | ステート・ストリート全世界株式インデックス・オープン [MSCI] | 0.0748% | --- |
6 | PayPay投資信託インデックス世界株式 [FTSE] | 0.0910% | 1.422% |
7 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.1022% | 0.112% |
個別ファンドの組合せ | 0.1074% | ||
8 | たわらノーロード 全世界株式 [MSCI] | 0.1133% | 0.161% |
9 | Smart-i Select 全世界株式 [MSCI] | 0.1144% | 0.181% |
10 | SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.1338% | 0.151% |
11 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド [FTSE] | 0.192% | 0.214% |
12 | つみたて全世界株式 [MSCI] | 0.1980% | 0.261% |
13 | ステート・ストリート 全世界株式インデックス [MSCI] | 0.5280% | 0.597% |
日本を含むMSCI ACWIをベンチマークとするファンドは当初eMAXIS Slimと全世界株式インデックス・ファンド(ステート・ストリート)の2本しかありませんでしたが、
- 2019年7月22日設定 たわらノーロード全世界株式
- 2020年3月6日設定 つみたて全世界株式
- 2022年4月27日設定 Smart-i Select全世界株式インデックス
- 2023年4月26日設定 Tracers MSCIオール・カントリー(全世界株式)
- 2023年7月10日設定 はじめてのNISA全世界株式(オール・カントリー)
- 2023年10月27日設定 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
- 2024年1月11日設定 ステート・ストリート全世界株式インデックス・オープン
と新規設定が相次ぎ、しかも激しいコスト競争を繰り広げています。
そのきっかけとなったのがTracers MSCIオール・カントリー(全世界株式)、はじめてのNISA全世界株式(オール・カントリー)、そして、これに対抗して信託報酬を引下げたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
*Tracers MSCIオール・カントリー(全世界株式)は信託報酬に指数の標章使用料などが含まれず、これら諸費用を加えた事実上の信託報酬の上限は0.08775%になると思われます。
さらに、より低コストの楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドが設定されました。
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドが信託報酬最安値ですが、実績のあるファンドではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が現時点で事実上の最安値と言って良いでしょう。
尚、ベンチマークは異なりますが、同じく日本を含む全世界の株式に投資するファンド、SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)等よりもeMAXIS Slimの信託報酬は十分低くなっています。
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個別のインデックスファンドとの組合せと、どちらがお得か?
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は0.05775%(税込)。
一方、eMAXIS Slim先進国株式[0.09889%]、eMAXIS Slim新興国株式[0.1518%]、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)[0.1430%]を83%:11%:6%の比率で組み合わせた場合の信託報酬は上表にも示したように0.1074%、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)より0.05%ポイント高くなります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)1本を購入するだけで、複数のファンドを組合わせるより十分低いコストで各地域に時価総額比率で投資出来るという事です。
(注)eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国内株式部分のベンチマークはMSCIジャパンでTOPIXとは異なります。
信託報酬の変更履歴
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は設定から4回、信託報酬引下げの実績があります。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2018/10/31 | 0.15336% | 新規設定(SBI・全世界株式に対抗した設定) |
2019/8/9 | 0.1296% | たわらノーロード全世界株式に対抗 |
2019/10/1 | 0.1320% | 消費税増税(8%-->10%) |
2019/11/12 | 0.1144% | SBI・全世界株式に対抗 |
2023/5/11 | 0.1133% | たわらノーロード全世界株式に対抗 |
2023/9/8 | 0.05775% | はじめてのNISA、Tracersに対抗 |
ベンチマークは異なりますが全世界の株式に投資するSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)の引下げに対抗し、eMAXIS Slimも2019.11.12に2回目の信託報酬引下げを行いました。さらに、たわらノーロード全世界株式に対抗し2023.5.11に3回目、そして、はじめてのNISA全世界株式(オール・カントリー)等に対抗し2023.9.8に4回目、しかも大幅な引下げを実施しました。
ただ、楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドに対抗する引下げは未だ発表されていません(2024.6.12時点)。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とSBI・全世界株式(雪だるま)、SBI・V・全世界株式、楽天・全世界株式インデックス(楽天・VT)の比較
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)はMSCI ACWIをベンチマークとしていますが、下記ファンドのようにFTSE・グローバル・オール・キャップ・インデックスをベンチマークとし日本を含む全世界の株式に投資するファンドもあります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との大きな違いは、
- FTSE・グローバル・オール・キャップ・インデックスをベンチマークとするSBI・楽天全世界株式は小型株までも含むのに対し、eMAXIS Slimは大型・中型株だけ。
- SBI・楽天全世界株式は事実上FOFで米国ETFを介して全世界の株式に投資するのに対し、eMAXIS Slimは直接日本から全世界の株式に投資する。
1の小型株の有無に関しては、もともと小型株は全体に占める割合が小さく、かつ、その小型株によって確実にパフォーマンスが良くなるというわけでも無いので好みの問題と言って良いでしょう。
2は配当に対する源泉徴収税が大きく異なります。eMAXIS Slimのように直接海外に投資する場合、所有する株式の配当に対する源泉徴収税は、その現地国のみです。そして分配金を出さないファンドでは最終的には譲渡益として国内で課税されます。
一方、米国ETFを介して投資すると、現地国に加え米国での課税が加わります(米国企業の配当を除く)。
このように米国ETFを介して投資する場合、例えば配当利回りが2%だとすると約0.1%リターンが低下します。言い換えれば、信託報酬・実質コストが0.1%上乗せされるのと同じです。
より詳しくは下記記事をご覧ください。
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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2020年ごろから、資金流入額を増やし、その人気は右肩上がり。
そして、新NISAが始まった2024年には、さらに増加、毎月2,000億前後の資金流入が続いています(詳細は後述)。
それに伴い純資産総額も急速に伸びています。
2024年1月11日には純資産総額2兆円、2024年4月9日には3兆円を突破、eMAXIS Slimシリーズで3兆円を突破したのは、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)についで2本目です。
今、最も売れている全世界株式インデックスファンドです(管理人調べ、2024.5末時点)。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2024年5月末日時点の実質コストに対する1年騰落率をベンチマークが同じ複数のファンドでプロットしたものです。
そして、配当課税を適切に考慮した真のベンチマークから決まるコストと騰落率の関係が図中グレーの点線です(多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないであろうとの仮定の下、管理人の主観で決めた値)。
このグレーの点線上にあればコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないと推測できます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離がない安定した運用になっていると推測されます。そして、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
(*)ベンチマークには配当課税を考慮しないグロスと、配当課税を考慮したネットがありますが、ネットと言っても日本に対する課税を適切に計算した指数ではなく、通常はグロスとネットの中間に、日本への配当課税を適切に考慮した真のベンチマーク値が存在します。
尚、上図の評価期間(1年)には2023.9.8の大幅な引き下げは70%程度しか含まれていませんので、今後は他のファンドとの差が大きくなっていくと推測されます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の分配金
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
最新の騰落率[利回り](たわらノーロード、Tracers、はじめてのNISA、楽天・オルカンなどと比較) ~2024年12月末日時点~
*本章は原則毎月更新します。
最新の騰落率をライバルファンドとともにまとめます。
*3年・5年騰落率は年率表記。
[表をクリックすると拡大します]
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、ベンチマークが同じTracers MSCIオール・カントリー、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)と概ね同等の騰落率。
初回決算で実質コストが高かった楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドよりは高い騰落率になっています。
尚、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはベンチマークが異なりますので参考値として見て下さい。小型株を含むからと言って必ずしもリターンが勝るわけでもありませんし、将来どちらが勝つかは分かりません。
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新NISAで大人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)[オルカン]
2024年から非課税期間無期限で非課税投資枠も大幅に増えた新NISAが始まりました。
新NISAでの人気[資金流出入額]
新NISAが始まる2023年、及び2024年の日次資金流出入額を見てみます。
(*)日次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
(*)全てがNISAでの資金流入ではなく、課税口座等での流入額も含みます。
2023年に比べて2024年は資金流入額が大幅に増えています。
*2023.12の末日にも新NISA分が含まれます。
*3 or 4営業日目が毎月多いのはSBI証券などのクレカ積立分が計上される為。
特に2024年1月の3営業日には1日だけで1,000億円を超える資金流入額です。その後も毎月3 or 4営業日には400億円/日を超える資金流入、それ以外の日も数十億/日レベルの資金流入が続いています。
ベンチマークとの乖離
このように巨額の資金流入があると騰落率がベンチマークと乖離する事があります。
この乖離を検証してみます。
先ず、巨額の資金流入があった2024年1月9日の後の2024.1.10時点の1カ月騰落率です。
厳密に見るとeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、(マザーファンドを共有する)つみたて全世界株式とともに、他のファンドに対し0.01%強マイナス側に乖離しているように見えます。
念のため巨額の資金流入が起きる前の2024.1.5時点の約1カ月騰落率を見てみます(始点は2023.12.11で上図と同じ)。
2024.1.5時点では他のファンドと概ね同等(コストに応じた騰落率)だったことがわかります。
これから、2024.1.9/10の巨額の資金流入により若干のベンチマークとの乖離が発生した可能性があると言えるでしょう。
ただ、乖離と言っても0.01%強、基準価額1円程度の差です(よって上図の精度は0.01%程度)。
この程度の乖離は他のファンドでも頻繁に発生しており致し方ない事かと。寧ろ、1日で1,000億円の資金流入がありながら、これだけの乖離に抑えられたのは運用が安定している証とも言えるでしょう。
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まとめ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI ACWIをベンチマークとするファンドのみならず、他のベンチマークを含めた全世界株式インデックスファンドの中でも最低水準の信託報酬です。
資金流入も順調で、全世界株式インデックスファンドの中では最も売れているファンド、そして、NISA(つみたて枠/つみたてNISA)対象の全ファンドの中でも2023年下期1位と大きな人気を集めています。(順位は管理人調べ)
そして、ベンチマークとの乖離がない安定した運用となっています。
先進国株式、新興国株式、国内株式を時価総額比率で投資したい方、大型・中型株で十分、そしてよりコストにこだわる方にお勧めできるのがeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
この1本だけで全世界の株式に低コストで分散投資できる非常に便利なファンドです。
販売会社
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は下記の金融機関で購入出来ます。
下記ネット証券では(松井証券を除き)クレジットカード決済で投資信託を積立でき、勿論、ポイント付与があります。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)ではマネックス証券iDeCo、松井証券 iDeCo等が取り扱っています。
公式サイトマネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo
ライバルとなるファンド
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) *本記事
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス全世界株式
他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。
eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの評価・解説は下記記事をご覧ください。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) *本記事