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【インデックスファンド評価・解説】楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]

投稿日:2018年12月18日 更新日:

米国の株式に投資するインデックスファンド楽天・全米株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]について解説します。

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[最終更新日:2019.5.22]ライバルファンドのeMAXIS Slim米国株式の信託報酬引下げを反映
[2019.5.14]実質的な信託報酬引下げ、及び第2期9カ月の実質コストを追記

*本記事は基本的に2018年12月18日時点の情報に基づき記載しています。

楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]の基本情報

楽天・バンガード・ファンドシリーズは、楽天投信投資顧問が、米国大手投信会社の日本法人 バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社と協働し、バンガードETFに投資する超低コストのインデックスファンドです。

今回解説するのは、米国株式に投資し、CRSP USトータル・マーケット・インデックスとの連動を目指す楽天・全米株式インデックス・ファンド

先ず、楽天・全米株式インデックス・ファンドの基本情報をまとめます。

運用会社 楽天投信投資顧問
設定日 2017年9月29日
運用形態 インデックスファンド
投資形態 ファミリーファンド
*マザーファンドがバンガードETFに投資するので事実上FOF
ベンチマーク CRSP USトータル・マーケット・インデックス(配当込・グロス)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込) 0.1596%
(投資先ETF経費率 0.03%含む)
実質コスト 0.284~0.301%
純資産総額 287.83億円(2018.12.17時点)
(マザーファンド) 純資産総額 150.64億円(2018.7.17時点)
分配金実績
つみたてNISA 対象商品
SBI証券ポイント還元年率 0.03%
楽天証券ポイント還元年率 0.048%

 

投資対象

ベンチマークCRSP USトータル・マーケット・インデックス[配当込み・グロス]で、中・小型株を含む米国株式に広く投資します。

グロスとは配当に対する源泉徴収税を考慮しない指数となります。

(注)配当込・グロスは楽天投信投資顧問に確認しましたが公表された情報ではない為、その真偽を保証するものではありません。

実際の運用は、マザーファンドを通してバンガード社のETF バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Total Stock Market ETF【VTI】)に投資します。

 

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

画像引用:楽天・全米株式インデックス・ファンド交付目論見書

 

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 【VTI】

米国株式市場の大型から小型株までも含み、投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーする時価総額加重平均型の指数、CRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークとするETFです。

その経費率は0.03%

2018年11月末日時点で3,611銘柄に投資、組入上位10銘柄は下表のようになります。

  銘柄 Ticker 比率
1 Microsoft Corp. MSFT 3.0%
2 Apple Inc. AAPL 2.8%
3 Amazon.com Inc. AMZN 2.5%
4 Berkshire Hathaway Inc. Class B BRK.B 1.5%
5 Johnson & Johnson JNJ 1.4%
6 JPMorgan Chase & Co. JPM 1.3%
7 Facebook Inc. Class A FB 1.2%
8 Exxon Mobil Corp. XOM 1.2%
9 Alphabet Inc. Class A GOOGL 1.2%
10 Alphabet Inc. Class C GOOG 1.2%

データ引用:米国Vanguardサイトより

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

楽天・全米株式インデックスファンドの信託報酬は0.1296%(税込)

これに投資先ETFの経費率0.03%を加えて、

実質的な信託報酬は0.1596%(税込)

となります。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

実質コスト

2018年7月17日に1期目の決算を迎え、その実質コストが判明しました。

但し、決算期間は292日と1年に満たない為、下記二つの方法で年率に換算します。

(1)年率実質コスト=(期中の実質コスト)*(年率信託報酬)/(期中の信託報酬) + ETF経費率
(2)年率実質コスト=(期中の実質コスト)*365/決算期間日数 + ETF経費率

実質コストは0.294~0.311%(税込、2018.7.17時点)

信託報酬以外のコストが0.124~0.142%ですので決して低くはありません。

尚、2019.4.26以降、投資先ETF VTIの経費率が0.01%引き下げられましたので、これを考慮すると実質コストは0.284~0.301%となります。

 

第2期 9カ月後の実質コスト

第1期の実質コストが高かった事もあり、楽天投信投資顧問は異例ともいえる第2期期中途中でのコストを、第1四半期、前期、第3四半期と公表しました。

直近9カ月の結果ですが上記方法で年率に換算すると、

実質コスト 0.214~0.224%となります。

信託報酬以外のコストが0.056~0.065%ですので、十分許容範囲内といって良いでしょう。

詳細は下記記事をご覧ください。

 

他社 類似ファンド(S&P500)との信託報酬・実質コスト比較

CRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークとするファンドは楽天・バンガード・ファンド以外にはありませんので、米国株式を代表する指数といっても良いS&P500との連動を目指すインデックスファンドと比較します。

(低コスト)米国株式・インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド 信託報酬
実質コスト
楽天・バンガード
全米株式
0.1596%
0.284~
0.301%
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
0.162%
決算前
iFree
S&P500インデックス
0.243%
0.372%

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)のライバルとなるのはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)

信託報酬は概ね同じ、eMAXIS Slimの実質コストは決算前で未だわかりません。

中小型株まで広く投資したい方は楽天・バンガード・ファンド、大型株だけで十分という方はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)という選択になるでしょう。

[参考]S&P500の対象銘柄は時価総額でCRSP USトータル・マーケット・インデックスの約80%程度となっています。

 

信託報酬の変更履歴

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)は、設定以降、信託報酬引下げの実績はありません。

引下げ日 信託報酬(税込) 備考
2017/9/29
 0.1696% 新規設定。
2019/4/26 0.1596% 投資先ETF VTIの経費率引下げ。

尚、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬は、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)に対抗して設定されていますので、仮に楽天・バンガードが引下げを行うと、eMAXIS Slim米国株式も追従して引き下げると推測します。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額から、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

設定以来、毎月10~40億と非常に大きな資金流入が続いています。純資産総額も設定から1年ちょっとで300億円に迫る勢いです。

今、最も売れているインデックスファンドの一つになります。

 

運用状況は? ~ベンチマークとの乖離~

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離がファンド評価の重要な要素です。そして、その要因を知る事でファンドをより正しく評価出来るようになります。

*本来、こういった事は運用報告書に記載していもらいたいところですが、各社大雑把な説明に留まっています。

先進国株式(MSCI kokusai)などの場合、同じベンチマークの他のファンドと比較する事で、コスト起因、運用の問題などに切り分ける事が出来ますが、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)の場合、類似ファンドがありません。

そこで、投資先であるVTIのデータを用いてベンチマークとの乖離の要因を考察してみます。

 

月次騰落率での乖離

先ず、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)の月次レポート、さらに米国バンガード社のサイトからVTI(NAV)の月次騰落率でのベンチマークとの乖離をまとめます。

*楽天・バンガード・ファンドは小数点第1位、バンガードVTIは小数点第2位まで記載。

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

設定当初の2017年10月は-0.5%と大きな乖離を起こした楽天・バンガード・ファンド(全米株式)ですが、その後は最大で-0.1%と大きな乖離は起こしていません。

一方のVTI、ベンチマークに対して±0.01%と非常に優秀な成績です。

 

年間騰落率でのベンチマークとの乖離、及び、その要因分析

[注]本章での考察・検討は下記の仮定、及び管理人の主観が含まれています。公式な情報ではなく、その真偽を保証するものではありませんのでご注意下さい。
・為替レートは三菱UFJ銀行公表の対顧客外国為替相場TTM使用。
・楽天バンガードファンドの基準価額は、米国時間前日のVTIのNAVで決まるとする。

月次騰落率では殆ど乖離がなくなってきたように見えますが、2018年11月の月次レポートによると、1年騰落率で-0.5%の乖離が発生しています。

この乖離の要因を分析していきます。

楽天バンガードのベンチマークとの乖離は下記の要因に分類できます。

楽天バンガードの乖離 =
(1)楽天バンガードのVTIに対する乖離 +
(5)VTIのベンチマークとの乖離

また、
(1)楽天バンガードのVTIに対する乖離 =
(2)楽天バンガードの信託報酬 + 
(3)楽天バンガードの「その他のコスト」+ 運用上の問題 +
(4)VTI配当金に対する米国課税 

となります。

(1)楽天バンガードのVTIに対する乖離

楽天バンガードの騰落率とVTI(NAV)騰落率(円換算)の差から算出。-0.50%

(2)楽天バンガードの信託報酬

-0.1296%、ベンチマークに対してマイナスに乖離する要因になります。

(3)楽天バンガードの「その他のコスト」+運用上の問題 

信託報酬以外のコスト(実質コスト)、及び、運用上の問題での乖離成分です。
(1) - (2) - (4)で算出。-0.17%。 

(4)VTI配当金に対する米国課税

VTIは年4回配当を出しますが、その際、米国で10%源泉徴収されたあとの配当金がファンドの資産となります。

VTIの分配金再投資(配当金非課税)時、及び分配金の90%を再投資した時の騰落率(円換算)との差から、この成分を算出すると-0.19%。勿論、マイナスに乖離する成分となります。凡そ配当利回りの10%です。

(5)VTIのベンチマークとの乖離

米国バンガード社サイトのデータ引用し、それを円換算。+0.02%

以上をまとめたのが下図。

楽天バンガードとベンチマークとの乖離は-0.5%(小数点第1位までしか表記されていない)ですが、そのうち最も大きい成分が(4)VTI配当金に対する米国課税。

これはどうしようもありませんし、楽天・バンガード・ファンドだけの問題でもありません。国内から直接米国に投資する、例えばeMAXIS Slim米国株式(S&P500)でも同じです。
*直接VTIに投資した場合は外国税額控除で一部を還付できる場合があります。
*本ファンドは米国株式だけしか投資しませんので、海外ETF経由での3重課税の問題はありません。

勿論、(2)信託報酬によるマイナス乖離も致し方ありません。

問題となるのは(3)の「その他のコスト」または運用上の問題の-0.17%だけです。

決して小さい値ではありませんが、前述のように第2期に入り実質コストも低下傾向にありますので、今後、この成分も次第に小さくなっていく事でしょう。

 

まとめ

以上、楽天・全米株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]についての解説でした。

米国株式にほぼ丸ごと投資するバンガード社ETF VTIを、国内投資信託として手軽に購入出来る非常に魅力あるファンドです。

実際、設定以来、毎月10~40億円の資金流入と大きな人気を集めています。

未だ、信託報酬以外のコストが高めではありますが、今後、純資産総額の増加とともに次第に低下していく事でしょう。

米国株式に投資したい、

S&P500より中小型株を含む幅広い銘柄に投資したい、

そして海外ETFに直接投資するのは面倒と感じる方には最適なファンドです。

つみたてNISAiDeCo(楽天証券のみ)でも投資する事が出来ます。

[参考]CRSP USトータル・マーケット・インデックス(VTI)とS&P500の直近10年のパフォーマンスは概ね同じです。VTIの方が若干リターンは高いもののリスクも高くシャープレシオは同等。

 

購入先

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)は下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券等。

楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード

つみたてNISAでも購入できます。(上記金融機関でもつみたてNISAに対応していない場合があります)

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは楽天証券 iDeCo

 

 

他の米国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

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